目次Contents
この記事のサマリー
・「不言実行」とは、黙ってなすべきことを実行することです。
・有言実行は「宣言」が先、不言実行は「行動」が先というプロセスの違いがあります。
・英語では“Actions speak louder than words.”という表現があります。
「不言実行(ふげんじっこう)」という言葉を、座右の銘や目標として掲げる人は多いものです。しかし、正しい意味や「有言実行(ゆうげんじっこう)」との明確な違い、そしてビジネスシーンでの適切な使い方を再確認したいという声も少なくありません。
この記事では、言葉の正確な定義から、習字・書き初めでのポイント、英語での表現まで、知的な大人が知っておきたい「不言実行」のすべてを分かりやすく解説します。
「不言実行」の読み方と正しい意味とは?
まずは「不言実行」の読み方と意味を確認しましょう。
「不言実行」の読み方と辞書的な定義
「不言実行」の読み方は「ふげんじっこう」です。意味は、「言葉に出さずに、黙ってなすべきことを実行すること」を指します。
辞書では次のように説明されていますよ。
ふげん‐じっこう〔‐ジツカウ〕【不言実行】 文句や理屈を言わずに、黙ってなすべきことを実行すること。「―の人」「―の時だ」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
あれこれと言い訳をしたり理屈をこねたりする前に、まずは行動に移す姿勢を強調する際に使われる表現です。

「不言実行」と「有言実行」の違いと使い分け
ここでは、よく対比される「有言実行」との違いについて深掘りしていきましょう。
「有言実行」の意味や性質の違い
「口に出したことは必ず成し遂げる」という強い宣言から始まるのが「有言実行」です。これに対し、不言実行は「口に出す前にすでに体が動いている」状態を指します。
辞書では次のように説明されていますよ。
ゆうげん‐じっこう〔イウゲンジツカウ〕【有言実行】
《「不言実行」からつくられた語》発言したことを責任をもって実践すること。「―で優勝する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
実は「有言実行」は、「不言実行」をもじって作られた言葉だそうですよ。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「不言実行」と「有言実行」どちらがかっこいい?
結論から言えば、どちらが良い悪いではなく、その人のキャラクターや「今置かれている状況」に合わせて使い分けるのが大人な対応です。
専門性を磨き、静かに実力を示したい局面では「不言実行」がその人の権威性を高めます。一方で、チームを鼓舞し、共通のゴールへ向かう際には「有言実行」の方が信頼に繋がることもあるでしょう。
柔軟にスタンスを変えられるしなやかさこそが、現代のビジネスパーソンにとっての「かっこよさ」といえるかもしれません。

座右の銘や習字に「不言実行」が選ばれる理由
「不言実行」は、座右の銘や書き初めのテーマとしても非常に人気が高い言葉です。なぜ多くの人がこの言葉に惹かれるのか、その魅力と実技的な側面から解説します。
習字や書き初めで書く際のコツ(楷書・行書)
新年、真っ白な紙に筆を運ぶ際、「不言実行」は自分を律する最高の題材となります。
一画一画を等間隔に、地に足がついた強さを表現する「楷書(かいしょ)」は、揺るぎない意志の固さを視覚的に伝えてくれます。
一方、少し大人っぽく流麗に筆を運ぶ「行書(ぎょうしょ)」なら、変化の激しい日常にもしなやかに対応する「実行力」を感じさせることができるでしょう。
特に「実」の冠や「行」のハネを丁寧に仕上げることで、文字全体に品格が宿り、書く人の誠実さがにじみ出ますよ。
座右の銘としての価値
「不言実行」を座右の銘にするメリットは、言葉に頼らず、行動で信頼を築ける点にあります。
口にせずとも淡々とやり遂げる姿勢には、周囲の期待を裏切らない安心感がありますね。ときに多くを語るよりも、目の前の仕事に真摯に向き合うほうが、人の心を動かすことも。
「不言実行」を心がけることで、静かでも芯のある人としての信頼や評価が、少しずつ積み上がっていくでしょう。
ビジネスでも使える!「不言実行」の類語と英語表現
「不言実行」という言葉をさらに深く、そして多角的に使いこなすために、その類語や英語表現についても知識を深めておきましょう。
「不言実行」の類義語や言い換え表現
「不言実行」と似た意味を持つ言葉を紹介します。
「黙々(もくもく)」
「黙々」は黙って一つのことをし続けることをいいます。「黙々と取り組む」といった形で使うと、堅苦しさがありませんね。
「身をもって示す」
自らの行動によって方針や姿勢を伝える意味で、「リーダーとしての実行力」を表す際に適しています。
英語で「不言実行」を表現すると?
グローバルな視点からも「不言実行」の精神を学んでみましょう。英語圏でも、言葉を並べるより行動で示すことの尊さを説く表現が多用されます。
“Actions speak louder than words.”
直訳すると「行動は言葉よりも大きく語る」となります。日本で言う「不言実行」に近いニュアンスで、ビジネスシーンでも「結果で示せ」という意味を込めて頻繁に使われる定番の慣用句です。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「不言実行」に関するFAQ
ここでは、「不言実行」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1:不言実行の反対語(対義語)は何ですか?
A1:対義語としては「有言不実行」が挙げられます。口では立派なことを言いながら、実際には行動が伴わないことを意味し、信頼を失う原因となるため注意が必要です。
Q2:ビジネスで不言実行をアピールする場合、NGな使い方はありますか?
A2:報連相(報告・連絡・相談)が必要な場面で「不言実行」を盾に黙り込むのはNGです。組織ではプロセス共有も重要な「実行」の一部。進捗報告を怠ると、ただの勝手な行動と誤解されます。
Q3:目上の人に対して「不言実行ですね」と褒めるのは失礼ですか?
A3:言葉自体に悪い意味はありませんが、「黙ってやっている」という評価を下す形になるため、避けるのが無難です。「◯◯さんのお姿を拝見し、実行力に感銘を受けました」など、具体的な行動を敬う表現が適しています。
最後に
不言実行は、単に「何も言わない」ことではなく、確かな実行力をもって信頼を築くための高潔な指針です。
理屈よりも行動で示すその潔い姿勢を、日々のキャリアや生活の中でぜひ大切に、そして自信を持って体現してみてください。
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