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2024.09.18

決裁権とは何を指す? 決裁権の意味や決済との違い、決裁の流れなども紹介

企業の意思決定プロセスの最終判断を行う権限のことを「決裁権」といいます。今回は「決裁権」について、言葉の意味や「決済」との違い、「承認者」との違いなどを調べてみました。「決裁権」を持つのは誰でしょうか?

決裁権の意味

職場で見聞きすることがある「決裁権」という言葉。文字通り「決裁の権限」を指しますが、実は意味をよく知らない人もいるでしょう。今回は決裁権に焦点をあて、意味や決裁の流れなどを紹介します。まずは、辞書で調べた「決裁」と、「決裁権」の意味を見ていきましょう。

(c) Adobe Stock

そもそも、決裁とは?

「決裁権」の「決裁」の意味をあらためて見てみましょう。

【決裁】
[名](スル)権限を持っている上位者が、部下の提出した案の可否を決めること。「―を仰ぐ」「書類を―する」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

何かしらの申請をする際や、起案の内容に対して、許可もしくは不許可という最終的な判断をすることが「決裁」です。決裁をするのは、次のようなケースが該当します。

・契約締結
・採用
・新規プロジェクト立ち上げ
・経費申請 など

決裁は、企業における意思決定の最終的なプロセスといえるでしょう。

決裁権とは、権限のこと

決裁は、誰でもできるわけではありません。会社から決裁を行う権限を与えられた人のみが行えます。決裁を行える権限のことを「決裁権」、決裁権を有する人を「決裁者」といいます。

決裁権を有するのは、役職者がほとんどです。たとえば、採用における最終手段は人事部長、一般的な経費の決裁権は経理部長のように、決裁権を有する人を会社が定めます。

誰がどんな権限を有するのかといった決裁権限については、就業規定や社内規定に記載されていることが多いでしょう。

決裁権に範囲はあるの?

決裁権の範囲は、会社により異なります。たとえば、A社では100万円までの案件の決裁権を有するのは部長職だけど、B社では係長が決裁権を持っているという具合に、範囲のパターンはさまざまです。また、案件によっては、金額が低くても社長決裁や取締役決裁が必要になるというパターンもあります。

決裁権のパターンには、企業規模や商談の規模により類似性があるとされています。

決裁権の書き間違いに注意

「決裁権」の「決裁」を、「決済」と書き間違えることがよくあります。読み方が同じで漢字表記も似ていますが、「決済」が意味するのは、商品やサービスに対して支払いを行い、その取引を終わらせることです。意味はまったく異なりますので、注意してください。

(c) Adobe Stock

承認との違いは?

決裁と似たイメージのある「承認」ですが、この2つの言葉の違いはなんでしょうか?

決裁が、意思決定の最終プロセスであるのに対し、承認が意味するのは、意思決定の途中のプロセスで、その案件をよしとして認めることを指します。最終決裁の前段階で、内容を判断するため、複数の人により承認を行うのが一般的です。

承認をする人のことは「承認者」と呼びます。まずは承認者が許可を行い、そのあと決裁者が最終的な判断を行います。申請の内容によっては、承認のみで実行してよいとするケースもあるでしょう。

一般的な決裁の流れとは

ここからは一般的な決裁の流れを紹介します。

最初にするのは、申請書や稟議書の作成

何かを申請する場合、まずやるのは申請書や稟議書の作成です。決裁権を有する人の承認を得るために、その内容について文書を作成します。

申請書や稟議書は、フォーマットが決まっていることが多いかもしれません。必要事項を記入し、必要に応じて資料などを添付します。

決裁者へと回付する

申請書や稟議書が完成したら、会社で定められた決裁ルートで回付します。申請や稟議の内容により、ルートが異なる場合が多いので、それに従ってくださいね。

決済者が見る前に、承認者がチェックをします。承認者は、申請書などの内容を見て、不備などがないかをチェックした上で、承認や却下、差し戻しなどを決めます。

承認者が承認した申請書や稟議書は、最終的に決裁者へと回付されます。

決裁者が決裁する

承認ルートですべて承認されたあと、最終的に決裁権を有する人が決裁を行います。内容に応じて、許可・不許可の判断がされたあと、決裁は終了。申請者に結果が伝えられたあと、決裁書類などは定められたスペースで保管します。

(c) Adobe Stock

商談では決裁権のある人を把握しなければならない?

取引先に対して提案などを行う場合、決裁権を有する人物の把握が重要といわれます。その理由を見ていきましょう。

なぜ決裁権を有する人を把握するのか

当たり前のことですが、決裁できるのは決裁権を有する人だけです。取引先担当者の反応がよくても、決済者の決裁がおりなければ、商談は成立しません。そのため、商談が決まったら早い段階で決裁権を有する人は誰かを把握する必要があります。また、契約や受注までの決裁ルートについても、把握しておくほうがいいでしょう。

決裁者はどうやって把握する?

決裁権を有する人が商談の場にいるかどうかを把握したくても、直接聞くわけにはいきませんよね。取引先と関係性ができているなら、率直に聞けるかもしれませんが、それができるケースはかなり少ないでしょう。

また、企業によっては、決裁者を複数任命していることもあります。決裁権を有する人が商談に同席していても、他にもまだ決裁者がいるケースがありますので、注意したいところです。

決裁者を把握するには、会話の流れで聞き出すのがいいですね。さりげなく決裁ルートについて触れると、相手は話してくれるかもしれません。

企業規模などで予想することも

決裁者は誰なのかを、企業規模などで予想するという方法もあります。企業規模は、従業員数で判断するのが一般的です。従業員が多い企業であれば、複数の決裁者がいる可能性が高いでしょう。また、商談で対応してくれる部門とは違う部門が、決裁権を有しているケースもあります。

もし、商談の場に決裁者がいない場合は、担当者が上司に報告しやすい資料などを用意しましょう。そうすることで、商談内容をより正確に伝達してもらえるでしょう。また、担当者にメリットのある商談を行うのもおすすめです。商談後は、担当者に定期的に連絡するなどして、決裁者に話が伝わるようにしましょう。

最後に

「決裁権」について、意味などを紹介しました。決裁者が誰なのかは、企業により異なります。商談を成功させるには、決裁権を有する人へのアプローチが欠かせません。会話を通し、決裁者が誰かを把握するようにしてくださいね。

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