秋のお彼岸とは|2024年はいつ?
お彼岸は春と秋の年2回行う、日本独自の行事です。一般的には家族が集まり、お墓参りなど先祖供養を行います。
「彼岸」とは、仏教用語で「生死の迷いを河・海にたとえた、その向こう岸」、つまり「あの世」を指しています。お彼岸はあの世にいるご先祖様が最も近づく時期といわれているため、いつもより供養の思いや言葉が伝わりやすいとされ、特別にお墓参りをする行事となっているのです。
日本では仏教が伝わる前から、春と秋に神様やご先祖様に農作物の実りのために祈る風習があり、そこへ彼岸の考え方が入ってきて、いわば融合したことで、現代にまで伝わるお彼岸の形になったといわれています。
秋のお彼岸にすること
お彼岸に行うことは、地域や家庭によって異なります。しかし春と秋のお彼岸はどちらも行うことは変わらないといえるでしょう。家族・親族一同が集まり、お墓やお仏壇に手を合わせて、いつもより少しだけ丁寧に供養し、日頃の報告をしたり、お供物を捧げたりします。
菩提寺のある人は、お寺で執り行われる彼岸会法要(ひがんえほうよう)に参加するのが一般的です。彼岸会法要は、お寺の境内でお坊さんがお経を上げて、いつもより丁寧に先祖供養を行うための機会です。
お彼岸では特別な食事会を開催したり、お盆のように特別な祭壇をつくったりする慣習はない傾向にあります。
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秋のお彼岸について理解したところで、避けた方がいい行動があるのかどうか気になりますよね。よく聞かれる2つの質問を見ていきます。
お彼岸に結婚式などのお祝いごとは控えるべき?
通例、お彼岸にお祝いごとを控えるべきという考え方はほとんどないといえるでしょう。
御両家が相談の上で、結婚式を執り行うケースも少なくありません。その他のお祝いごとも家族と相談の上で決めれば問題ないでしょう。
一方でお盆の場合、盆棚を自宅に作って供養して、ご先祖様をお迎えする慣習があります。盆棚を作ったのにもかかわらず、お盆の当日に家族そろって旅行に出かけたり、結婚式を挙げたりして家族全員が家を空けるというのは考えもの。しかしお彼岸の場合にはそうした慣習もないため、家を空けても問題ないでしょう。
先述した通り、お彼岸はもともと実りを神様やご先祖様に感謝し、今後の豊穣を祈る行事でしたので、特にタブーなどはないようです。
お墓参りの前後にお見舞いをしてはいけないって本当?
一般的には、お墓参りのついでにお見舞いに行ってはいけないというマナーはありません。また仏教にもそのような教えはありません。
むしろ、知人や親族のお見舞いの前後にお墓参りに行き、ご先祖様のお墓に対して「病気や怪我が早く治りますように」「この人を助けてください」など助けを求めるために祈る方も。
ただし、日本には地域によってお墓参りのついでにお見舞いに行ってはいけないという民間に伝わる慣習があるようです。
お見舞いに行くかどうかは、地域や家の風習もあわせて考えるとよいでしょう。
秋のお彼岸に香典は必要?
お彼岸に実家へ帰省したり、親族の家に訪問したりするときに、香典は必要かどうかという質問をよくいただきます。
お通夜や葬儀、法要の際に香典を持っていくのはマナーですが、お彼岸の際に香典を持っていくことは特にマナーとはされていません。
ただし、香典は「お供物代」の意味がありますから、供養のためのお菓子やお花などのお供物の代わりに持参してもかまいません。
特に持参する必要のないお彼岸やお盆に香典を持っていくと、その次の年も同じように、毎年香典を持っていく必要があるのかという質問をいただくこともあります。
これは仏教などの冠婚葬祭のマナーというよりも、お中元やお歳暮と同じように人間関係のマナーに関係することだと思います。お中元やお歳暮を贈り合うのは義務ではありませんが、毎年贈り続けていると、急にやめるのがはばかられますよね。それと同じことといえます。
お彼岸やお盆に香典を持参し続けるかどうかは、お相手との関係を考えて、ケースバイケースで決めていくのがよいでしょう。
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お彼岸にまつわる疑問にお答えしました。今年のお彼岸には、ぜひお墓参りに出掛けて、いつもより丁寧にお参りしましょう。
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メモリアルアートの大野屋 終活・仏事アドバイザー 川島敦郎
1956年東京都出身。大学卒業後ブライダル会社に勤務。企画やプランナー育成に携わり、業界資格の試験官も務めたエキスパート。ブライダルの世界から2005年にメモリアルアートの大野屋に入社。葬儀ディレクター、生前相談アドバイザー、セミナー講師としても活躍し、現在「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーとして年間5000件以上の相談に答える。
大野屋テレホンセンター著「もう悩まない! 葬儀仏事お墓ズバリ! 解決アンサー」(二見書房)、監修「小さな葬儀とお墓選び・墓じまい」(自由国民社)
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