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【判断基準別】自席でのNG行為「やるべきではない5つ」

自席でのNG行為を考えるときには、周囲に迷惑をかけそうな行動を基準となる目安に沿って判断するといいでしょう。
周りの人たちの集中力やモチベーションを下げかねない基準別に、やりがちなNG行為をまとめました。
♦︎音が気になる行動… 過激なタイピング音・過度な私語・イヤホンの音漏れなど
自分では気づきにくいけれど、周囲には迷惑がられやすいのが「過度な音」です。
強めのタイピング音や、貧乏ゆすりによる断続的な音や振動、オンライン会議の音声をイヤホンなしで自席で流す、動画・音楽のイヤホンからの音漏れ… などが挙げられ、静かな空間ほどちょっとした音でも目立ちます。
本人は無意識でも、周囲の集中力を削ぐ原因となっているケースも少なくありません。
♦︎匂いや音を伴う食事… 匂いが強い食べ物や咀嚼音、ゴミの放置など
オフィスの自席は「仕事をする場所」です。そのため「食べる行為」については、シチュエーションや騒音、臭いによっては迷惑だと思われる場合もあります。
たとえば刺激物や発酵食品などニオイの強い食べ物や、咀嚼音、食べ終わった容器やゴミを長時間放置するといった行動は、不快に感じる同僚も決して少なくありません。
とはいえ仕事が忙しいときの自席での軽食は、どんなオフィスでも珍しくないシチュエーション。食事に関する自席でのNG行為は限定的ですので、マナーを守れば周囲への不快感を和らげられるでしょう。
♦︎自席の私物化… 過度な装飾品など
自席は「自分のスペース」とはいえ、職場はあくまでも「共有空間」です。そのため、過度な私物化は避けましょう。
ぬいぐるみやフィギュアなどの装飾品を大量に飾ったり、お菓子・コスメ・私用の雑誌などでデスクを埋めたりすると同僚が不快に思うリスクが上がります。
また、デスク下に私用の荷物を置きすぎて足元が圧迫されれば周囲からの印象が悪くなるだけでなく、本人の集中力やモチベーションにも関わるので気をつけるべきでしょう。
♦︎長電話・オンライン会議の騒音… 長時間の私用電話や大声でのウェブ会議など
最近では、自席でWeb会議や電話をする機会も増えました。しかし、公私を混同している振る舞いはNG行為です。
たとえば私用の電話を長時間にわたって堂々と続けたり、オンライン会議中の声が大きく周囲の業務に支障を与えたりするレベルになると、周囲が迷惑がるリスクが上がります。
♦︎香りや衛生面での配慮不足… 強い香水や柔軟剤、机周りのホコリなど
本人は無意識でも、周囲が不快に思いがちな行動として意外と挙がるのは「匂い」や「衛生面」への指摘です。
強すぎる香水や柔軟剤の香り、汗・タバコ・ランチ後のニオイなどは、本人は慣れていて気にならなくても他人は気になりやすい部分。
最近は気分転換のリフレッシュミストや保湿対策のスプレーなども人気のアイテムですが、こういったものは予想以上に周りにも広がりがち。自分の席の範囲内で楽しむか、トイレや別の場所に移動した際に楽しむのが賢明です。
また、机の周りにホコリやゴミがたまりまくっているなども衛生的な理由から不快感を抱かれがちです。
これはOK! 自席でしても許容されること

上記で解説したNG行為に似ている行動でも、周囲の仕事や雰囲気を乱さず自分の業務効率やコンディションを保つための行動であれば、自席でしていても許されます。
判断に迷いがちながらも、自席でしても許容されることが多い行為の代表的なものを解説します。
♦︎水分補給目的でのお茶やジュースを飲む行為
仕事中の水分補給は、集中力維持だけでなく熱中症の予防にも重要です。
水や白湯ならば飲みやすくても、派手なボトルのお茶やジュースはオフィスで飲みにくいという声も稀に聞きますが、“水分補給目的”であれば特に問題はないでしょう。
なお、パッケージのデザインに遊び心が強くビジネスシーンに相応しくない懸念があるときには、ペットボトルのラベルを外したり、タンブラーやフタ付きのマグカップに入れ替えたりといった配慮をしましょう。
♦︎目薬やハンドクリームを使うお手入れ
目の乾燥対策や手のケアは、デスクワーク中にはやりにくいと思いがちです。仕事をサボっていると思われたくないからと、仕事中には目の乾きや手の乾燥を我慢する人も少なくない傾向にあります。
しかし、これらは快適に仕事をするうえでも必要なケア。においが強くないものであれば、自席で手早く使う分には問題ないでしょう。
♦︎短時間のストレッチや姿勢の調整
ストレッチの動作は、デスクではなかなかやりにくく休憩時にトイレなどで行う人も多いのですが、椅子に座ったまま軽く肩や首を回したり足を組み替えたりする程度であれば、健康管理の面からも自席でしていても特段の問題はないでしょう。
ただしできるだけ短時間で済ませ、周囲が目障りになるような派手な動作は控えるのが◎。
自席でNG行為をする同僚・後輩への注意の仕方

自席でNG行為をする人への注意には、心配りが求められます。
できるだけ相手の気分を害さずに、でもきちんと気づいてもらえるようバランスも大切でしょう。
注意をする際のポイントをまとめました。
♦︎ポイント1:責めない
明らかなNG行為をしている人に対しても、頭ごなしに責めるのは避けたいものです。責めたことによって人間関係にヒビが入り、仕事がしにくくなるリスクも伴います。
そのため「責める」のではなく「冷静に伝える」スタンスでいきましょう。
たとえばイヤホンの音漏れを指摘するのであれば「うるさいよ」と直接的に伝えるのではなく、「今から集中したい作業があって、もし可能なら音を抑えてもらえると助かります」など“お願い”をベースにすると受け入れてもらいやすいでしょう。
♦︎ポイント2:否定しない
絶対的なNG行為を注意するときでも、否定的な言い方から入ると反発を招きがちです。
「あなた、常識ないの?」などと文句を言いたくても、まずはグッと我慢。
たとえば、オンライン会議の声が騒がしいのを注意するのであれば「最近オンライン会議の音が気になってる人がちらほらいるみたい。マイクや声のボリュームを一度見直してもいいかもね」などと、相手を否定しない表現で伝えると無難でしょう。
♦︎ポイント3:怒らない
相手が明らかに悪いときでも最初から怒った口調で伝えると、口論や人間関係の亀裂に発展しがちです。そのため、冷静に伝える心がけが求められます。
たとえば、香水の香りが強い人に対して「職場に相応しくないほど香りが強い!」などと怒るのではなく、「申し訳ないのだけど、私はちょっと香りに敏感で… できれば控えめにしてもらえるとありがたいです」という具合に、自分が“困っている”という視点で話すと受け入れてもらいやすくなるでしょう。
職場の「自席」は社会的な場所
自席での行動は見られていないようで、しっかり見られています。些細なことだったとしても、積み重なると職場の雰囲気や信頼関係にも影響を及ぼしかねません。
一人ひとりがマナーを意識する心がけを通じて、仕事のしやすいオフィスが生まれ、結果として生産性もアップします。
自分がされてイヤなことは相手にも配慮をするのはもちろんながら、周囲の人が不快になる行動を意識的に控えるのも職場におけるマナーと言えるでしょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。