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「アントレプレナー」とは起業家のこと
起業に興味があるなら知っておきたいのが「アントレプレナー」です。「起業家」を意味する言葉であり、世界中から注目されています。
今回は「アントレプレナー」について、意味や由来、必要なスキルなどを調べました。「アントレプレナー」は、よりよく生きるために必要な概念にも触れています。起業に関心がない人も、ぜひチェックしてください。
意味
アントレプレナー【entrepreneur】
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
事業を起こす人。起業家。企業家。アントルプルヌール。
「アントレプレナー」を辞書で調べたところ、上記の意味を持つことがわかりました。
「起業家」とは、新しく事業を起こす人のこと。「企業家」は、企業を起こしたり、企業経営に取り組む人を指します。どちらも同じことを意味するように思いますが、「起業家」はゼロから事業を計画して、会社を設立させることを仕事にしている人、「企業家」は企業に資本を出し、その企業の経営を担当する人という意味で使うことが多いでしょう。
由来はフランス語
「アントレプレナー」の由来とされているのが、フランス語の「entrepreneur」です。13世紀の東西貿易が盛んだった時代に「貿易商」や「仲買人」という意味で使われ始めたとされています。
その後、フランスの経済学者が、新しい産業の担い手を「アントレプレナー」と呼んだことから、さまざまな経済学者が経済的用語として用いるようになりました。1980年代には「起業家」の意味で広く使われるようになったとされています。
「イントレプレナー」との違い
「アントレプレナー」とよく似ている言葉に「イントレプレナー」があります。どのような意味を持つのでしょうか?
「イントレプレナー」って?
「イントレプレナー」は、企業の中で新規ビジネスを立ち上げる人のこと。「社内起業家」を指します。自分が所属する企業からサポートを受けながら、起業家精神を持って新しいビジネスを推し進めるため、「アントレプレナー」とは異なったスキルや能力が必要になるでしょう。
「アントレプレナーシップ」も知っておこう
「アントレプレナー」に欠かせないとされる「アントレプレナーシップ」についても見ていきましょう。
「アントレプレナーシップ」とは
「アントレプレナーシップ」が意味するのは「企業家精神」。新しい事業を創造する意欲が強く、リスクが高くても果敢に挑もうとする姿勢を表します。
「アントレプレナーシップ」は、起業家だけでなく、企業や組織で働く人にも必要とされています。実際に、企業で活躍するプロジェクトリーダーや事業後継者などの中にも「アントレプレナーシップ」を学び、仕事で発揮している人が多くいます。
また、「アントレプレナーシップ」について専門的に学べる大学の学部もあり、社会で必要とされる力であるという認識が浸透しています。
「アントレプレナーシップ」は世界で注目されている
日本では「アントレプレナー」や「アントレプレナーシップ」に高い注目が集まっています。大学などでは「アントレプレナーシップ」について実践的に学び、「アントレプレナー」を育成するプログラムが登場しました。学生同士が競うビジネスコンテストなども、その一環です。
海外の大学は、さらに積極的に「アントレプレナーシップ」に関する教育を行っています。「アントレプレナー」は世界中から求められる存在といえるでしょう。
「アントレプレナー」が注目される理由
なぜ「アントレプレナー」が注目されるのでしょうか? 背景や理由を見ていきましょう。
社会変動による影響
これまでの日本企業は、年功序列や終身雇用を設けているのが一般的でした。一度企業に就職したら、定年まで勤務し、退職後は年金で暮らすというのが「当たり前」だったのです。
しかし、世界情勢や経済状況の変化により、これまでの雇用環境を維持することは難しくなりました。その影響により、受け身で与えられた仕事をする人よりも、自らビジネスを起こし、果敢に挑戦する「アントレプレナー」が求められるようになったのです。
グローバル化
インターネットの登場により、移動せずとも世界中とつながることができるようになりました。オンラインで世界各国の企業とやり取りしながら、ビジネスを進め発展させるのが当たり前になったことから、グローバルに活躍できる人材が求められるようになっています。
世界を相手にした競争に勝つには「アントレプレナー」の持つチャレンジ精神や創造性などが必要とされているのです。
「アントレプレナー」に必要なスキルとは
ここからは「アントレプレナー」に必要とされるスキルを紹介します。
アイデアや企画を生む力と実行力
新たに事業を立ち上げて成功させるには、これまでにない商品やサービスを提供する必要があります。また、時代や環境の変化に対応しながら、スピーディーにビジネスを創出しなければなりません。それに欠かせないのが、鋭い視点と切り口でアイデアや企画を生む力と、実行力といえるでしょう。
課題発見力・課題解決力
この世にあるビジネスは、誰かの不満や不安から生まれたものが大半を占めます。言い換えれば、人々の困り事をいち早くキャッチし、ビジネスにつなげられれば、成功しやすいといえるでしょう。課題を発見し、解決する力は欠かせないスキルです。
リーダーシップと責任感
よいビジネスのアイデアを思いついたとしても、一人で成果につなげるのは難しいことが多いです。成功するためには、自分の思いやビジネスプランに共感し、協働してくれる人を見つけなければなりません。他人を巻き込みながら、新たに立ち上げたことで共にゴールを目指すには、リーダーシップと責任感を持つリーダーが必要になります。
マネジメント力
他人はもちろん、自分自身をマネジメントできることも「アントレプレナー」に求められることです。情報やスケジュールの管理ができないと、他人をマネジメントするのは難しいでしょう。メンバーがモチベーションを高く持ち、働き続けられる環境づくりも「アントレプレナー」の大切な仕事です。
人脈・コミュニケーション力
事業を起こすと、あらゆる面で誰かの協力をあおぐ必要が出てきます。人脈を広げるには、コミュニケーション力が欠かせません。普段からさまざまな人と出会って交流を持ち、協力し合えるような関係をつくっておくことが望ましいでしょう。
「アントレプレナー」になるには?
「アントレプレナー」になるには、起業する方向で動くのがいいですね。とはいえ、いきなり起業するのは難しいので、まずは書籍などで「アントレプレナー」「アントレプレナーシップ」について学ぶことから始めてみてはいかがでしょうか?
学生なら、国や大学が実施する「アントレプレナー」のプログラムに参加するのもいいでしょう。
参照:文部科学省|文部科学省におけるスタートアップ支援施策
文部科学省 アントレプレナーシップオフィシャルサイト
最後に
「アントレプレナー」について紹介しました。企業に就職したら一生安泰という時代は終わりを迎えています。変化が激しい社会をどのように生き抜くか、自分のキャリアをどのように築くのか、常に模索しなければなりません。起業に興味がない人も「アントレプレナー」について学ぶと、何かがつかめるはずです。
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