働いていると、上司から難しい仕事を任されたり、お客様からクレームを受けるなどの問題に直面することもあるはず。そんな時、「いやだな…」とネガティブに考えると、どんどん仕事をするのが億劫になることもありますよね。そんな時に、試してみたいのが「リフレーミング」という方法。
別の視点で考える習慣をつけることで、新たな発想が生まれたり、解決策が見つかり、前向きに取り組むことができるようになれるかもしれませんよ! 本記事では、「リフレーミング」の意味やメリット、やり方を解説します。仕事で行き詰まりを感じている人は、ぜひ活用してみてくださいね。
「リフレーミング」の意味
「リフレーミング」とは、どんな意味なのか確認してみると、
心理学で、ある事柄を、今までとは別の視点で見直すこと。
[補説]多く、消極的・否定的な視点を積極的な視点へ切り替え、ストレスの軽減などに役立てることにいう。例えば、「10人の受験者のうち、5人が合格」という事柄は、「半数しか合格しない」とも考えられるが、「半数も合格する」と考えることもできる。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
とあります。「リフレーミング(reframing)」を訳すと、「枠組みを変える」という意味で、物事の見方や考え方を前向きな方向に変えることとして用いられます。仕事やプライベートで悩みや問題に直面した時に、マイナスな状況をプラスに捉え直すことで、やる気やモチベーションアップにつながることも! 「リフレーミング」は、コミュニケーション心理学に含まれる考え方の一つで、企業でのメンタルケアなどにも取り入れられています。
「リフレーミング」することのメリット
「リフレーミング」をして、ネガティブからポジティブに捉え方が変わることで、具体的にどんな効果があるのでしょうか?
1:苦手な人とも付き合いやすくなる
会社の上司に仕事のダメ出しをされたり、先輩から嫌みを言われたりすると、「〇〇さんと会議で会うのが嫌だな…」などと苦手意識が生まれてしまうもの。そんな時に、「リフレーミング」をすることで、「そういう考え方もあるな」「たしかに、説明が不十分だったかもしれない」など、他人からの意見を肯定的に捉え直すことができるでしょう。
2:選択肢が広がり、問題が解決できる
問題に直面した時に、一つの解決策しか思い浮かばないと「こうするしか方法はない」と視野が狭くなってしまいます。しかし、「リフレーミング」を意識することで、「本当に解決する手段は一つしかないのかな?」「こんな方法もあるのでは?」と考え直すことができるでしょう。
「もし、お客様の立場だったらどう思うだろう?」「仮に提出期限がなければ、どうしたいのか?」「絶対に、自分が担当しなければならない業務なのだろうか?」などと、枠組みを捉え直すことで選択肢が増えて、より良い問題解決方法を導き出すことができるのです。
3:仕事のモチベーションが上がる
「仕事をミスしてやる気が出ない」「遅刻をして迷惑をかけてしまった」など、失敗が元で仕事へのモチベーションが下がってしまうこともあるはず。しかし、失敗は必ずしも悪いことだけではありません。
「リフレーミング」をすることで、「同じミスを繰り返さないように、二回チェックすることを習慣にしよう」「時間に遅れないように、タスクをアプリで管理してみよう」など、失敗を次に生かすことができますよ。
「リフレーミング」の種類とやり方
では、日常生活で問題に直面した時に、どのように「リフレーミング」を取り入れればいいのでしょうか? 「リフレーミング」を実践する際に、理解しておきたいポイントをまとめました。
1:言葉のリフレーミング
自分の性格に自信が持てない時に試してみたいのが、「言葉のリフレーミング」。「言葉のリフレーミング」とは、自分が考えていることを前向きな言葉に言い換えること。
例えば、「私はおとなしくて、自己主張できない」という見方をリフレーミングすると、「人の意見をヒアリングすることができる」「状況をよく見て冷静に判断することができる」と捉えることができますね。短所を長所として見方を変えることで、自信を持つことにもつながります。
2:解体のリフレーミング
仕事が向いていない、辞めたいと思った時に試してみたいのが、「解体のリフレーミング」。「解体のリフレーミング」とは、物事を大きく捉えず、細かく分解して考えること。「どうして仕事が向いていないと思うのか?」原因を箇条書きでいくつも挙げていきます。
「人見知りで、接客業という職種自体が向いていない」「職種は向いているけれど、残業が多くて働き続けるのが体力的にしんどい」など、自分の悩みが職種にあるのか、待遇面にあるのか、職場の人間関係にあるのか、分解して考えていくことで、どの部分を解決する必要があるのか見えてくるでしょう。
3:時間軸のリフレーミング
「時間軸のリフレーミング」とは、過去、現在、未来という時間軸を使って、別の発想を生み出す方法です。例えば、「このまま同じ会社で働いていていいのかな?」と、今後のキャリアに悩んだ時には、現在から未来軸にかけて発想をつなげてみます。「5年後に独立して起業するには、今何をするべきだろう?」と考えるのです。
「援助してくれる制度があるか会社に問い合わせてみよう」「独立資金を貯めるために、もっと条件のいい会社を選びたい」など、具体策が思い浮かぶはずです。
最後に
嫌なことや問題に直面した時に、「こうするべき」というこだわりが邪魔をしてなかなか問題が解決しないこともあります。そんな時に、「こんな考えもあるのでは?」と問題を別の視点で捉え直すことで打開策が生まれることもあるでしょう。仕事やプライベートで行き詰まった時には、ぜひ「リフレーミング」を活用してみてはいかがでしょうか?
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