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初詣は何日までに行くもの? 関東と関西で違いも
毎年、新年を迎えると出かける初詣。皆さんは例年何日ごろに行っていますか? もしかすると「三が日に行かないといけない」といった話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。初詣の期日について考えてみました。

前述のとおり、初詣といえば元旦、遅くとも三が日の間に行かなくてはならないような気がしますが、実は特に決まりはないのです。元々初詣とは、氏子の家庭の家長が、大晦日から元日にかけて氏神さまをまつる神社にこもる「歳籠り(としごもり)」に由来するとされています。徐々にその風習が変化していった結果、元日だけお参りするようになったのだそうです。
現在のスタイルがおおむね確立したのは明治時代。ちょうど鉄道が発達しはじめたころで、鉄道会社のキャンペーンもきっかけのひとつだったようです。
また、大晦日の深夜からお参りに出かけることを、「二年参り」と呼ぶ地域があります。さきほど述べた「歳籠り」に近い感じがしますね。この「二年参り」ですが…さまざまなスタイルが存在し、中には大晦日に参拝後一旦自宅に戻り、新年を迎えてからもう一度出直す地域もあるのだとか。
初詣に中々行けない場合は最長何日までに行くの?
初詣とはそもそも、その年の最初に寺社にお参りすることですから「いつまでに行かなければいけない」というものではありません。自分のスケジュールに合わせましょう。
初詣に適した期間と時間帯はある?
スケジュールは空いているけれど、具体的にいつがよいかわからないという方のために、初詣に適した期間と時間帯をご紹介します。
◆初詣に適した期間
一般的には三が日の間に行く人が多いでしょう。また「松の内」までに、とも言われています。松の内は地域によって違いがあり、関東では1月7日まで、関西では1月15日まで、九州の一部では7日のところもあります。
また、旧暦を目安にするという人も。旧暦では、新しい年の始まりを立春としていました。2025年の立春は2月3日ですから、そのあたりまでに参拝するのもいいですね。
◆初詣に適した時間
時間に関しても特に決まりはありません。ただ、午前中は混み合います。同じ三が日でも午後にずらすだけで人出はずいぶん変わるでしょう。
門がない神社も多いので、1日中お参りすることは可能です。授与所や祈祷所は時間が決まっていますから、お守りや御朱印を受けようとする場合には受付時間内に訪れましょう。
初詣で人混みを避けるためにできること

人混みが苦手であったり小さな子連れで行くなど、混雑を避けたい方のために、いくつかアイデアをご紹介しますね。
日にちをずらす
初詣に訪れる人は三が日、特に元旦に集中しています。同じ三が日でも2日は比較的人が少なく、3日は逆に駆け込みの人で増えることも。こういった人の流れと逆行した行動を取ってみましょう。もしくは先ほど紹介したように「立春までに行けばOK」と考えれば、随分選択肢が広がりますよ。
時間をずらす
同じ元日でも、気温の上がり始めるお昼前がいちばん混むそうです。そのため、元日の早朝や夕方など、人が少なそうな時間帯を狙ってみてましょう。ただし、夕方以降は授与所が閉まっているところもありますので、事前に確認しておきましょう。
場所を変える
人の多い神社だからご利益が得られる、というものではありません。初詣とはそもそも、地元の神様に昨年一年間のお礼と、新しい年の幸せをお祈りするための行事。にぎやかなところへいけばいい、という訳ではないのです。まずは、近所の氏神さまにお参りしてみてはいかがでしょうか。
初詣の作法・正しいお参りの方法

知っているようで知らないお参りの作法。お正月を迎える前に、しっかりとおさらいしておきましょう。
手水舎で手や口を清める
鳥居前で服装をただし、一礼して境内へ入ります。帽子やマフラーはこの段階で外しましょう。
次に、手水舎で手や口をしっかり清めます。手順は次の通りです。
(1)右手に柄杓を持ち、左手を洗う
(2)柄杓を左手に持ち替えて右手を洗う
(3)再び柄杓を右手に持ち替えて、左手で水を受けて口をすすぐ(柄杓に口をつけないよう注意してください)
(4)左手の手のひらを洗う
(5)柄杓を縦にして、自分が持った柄の部分に水を流し、元の位置にもどす
(1)~(5)までの工程を、柄杓1杯の水で行います。
古いお札やお参りを奉納する
次に、昨年お世話になったお札やお守りを奉納しましょう。できれば、昨年受けた神社へ直接お返しするのが理想です。ただ、難しいときには「郵送での返納を受け付けているか確認し、受け付けていれば郵送する」、「同じ宗派の寺社へ返納する」など、さまざまな方法があるようです。
本殿でお参りをする
いよいよ、お参りです。手順を解説しますね。
(1)神前に向かって立ち、姿勢を正す
(2)賽銭を入れる
(3)鈴を鳴らす
(4)もう一度姿勢を正す
(5)二拝二拍手一拝の作法で拝む
(5)の「二拝二拍手一拝」とは、2回お辞儀をし、2回拍手をしてからお祈りをし、お祈りが終わったら1回お辞儀をする、ということです。こちらは神社での拝礼です。寺院では拍手をしませんので、(5)の部分では合掌して静かに祈りましょう。
これでお参りは終わりです。お参りを済ませたら、お札やお守りを受けたり、おみくじを引いたり…新年限定のご朱印を授けるところも多いので、ご朱印帳も持っていくといいですね。
初詣に関する注意点や疑問について解説

お参りの準備はOKでしょうか。その他、よくある疑問にお答えしましょう。
お寺に初詣に行くときは?
日本には古来より「お正月には歳神様をお迎えする」との風習があることから、初詣は神社に行く人が多いのですが、お寺に行ってはいけないということではありません。
お寺の山門は神社における鳥居と同じで、俗世との境目にあたります。お寺を訪れるときには、山門前で身なりを整え、気持ちを落ち着けて中へ入ります。
また、仏前では拍手をしません。手水舎で手や口を清めた後、ご本尊をまつる本堂前に香炉がある場合は線香などを供えて身を清めます。ご本尊の前では、お賽銭を入れ深く一礼した後、静かに手を合わせてお祈りを。最後にもう一度礼をして終了です。
喪中のときは?
神道では親族が亡くなってから50日間を、仏教では49日間を忌中とします。特に神道では忌中の間は、親族にも死の穢れがあるとされていますので、その期間は神社での参拝を避けたほうが無難です。詳しく知りたい場合は、お参りする神社に問い合わせてみてくださいね。
引いた後のおみくじは?
引いた後のおみくじは、境内の木などに結んで帰る人が多いですね。ですが、これは絶対ではありません。神仏からのありがたいメッセージなので、持ち帰って常に身につけていてもいいのです。また、凶だった場合には、利き手でないほうの手で結ぶと吉に転じるという話もあるのだそう。
来年の初詣はいつにする?

旧年への感謝と、新年への願いを込めて行う初詣。新たにやってくる一年を健やかに過ごせるよう、まっすぐな心で神仏に祈りを捧げたいところ。「何が何でも三が日に」と限定しなくともよいのです。スケジュールが合うときに初詣へ行き、心に余裕を持って参拝しましょう。
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