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WORK

2024.06.23

「アンダーマイニング効果」とは? やる気が起きない原因と改善方法を解説

「アンダーマイニング効果」とは、「報酬を与えたことで、かえってやる気やモチベーションが低下してしまう現象」のこと。どうしてやる気が下がってしまうのか、その動機を維持する方法をまとめました。

「好きで始めた仕事なはずなのに、最近全然やる気が起きない…」と、たくさんの仕事を前に頭を抱えていませんか? 働く人にとって、仕事へのモチベーションを維持する方法は、ぜひとも身につけておきたいものですよね。

上司からの褒め言葉やボーナスを励みに頑張ってはいるものの、ときどき「なんのために働いているんだっけ?」と考えてしまうこともあるのではないでしょうか? このような状態に陥ることを心理学では、「アンダーマイニング効果」と呼ぶようですよ。

本記事で、やる気が下がってしまう原因や、モチベーションを維持するにはどうしたらいいかを一緒に考えていきましょう。

「アンダーマイニング効果」の意味

「アンダーマイニング効果」とは、金銭などの報酬を与えたことで、かえって相手のやる気やモチベーションが低下してしまう現象のこと。

例えば、これまで趣味で行っていた洋服作りで報酬をもらったことで、だんだんお金を稼ぐこと自体が目的となり、思うように報酬が得られなくなるとやる気がなくなってしまった… という経験もこれに当たります。

あなたはどっち? 人が働く動機は2種類

人が働く動機には、2種類あるって知っていましたか? あなたはどちらに当てはまるかチェックしてみてはいかがでしょうか。

(c) Adobe Stock

1:外発的動機づけ

外発的動機とは、他人からの評価や報酬などの外部から与えられるもののこと。「上司や先輩からすごいねと褒められたい」「ボーナスをもらえるから仕事を頑張る!」ということも、報酬をもらうことを目的として行動しているので、外発的動機にあたります。報酬をもらえることを励みに頑張れるというメリットがある一方で、報酬が削られるとやる気がなくなってしまうというデメリットも…。

2:内発的動機づけ

内発的動機とは、仕事そのものの楽しさややりがい、好奇心、探究心など、自分の内面から発生する意欲や関心のこと。「おしゃれが好きだから、コーディネートのセンスを磨きたい」「アメリカの文化が好きだから英語を勉強して、将来は海外で仕事がしたい」という純粋な感情を指します。自分の感情をきっかけに行動するため、やる気が起きやすいでしょう。

仕事のやる気が下がってしまうのはなぜ?

最初は楽しんでやっていた仕事が、いつの間にかつまらなくなってしまったということは、誰にでも起こりうること。一体何がきっかけで気持ちが変わってしまったの? とお悩みの方も多いはず。ここからは、アンダーマイニング効果が起きてしまう原因をチェックしていきましょう。

(c) Adobe Stock

1:締め切りやノルマに追われている

締め切りやノルマに追われて、仕事を楽しむ心の余裕をなくしてしまうことも、やる気が下がってしまう原因の一つ。「本当はもっと時間をかけて取り組みたいけれど、納期が迫っている」「とにかく明日までに終わらせなきゃ!」など、仕事の動機が「早く終わらせること」になってしまうと、精神的な充足感を失ってへとへと状態に…。抱えている仕事量が多すぎることは、バリバリ働く人ならではの悩みですよね。

2:仕事をやらされていると感じている

例えば、「女性を綺麗にする仕事がしたい」という使命感を持って入社したものの、実際に働いてみたら接客業よりも、事務作業や雑用がほとんどだったという場合。「メイクをしてお客さんに喜んでもらいたい」という内的欲求が叶わず、「何のために働いているのだろう?」と徐々にやる気を失ってしまいます。

自分の「やりたい!」より、上司から指示されたことを「やらされている」と感じることが多いことも、内発的動機から外発的動機に比重が変わってしまう要因のようです。

3:働く目的がやりがいから報酬に

入社当初に「憧れの仕事に就けて嬉しい!」「バリバリ働いてキャリアを築きたい」と思っていたのに、仕事に慣れてくるにつれて「残業がしんどい」「思っていた仕事と違った…」などと、夢と現実のギャップに気づく人もいますよね。そうしていくうちに、働く目的が「やりがい」ではなく、「報酬」へと変わり、「今やボーナスを心の糧に働いている」ということも。

報酬によって意欲的に取り組めるなら問題はありませんが、働く目的を見失うことで、モチベーションが下がっているなら、一度立ち止まって仕事について考えてみる必要があるかも。

モチベーションを維持するにはどうしたらいい?

どうやら仕事のやる気がなくなってしまうのは、内発的動機より外発的動機が優位になってしまうことが原因のようですね。私たちがモチベーションを維持しながら生き生きと働くには、どんなことを心がければいいのか、一緒に考えていきましょう!

(c) Adobe Stock

1:初心を思い出す

仕事が忙しくて心に余裕をなくすと、つい不満や愚痴が出てしまうこともしばしばですよね。不貞腐れた時ほど、働く目的を見つめ直してみることが必要かもしれません。「そういえば、昔からものを作って、人に喜んでもらうことが好きだった」「子供に教えて成長する姿を見るのが好きだった」など、初心を思い出してみてはいかがでしょうか?

同じ「ものを作る」行為でも、「お金と納期のために作っている」のと、「人が喜んでくれるものを作る」のでは、きっと仕上がるものも変わってくるはず。人が喜ぶことで心が満たされれば、「もっと上手になりたい」と前向きに考えられるようになるでしょう。

「生活のため、上司から褒めてもらうために働く」という外的動機から、内的動機へと切り替わり、仕事に取り組む姿勢が変わっていくといいですね。

2:自発的に取り組めるものを見つけていく

やらなければならないと思う仕事が多くて、モチベーションが下がっている場合は、「自分がやりたいことだから、やっている」と思えることを1つでも見つけて、取り組んでいくことを大切にしてみてください。今自分が抱えている業務の中から見出すのもいいですし、もしなければ上司に「こういう仕事をやってみたい」と企画してみるのも一つの方法です。

仕事の中で見つけるのが難しい場合は、趣味やボランティアなど、「お金がもらえなくてもやりたい」と思えることをやってみると、生活が充実するかもしれませんよ。

最後に

私はこれが好き! と思うような内発的動機を持って働くことが、生き生きと働く秘訣なのかもしれませんね。

とはいえ、いくらやりたい仕事をやれたとしても、著しく報酬が少なかったり、周囲から思うような評価がもらえないと、仕事として持続させることが難しくなるでしょう。モチベーションを高い状態で維持するには、内発的動機と外発的動機のバランスが大切なのかもしれませんね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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