「地獄耳」の意味と使い方
日常生活で用いられる「地獄耳」には、2つの意味合いがあります。「地獄耳だよね」と言ったり言われたりする際は、その意味について理解しておくことが大切です。
まずは「地獄耳」の意味とともに、使い方についてみていきましょう。
「地獄耳」の意味は2つある
「地獄耳」には、以下のような2つの意味合いがあります。
じごく-みみ
引用:小学館 デジタル大辞泉
1 人の秘密などをいちはやく聞き込んでいること。また、そういう人。
2 一度聞いたことをいつまでも覚えていること。また、そういう人。
人が聞かれたくないこと、秘密などを誰より早く聞き込むことは「地獄耳」に当てはまります。誰かを「地獄耳」と表現するときは、周囲が知らないはずの情報をなぜか知っている人を指すケースが多い傾向がみられるでしょう。
「地獄耳」のもうひとつの意味は、一度聞いた物事をいつまでも覚えていることです。覚えている内容は人の秘密に限らず、場合によっては物覚えがよいことを意味します。
このように「地獄耳」という言葉には2つの側面がある言葉です。使用する際は、必ずしもネガティブな要素ばかりもつ言葉ではないことを押さえておきましょう。
「地獄耳」を使った例文
「地獄耳」という言葉は、主に以下のように用いられます。上記のように2つの意味をもつことを踏まえ活用してみてください。
・結婚の話は誰にも伝えてないはずなのになぜ彼が知っているんだろう。噂には聞いていたが本当に地獄耳だな
・揉め事の真相を知るため、地獄耳で知られる人のもとへ足を運ぶことにした
・まだあの日のことを覚えているなんて、地獄耳だね
・昨年の業績について詳しく解説したところ、地獄耳だと上司に驚かれた
「地獄耳」の類語や言い換え表現
「地獄耳」の類語や言い換え表現には、以下のような語句が挙げられます。
・早耳(はやみみ)
・耳聡い(みみざとい)
・嗅ぎ付ける(かぎつける)
どれも「地獄耳」のように、情報を得ることを意味する言葉です。ここでは、それぞれの具体的な意味や使用例についてみていきましょう。
早耳(はやみみ)
「早耳」とは、うわさ話や事件などを人より早く聞きつけることです。また、早く聞きつける人そのものを指す場合もあります。
「地獄耳」との違いは、聞きつける対象がうわさ話や事件にある点です。人の秘密に限らず、世間で話題になるような出来事をいち早く得ることを意味します。
・あの人の早耳ぶりには本当に驚くよ
・彼は社内でいちばんの早耳で知られている
耳聡い(みみざとい)
「耳聡い」は、情報を聞き付けるのが早いことを意味する言葉です。「地獄耳」のように、情報は人の秘密に限られません。よいことから悪いことまで幅広い内容が含まれます。
また、「耳聡い」は聴覚が鋭いことも表す言葉です。日常生活では、以下のように用いることができます。
・リリース前の情報を入手しているとは、業界に精通しているだけあって、さすが耳聡いですね
・耳聡いのか、わずかな物音でも目が覚めてしまう
嗅ぎ付ける(かぎつける)
「嗅ぐ」というと鼻をイメージしますが、こちらも「地獄耳」の類語にあたる言葉です。においのほか、気配をもとに隠されているものを探り当てることを意味します。
・焼き魚のにおいを嗅ぎ付けて、猫が足元に寄ってきた
・事件の真相を嗅ぎ付けてここまで来るとは、さすが敏腕記者だ
「耳」を使った熟語や慣用句
体の一部である「耳」を使った言葉には、「地獄耳」以外にも以下のような熟語や慣用句があります。
・小耳
・耳が痛い
・耳に入れる
・耳に残る
いずれも「地獄耳」と同様、聞くことにまつわる表現です。それぞれの意味や使用例などについて紹介します。
小耳
「小耳」とは、話をちょっと耳にしたり、ちらりと聞いたりすることです。意図的に話を聞きに行くほか、思いがけず耳にするケースも含まれます。以下のように「小耳にはさむ」、「小耳にとまる」のように用いられる表現です。
・小耳にはさんだのですが、新しい契約が決まったのは本当ですか?
・彼の転勤話が小耳にとまった
耳が痛い
「耳が痛い」は、「耳」を使った慣用句です。「耳」と「痛い」を組み合わせることで、他人の言葉が自分の弱点をつき、聞くのがつらいことを表しています。
実際に耳に痛みを感じるのではなく、それほどつらいという感情を伝える表現です。
・自分のことをよく知っているだけに、親友からの忠告は耳が痛い
・彼女の言うことは心当たりがあることばかりで実に耳が痛い
・今後の成長のためには、耳が痛いと言わず上司のアドバイスを聞く必要がある
耳に入れる
「耳に入れる」とは、情報を誰かに知らせることです。また、他者から情報を得ること、小耳にはさむことも意味します。
こちらも「耳」と「入れる」2つの語句が組み合わさった慣用句です。「入れる」情報は人の秘密に限らず、幅広いシーンで活用できます。
・新たに発表される情報について耳に入れておきたいのだが。
・会議の内容について、取り急ぎ彼の耳にも入れておこうと思う。
耳に残る
「耳に残る」は、誰かの声や耳にした音楽、音などが忘れられなくなることです。以下のように、聞いたことがとても印象的だったことを表します。
・彼の声が耳に残り、いつまでも離れなかった
・何の音かわからないが、耳に残る低く鈍い音だった
・直前に起こった出来事があまりにも衝撃的で、その後の話が何も耳に残らなかった
「地獄耳」の意味を知り日常生活で適切に活用しよう
「地獄耳」には、人の秘密を聞きつけることのほか、物事をいつまでも忘れないという2つの意味合いがあります。ネガティブな表現で用いられることもあれば、物覚えがよいという意味で使われることもある言葉です。
また「地獄耳」には、さまざまな類語や言い換え表現があります。それぞれ具体的な意味は異なるため、会話では意味を理解したうえで使い分けが必要です。「耳」という言葉を使った語句も含め、「地獄耳」の意味を知り日常生活で適切に活用しましょう。
メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock