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おみくじの順番とは?
初詣に行ったとき、運勢を占う為におみくじを引く人は多いはず。おみくじを引いたらやっぱり大吉を引きたい! と思いがちですが、大吉を引けば必ず良い運勢が待っているというわけではなさそうです。そこで今回は、下鴨神社京都学問所の新木直安研究員に教えていただいたおみくじの順番についてご紹介していきます。
◆おみくじの縁起の良い順番
おみくじを縁起が良い順番に並べると、
大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶→大凶
になると言われています。
しかし、これはあくまで一般的な順番で、神社によって多少異なります。例えば、特定の吉凶を設けていなかったり、かく分かれていたりするため、その神社の決まりを知るのが一番です。
◆おみくじに吉も凶もない神社も
吉凶の判断が書かれていないおみくじをご存知でしょうか? 東京都にある明治神宮のおみくじは、「大御心(おおみごころ)」と呼ばれ、吉凶の判断がありません。代わりに書かれているのは、祀られている明治天皇・昭憲皇太后が詠まれた30首の和歌とその和歌の解説。それぞれの歌から意味合いを読み取り、自分なりに考えるというおみくじです。
◆おみくじの種類が10種類以上ある神社も
おみくじの順位と同じ様に、種類にも明確な決まりはありません。中には、おみくじの種類が10種類以上ある神社も。例えば、東京の赤坂にある日枝神社は、12種類のおみくじの順番があります。「凶」も、凶・小凶・半凶・末凶・大凶の5つに分かれています。
また、一風変わった吉凶のあるおみくじは、京都府にある石清水八幡宮にあります。そのおみくじには、「平」や「未分」という見慣れぬ吉凶が。「平」は運気が安定している状態、「未分」はこれからの行動で、吉にも凶にもなるという状態を指すと言われています。
おみくじの順番を気にしすぎないことが大切!
注意しなければならないのは、おみくじは吉凶だけが全てではない、ということ。「大吉だったから、一年間ハッピーだ」「大凶だったから今年は最悪だ」と順番だけを気にするのではなく、そこに書かれた内容をよく読むことが大切です。神様の言葉であるおみくじを通して、部から対処法を学び、今後の指針にしていきましょう。
おみくじで気になる「待ち人」「縁談」「失物」などの意味
おみくじの内容はいくつかの項目に分かれています。きちんと内容を読み取るためにも、その意味をマスターしましょう。
◆「待ち人」
おみくじにおける「待ち人」は、「自分の人生に大きな影響を与える人」を指します。自分の道を選ぶきっかけになる人であるため、性別や年齢は関係ありません。はたまた家族である場合もあります。“私の人生のキーパーソン”と捉えるとわかりやすいでしょう。
◆「縁談」
「縁談」は、結婚相手・結婚に関する出会いについて書かれています。その内容は「よし」や「うまくいく」などの他に、「自分で探せ」「年上に話を進めてもらうと良い」「他人の言葉を信ぜず自分で考えよ」などの言葉があります。
◆「失物」
「失物」は「うせもの」と読み、紛失物や探し物のことを指します。そうしたものが見つかるかどうかが示されています。見つかると書かれていたら一安心。逆に、見つからないと書かれていたら諦めがつくかもしれませんね。
おみくじの由来と正しい引き方とは?
私達の身近にあるおみくじは、どんな由来があるのでしょうか? ここではその由来と、正しい引き方をご紹介します。
◆おみくじの由来
おみくじの起源は、村や集落全体で神様の意見を知るために行った「占い」です。古くは神様の声を聞くための手段だったものが、江戸時代ごろに、神様や仏様の教えを分かりやすく書いたおみくじへと変化していきました。次第にアドバイス的な性格で出てきて、今のようなおみくじのスタイルになったと言われています。
◆おみくじの正しい引き方
おみくじの正しい引き方には2つのポイントがあります。まずは、お参りをした後で引くことです。神様に願い事や目標をきちんと伝えてからでないと、おみくじを通じて神様の意見を聞くことができません。
次に、叶えたい願いや目標を心に持ちながら引くことです。くじの入った箱は、力一杯振ったり、むやみにたくさん振ったりする必要はありません。願いを込めながらくじを引いてみてくださいね。
おみくじを引いた後はどうする?
きちんと作法を守りながら引いて、内容も読んだおみくじ。さて、その後はどうすればよいのでしょうか? 持ち帰るべきか境内に結ぶべきかを迷うという方も多いと思います。しかし、実は「こうすればよい」という決まりはありません。それぞれの神社によってさまざまな見解があるためです。ここでは、枝に結ぶ場合と持って帰る場合について詳しくご紹介します。
◆枝に結ぶ場合
おみくじを枝に結ぶという行いには、木が持っている生命力と自分の願いを結びつけるという意味が込められています。ただ、むやみに境内の木々に結びつけてしまうと木々を傷め、景観を乱してしまう可能性が。「おみくじ結び所」が指定されている場合には、必ず指定された場所で結ぶようにしましょう。
◆持ち帰ったり保管する場合
年初めに引いたおみくじを持ち帰る場合、一年間は大切に保管しましょう。保管方法は、各自の自由です。バッグや財布に入れたり、机に保管するのが一般的でしょう。最近は、おみくじを入れて持ち歩くための、おみくじ入れも人気です。
最後に
おみくじの順番は気になってしまいますが、それ以上に、書かれている内容をよく読んで理解することが大切です。心に迷いが生じた時、そっとおみくじを見返してみてくださいね。きっと道を示してくれるはずですよ。
TOP画像/(c)Adobe Stock
教えてくれたのは… 下鴨神社京都学問所研究員 新木直安氏
昭和50年生まれ。下鴨神社京都学問所研究員、下鴨神社資料館館長。最近は、下鴨地域の歴史を研究中の研究に力を入れている。