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2024.11.08

「武者修行」の意味とは? 読み方や使い方、関連する四字熟語も紹介

「武者修行」とは、他の土地や諸外国を旅しながら芸や技術を磨くことです。武士が武芸を磨くために旅をして回ったことに由来しています。本記事では、「武者修行」の正しい意味や例文などを紹介。旅や努力に関する四字熟語の意味も、ぜひ参考にしてください。

「武者修行(むしゃしゅぎょう)」とはどんな意味?

武者修行の「武者」(むしゃ)とは、武芸に携わる人や武士たちのことです。以下のように「武者修行」は、それらの人が修行のため、諸国を旅することを意味します。

【武者修行】むしゃ‐しゅぎょう〔‐シユギヤウ〕
1.武士が武芸の修行のために諸国を巡って歩くこと。
2.学問や技芸の修行のため、よその土地や外国へ行くこと。

出典:小学館 デジタル大辞泉

現代社会では「2」の学問や技芸の修行のため、他の土地へ行くことを意味するのが一般的です。おもに、今とは別の場所で学ぶことや、技術を磨くことなどを表します。

武者修行」を使った例文

「武者修行」は武士の行いを指す言葉ですが、現代社会でも以下のように用いられます。例文を参考に、日常会話でぜひ活用してみてください。

・彼は海外での武者修行を終え、日本チームに帰ってきた
・イタリアで武者修行をしながら本場の調理方法を身に付けた
・ここは、かつて武者修行中の武士たちが寝泊まりに使った寺です
・経験を積むためにも、外の部署に武者修行に出てはどうかと先輩から提案を受けた

「武者修行」のような旅に関する四字熟語

「武者修行」は、修行のために諸外国を巡ることを意味する四字熟語です。同じように他国を巡ることや、旅をすることを意味する四字熟語には以下のようなものが挙げられます。

・物見遊山(ものみゆさん)
・南船北馬(なんせんほくば)
・人生行路(じんせいこうろ)

四字熟語を使えば、自分の考えや現在の状況などを簡潔に伝えることができます。ここでは、それぞれの意味や活用法についてみていきましょう。

旅行をする女性
(c)Adobe Stock

物見遊山(ものみゆさん)

「物見遊山」とは、気晴らしにあちこちを見学することです。「物見」は名所や盛り場などを見物すること、「遊山」は山野や水辺に気晴らしに遊びに出かけることを意味します。

気晴らしに遊ぶという意味があることから、仕事の場で「物見遊山」を使う場合は、ネガティブなニュアンスを含むケースが多くなる傾向にあります。以下のように、「物見遊山的」「物見遊山気分」といった形で使用することもあるでしょう。

・長期休暇を利用し、海外へ物見遊山に出かけた
・私はあくまでも仕事で伺っているのであって、物見遊山ではありません
・現場研修で物見遊山的な行動は慎んでもらいたい

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南船北馬(なんせんほくば)

「南船北馬」とは、あちこちを忙しく駆け回ること、絶えず旅をしていることを意味します。川が多い南では船を使い、山が多い北は馬で移動していた中国の地形から生まれたとされる言葉です。現代は以下のように、忙しい様子を表す四字熟語として用いられます。

・おかげさまで仕事が忙しく、今月も南船北馬だよ
・新規事業を成功させるため、南船北馬の毎日だ
・彼女は好きな俳優の講演のために、いつも南船北馬している
・スケジュールを見ると、年末まで南船北馬になりそうだ

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人生行路(じんせいこうろ)

「人生行路」とは、人が生きていく道や世渡りのことです。人の生活そのものを指すこともあります。

「人生行路難し」と言い表すこともあり、人の人生は、さまざまな困難が待ち受けている旅のようだと言い表す四字熟語といえます。

・まさか自分の人生にこんなことが起こるなんて。人生行路とはよく言ったものだよ
・何もかもがうまくいかない。人生行路難しだ
・彼は波乱にとんだ人生行路をたどってきた

「武者修行」のような努力に関する四字熟語

「武者修行」には、学問や技芸の修行のために他所へ行くという意味合いがあります。そもそも「修行」とは、努力して学ぶことです。同じように「努力」と関係する四字熟語には、以下のようなものが挙げられます。

・切磋琢磨(せっさたくま)
・粉骨砕身(ふんこつさいしん)
・試行錯誤(しこうさくご)

ビジネスや日常生活などで努力する場面では、以下を参考に四字熟語を活用してみてください。

ランニング
(c) Adobe Stock

切磋琢磨(せっさたくま)

「切磋琢磨」は、おもに学問や人徳を磨き上げることを意味します。人徳(じんとく)とは、努力によって身に付けた優れた品性のことです。

また、友人同士で励まし合いながら共に向上することも、「切磋琢磨」と言い表します。そのような関係を「切磋琢磨する仲」と表現することもあるでしょう。

・幼なじみの2人は長年、切磋琢磨する仲だった
・現状に満足することなく、切磋琢磨して技術向上を目指したい

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粉骨砕身(ふんこつさいしん)

「粉骨砕身」とは、力の限りに努力することです。骨を粉にし、身を砕く(くだく)ほど何かに励むことを意味します。

以下のように、それほどまでに努力する様子や、努力するという気持ちを表す際に使用します。

・粉骨砕身して、今回のプロジェクトを成し遂げる所存です
・郷土のため、粉骨砕身してお役に立ちたいと思います

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試行錯誤(しこうさくご)

「試行錯誤」は、トライアンドエラーを繰り返しながら解決策を見いだしていくことです。「試行」は試しに行うこと、「錯誤」は誤りや間違いを意味します。

ビジネスや学問においても、試行錯誤はたびたび行われます。会話の中では、「試行錯誤を重ねる」といった形で用いることも多いでしょう。

・試行錯誤を重ね正しい解答を導き出した
・製品を生産ラインに乗せるまでは試行錯誤の連続だった
・試行錯誤を経て、良質な製品を製造できるようになった

四字熟語の「武者修行」を正しく活用しよう

「武者修行」は、武士が武芸の修行のために諸外国を渡ることを意味する言葉です。現在は学問や技術を磨くため、今とは違う場所へ身を置き修行をすることを言い表します。

「武者修行」のように、旅をすることや努力をすることを意味する四字熟語には、さまざまな種類があります。四字熟語を知っておくと、自分の考えや状況を端的に伝えたいときに便利です。

なかには「試行錯誤」のように、ビジネスとの関連性の深い言葉も存在します。「武者修行」をはじめとする四字熟語への理解を深め、日常生活やビジネスシーンで正しく活用していきましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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