「きゃぱい」の意味は?
「まじできゃぱい」「きゃぱくて無理」などというフレーズを聞いたことはありませんか? ソーシャルメディアの「X」では、ただ「きゃぱい」とだけ書かれた投稿もよく見かけます。まずは、意味を確認していきましょう。
「きゃぱい」は「キャパオーバー」を略した言葉です。「キャパオーバー」とは、元々「許容の範囲や容量」を意味する「capacity(キャパシティ)」に由来する言葉で、「キャパシティを超える」、つまり「許容量の限界を超える」という意味で使われていました。例えば、働き過ぎでダウンしてしまった時などに使えますね。
「きゃぱい」も「キャパオーバー」と同様に、「限界」の意味で使うことが出来ます。やることがたくさんあって抱えきれなかったり、タスクがなかなか終わらない時には、「きゃぱい」と表現できるでしょう。
また、若者の言う「きゃぱい」は「やばい」という意味も含みます。「最高」「幸せ」「かっこよすぎる」なども一言で「きゃぱい」と表現するのが最近の若者流。ネガティブな意味だけでなく、興奮した時にも使える言葉です。
「きゃぱい」の由来も紹介!
ふとしたきっかけで生まれる若者言葉。「きゃぱい」が使われるようになった理由も気になりますよね。この言葉の由来は何なのでしょうか?
この言葉を生み出したのは、モデルとして活動しているゆうちゃみさんだそう。きっかけは、ゆうちゃみさんと仲のいいおばちゃんの口癖が「キャパオーバーやわ」だったこと。それを聞いたゆうちゃみさんが「キャパオーバーは長いから『きゃぱい』でよくない?」と言い始めたことから、この言葉が生まれたようです。
カタカナで「キャパい」と書くよりも、ひらがなのフォルムの方が可愛いことから、若者の間では「きゃぱい」と表記されることがほとんどでしょう。例えば、ギャルピースを略した「ぎゃるぴ」も、ひらがな表記の方が人気です。他にも「おわぽ(終わった)」や「かわぽ(可愛い)」など、可愛く言い換える若者言葉が増えてきていますね。
「きゃぱい」の使い方を見てみよう
追い詰められた時、テンションが上がった時など幅広く使える「きゃぱい」ですが、実際にどのような使い方が出来るのでしょうか? 例文と一緒にチェックしていきましょう。
1:胃がきゃぱい
これはシンプルに「胃がキャパオーバー」という意味です。食べ過ぎて、お腹いっぱいになった時に使うことができますね。他にも「最近、お酒きゃぱいんだよね」と言うと、「お酒を飲むのがしんどくなった、きつくなった」という意味になります。
2:睡眠時間足りてなくてきゃぱい
こちらもキャパオーバーの意味で使われています。働き詰めだったり、やらなければいけないタスクが多かったりすると、余裕がなくなってきますよね。このように余裕が無く、いっぱいいっぱいな状態を「きゃぱい」で表現することができます。
3:今回のライブガチできゃぱい
こちらの「きゃぱい」は「やばい」と同じニュアンスです。「楽しすぎる」「最高」などのポジティブな意味を表していますね。ライブ関連で言うと、「推しの笑顔きゃぱい」「今日の推しの衣装きゃぱい」などと使うこともできます。「可愛すぎる」「すごく良い」といった意味合いですね。
4:好きなお店が家の近くに移転してきてきゃぱい
こちらもポジティブなニュアンスです。「このお菓子きゃぱい」など、何かを褒める時にも使うことができるでしょう。「ちょっと良いな」ぐらいでは使わず、「すごくいい」と感じた時に「きゃぱい」を使うのがポイント。
「きゃぱい」と似ている他の言葉は?
これまで見てきたように、「きゃぱい」は「キャパオーバー」と「やばい」という2通りの使い方ができます。では、「きゃぱい」と同じ意味の言葉は他にあるのでしょうか? 以下に3つ挙げてみたので、例文と一緒に確認していきましょう。
1:詰んだ
こちらも頻繁に若者の間で使われています。「終電逃して詰んだ」「明日までの課題が終わらなくて詰んでる」というように、行き詰まってどうしようもない状況を表す言葉。「キャパオーバー」と似たニュアンスで使うことができますね。
2:きつい
「耐えられない、しんどい、苦しい」というような、ネガティブな意味で使います。追い詰められた時や、自分の限界を超えた時に「きつい」と言いますよね。「お腹いっぱいできつい」「予定詰まりすぎてきつい」などが例文として挙げられます。
3:アツい
上記の2つは、「きゃぱい」の「キャパオーバー」のニュアンスと似ている言葉でした。一方で「アツい」は、「最高」「すごく良い」「やばい」という意味で使います。「アツい」を使った会話の例としては、「あの大物アーティストが日本でコンサートやるらしいよ」「えー! それはアツい!」とか、「○○の好きなアイス買ってきたよ」「アッツ! ありがとう!」などが挙げられるでしょう。「最高!」というニュアンスで、「激アツメンバー」や「激アツ展開」などと使うことも多いでしょう。
最後に
若者の間では、短くて可愛い言葉が人気なようですね。記事の中で一部紹介したように、最近の若者言葉は、ぱ行を使ったものが増えているのだとか。「句読点のフォルムが可愛い」「発音が可愛い」という理由で流行しているようです。若い世代が生み出す言葉は、新たな視点が含まれていて、ユニークなものが多いですね。
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