あなたの身の回りに、固定観念に縛られず颯爽と働いている人はいませんか? 小さなことにこだわらず、人としての度量が大きい人のことを「自由闊達な人」と表現します。近年では、企業理念や会議の意見交換などで「自由闊達」が用いられることも。新しいポジティブにそこで本記事では、「自由闊達」の意味や使い方、「闊達」を使った類語や対義語を解説します。
「自由闊達」の意味
「自由闊達」は「じゆうかったつ」と読み、「物事にこだわらず、心のままに行動するさま」を表します。「闊達」には、「小さなことにこだわらないさま」という意味があることから、心が広くのびのびとしていて、人としての度量が大きい人物に対して用いられることがあります。
また近年では、組織の社風や方針などを示す際に、「自由闊達」が用いられることも。「自由闊達な企業」「自由闊達な議論」など、ビジネスシーンでも時折耳にするのではないでしょうか。
使い方を例文でチェック!
続いて、「自由闊達」が用いられるシチュエーションを例文で見ていきましょう。
1:ベンチャー企業Aの自由闊達な社風に惹かれて応募した。
企業の中には、「自由闊達」を企業理念として取り入れているところもあります。上下関係に縛られず自由に意見交換をしたり、若手でも実力次第でアイデアを採用してもらえたりと、風通しのいい職場環境に憧れて入社する人もいるでしょう。独自の技術をもとに、新しいサービスやビジネスモデルを生み出す、ベンチャー企業などに多い傾向と言えるかもしれませんね。
2:サミットには5か国が集まり、環境問題について自由闊達な意見交換が行なわれた。
「自由闊達な意見」や「自由闊達な意見交換」という表現は、主に会議などで用いられます。さまざまな国の人々が自由に意見を交換し合うことで、新たなアイデアが生まれたり、海外の解決策を取り入れて問題解決につながるなど、さまざまなメリットが。人種や肩書き、年齢などに左右されず、意見が交換できる場は貴重ですね。
3:私が通っているビジネスセミナーの講師は、非常に自由闊達な人だ。
固定観念にとらわれず自由なアイデアを生み出す人は、まさに「自由闊達な人」。新しい価値観や流行などを否定せず、柔軟に受け入れることで今までの常識に縛られない斬新なアイデアを提供できます。
ただ単に「自由」というと、「自分勝手」というイメージを与えてしまうこともありますが、「自由闊達」には「度量が大きい」という意味が含まれているため、目上の人に使っても失礼にはならないでしょう。
類語や言い換え表現は?
「闊達」を使った四字熟語に、「闊達自在」「明朗闊達」があります。人柄や働きぶりにも使えますので、一緒に覚えてみてはいかがでしょうか?
1:闊達自在
「闊達自在(かったつじざい)」の意味は、以下の通りです。
度量が広く、思いのままであること。細かなことにこだわらず、心のままにふるまうこと。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「闊達自在」も、「度量が広く、心のままに行動すること」という意味になります。小さなことにとらわれたり、いじけたりすることなく、おおらかな心で自由にふるまう姿を表す言葉です。ちなみに「自在」とは、「自分の思う通りにできること」。何の束縛や障害のない状態のことですね。
(例文)
・舞台の上では闊達自在に振る舞いたい。
・先輩の闊達自在な働き方に影響を受けています。
2:明朗闊達
「明朗闊達(めいろうかったつ)」とは、「明るく朗らかで、小さなことにこだわらないこと」。「明朗」には、「明るく朗らか」のほか、「嘘やごまかしがないこと」という意味も含まれます。さっぱりとして心が広い人は、一緒にいて気持ちがいいものですね。
(例文)
・彼女の明朗闊達なところに惹かれました。
・明朗闊達な仕事ぶりを評価されて、広報部に配属されました。
対義語は?
「自由闊達」は、時代の変化や、流行を素早くキャッチして受け入れる働き方にも使われます。新しいことを柔軟に取り入れる人がいる一方で、決まった規則や自分の流儀を頑なに変えない人もいるでしょう。ここでは、「自由闊達」とは正反対の性格や、働き方を表す四字熟語を紹介します。
1:杓子定規
「杓子定規」は、「しゃくしじょうぎ」と読みます。意味は以下の通りです。
[名・形動]《曲がっている杓子を定規代わりにすること、正しくない定規ではかることの意から》すべてのことを一つの標準や規則に当てはめて処置しようとする、融通のきかないやり方や態度。また、そのさま。「―な考え方」「―に扱う」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
決まりきった考えや形式にとらわれて、融通が効かないことを「杓子定規」と言います。何でもかんでも一定の基準に当てはめようとする人のことを、「杓子定規だ」と言って揶揄することも…。小さなことにとらわれず、おおらかにふるまう「自由闊達」な人とは正反対な性格ですね。
(例文)
・彼女は何でも杓子定規に考える癖がある。
・彼は何でも杓子定規に解釈するからつまらない。
2:頑固一徹
「頑固一徹(がんこいってつ)」の意味は以下の通りです。
[名・形動]自分の考えや態度を絶対に変えようとしないで最後まで押し通すこと。また、そのさま。「―な生き方」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
自分の考えや言い分を決して曲げないことを「頑固一徹」と表現します。「一徹」は、「思い込んだことを一筋に押し通すこと」といった意味があり、周囲の意見に耳を貸さず、強引にやり通すというネガティブな意味合いも。
その一方で、伝統的な技を受け継いでいる職人仕事や、昔ながらの味を守り続けているお店などにも使われることが多く、悪い意味ばかりではありません。しかしながら、新しい価値観や働き方に柔軟に対応する「自由闊達」とは、真逆のスタイルと言えるでしょう。
(例文)
・大将は、頑固一徹とばかりに老舗の味を守り続けた。
・頑固一徹なお義父さんと話すのはいつも緊張する。
最後に
「自由闊達」とは、「物事にこだわらず、心のままに行動するさま」を表します。本来は人の行動や振る舞いに対して用いられることが多い言葉ではありますが、近年、時代や価値観の変化に伴い、グローバルな議論の場や、組織の社風などにも広く用いられるようになりました。多様な価値観が認められつつある世の中になってきたからこそ、「自由闊達」な生き方を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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