目次Contents
「少数精鋭」って、何?
「少数精鋭」という四字熟語をご存じですか? ビジネスシーンでよく使う言葉ですが、正確な意味を知らない人もいるでしょう。本記事では「少数精鋭」について、意味や使い方を紹介します。後半では「少数精鋭」であることのメリットやデメリットに触れますので、ぜひチェックしてください。
意味と読み方
しょうすう‐せいえい〔セウスウ‐〕【少数精鋭】
人数は少ないが、すぐれた者だけをそろえること。「―主義」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「少数」は数が少ないことを表します。「精鋭」とは、えり抜きのすぐれた人のこと。人数は少ないけれど、その一人一人が優秀であることを表す場合に用いる四字熟語です。
ビジネスシーンにおける「少数精鋭」の使い方
ここからは、「少数精鋭」の使い方を紹介します。この言葉を使うシチュエーションや特徴、例文を順に見ていきましょう。
シチュエーションは?
「少数精鋭」は、会社や集団に属する人を指して使う言葉。ビジネスシーンはもちろん、スポーツなどの競技で用いることが多いでしょう。軍隊の兵士を指すこともあります。
また、就職活動の志望動機で「少数精鋭」を用いることも。スタートアップやベンチャー企業、地元密着の小規模な会社で働くことに興味のある人は、意味や使い方をマスターしておくといいですね。
言い方の特徴
「少数精鋭」の言い方として多いのは、「少数精鋭の〜」「少数精鋭の集団」「少数精鋭の会社」「少数精鋭主義」などです。
例文を紹介
「少数精鋭」の具体的な使い方を見ていきましょう。例文を参考にしてください。
《例文》
・A社は少数精鋭の企業だが、過去最大の利益をあげている
・少数精鋭の集団に属していると、自然となんでもできるようになります
・大手企業で働くのは魅力だが、少数精鋭の会社で実力をつけたいと考えています
・私の所属するチームは少数精鋭主義なので、即戦力が集まっています
・決勝戦の相手は、少数精鋭で知られる強豪チームらしい
・私が御社を志望するのは、少数精鋭である点に大きな魅力を感じたからです
いずれの例文も、少ない人数でありながら、一人一人が優秀であることを示しています。
「少数精鋭」と似ている言葉
「少数精鋭」と似ている言葉を見ていきましょう。「多士済々」を紹介します。
「多士済々」
「多士済々」とは、すぐれた人材が多く集まることを意味する言葉。「たしさいさい」もしくは「たしせいせい」と読み、「多士済々の顔ぶれ」「多士済々な集団」のように使われています。中国の書物が由来とされる四字熟語です。すぐれた人材が集まるという点が「少数精鋭」と似ているといえるでしょう。
「少数精鋭」と異なるのは、人材が「多く」集まるということ。考え方によっては「少数精鋭」の対義語になるかもしれませんね。
ビジネスシーンにおける「少数精鋭」のメリット
ここからはビジネスシーンにおける「少数精鋭」のメリットを見ていきましょう。「少数精鋭」の企業に転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
個々の責任感が強くなる
「少数精鋭」の企業の特徴といえるのが、各スタッフの優秀さです。とりわけ、仕事に対する責任感は強いことが多いでしょう。
少ない人数で仕事をするとなると、個々の持つ力がとても重要になります。一人で何人分もの業務を担うため、それをこなす能力やスキルが求められるのです。余裕のある人数で業務をする可能性は少ないことから、個々の責任感は強くなる一方でしょう。その状態で仕事をすると、かなりの実力が身につきそうですね。
強固な信頼関係をつくりやすい
「少数精鋭」の企業では、一人一人が近い距離で仕事をすることになります。「少数精鋭」であるがゆえに、社員間のスムーズな意思疎通は必須であると考える人が多いでしょう。そのため、強固な信頼関係をつくりやすいかもしれません。
また、情報共有におけるタイムロスが少ないため、トップや上司との距離が近いということも。意思疎通がしやすいだけでなく、自分の意見や提案が通りやすいというメリットもありそうです。
効率的に仕事が進む
上述したようなメリットもあり、効率的に仕事が進むことが多いでしょう。能力や意識の高い人が集まるわけですから、効率化がどんどん進みそうですね。
ビジネスシーンにおける「少数精鋭」のデメリット
「少数精鋭」のデメリットも見ていきましょう。メリットがあるなら、必ずデメリットがあります。特に「少数精鋭」の企業を目指す人は、事前に把握しておきたいですね。
個々の仕事量が増えやすい
「少数精鋭」の企業のデメリットになりがちなのが、個々の仕事量が多いこと。そもそも少ない人数で業務に取り組むため、何人分もの仕事を一人で抱えることになりやすいでしょう。
また、急な休みや退職などがあると、さらに負担が増えるということも。残業や休日出勤が続くという事態になるかもしれません。
人間関係の解消が難しい
人間関係の解消が難しいのも、「少数精鋭」のデメリットでしょう。たとえば、相性のよくない人がいる上司や部下との関係が悪化するなどが生じたとしても、大きな企業であれば異動を申し出ることができます。そこで人間関係を解消することができれば、安心して働くことができるでしょう。
しかし、「少数精鋭」だと異動自体が難しいということも。我慢して一緒に働き続けなければならない可能性があります。一緒に働く人との相性が悪い場合、「少数精鋭」だと厳しく感じるかもしれません。
人材が離れやすい
「少数精鋭」の企業に集まるのは、優秀な人がほとんど。そのような人を求める企業は多いため、よい条件の企業があると転職してしまうかもしれません。特に、キャリアアップを目指す人の流出は避けられないことが多いでしょう。人材が離れやすいのは、「少数精鋭」のデメリットの一つといえます。
最後に
「少数精鋭」について、意味や使い方、「少数精鋭」のメリットやデメリットをまとめました。少ない人数ではあるものの、一人一人が優秀である企業や団体はたくさんあります。
「少数精鋭」の企業を目指したい人は、メリットだけでなくデメリットについても把握しておくといいですね。入社してすぐに「こんなはずじゃなかった」と後悔するのを避けるためにも、慎重に検討してみてくださいね。
TOP画像/(c)Adobe Stock