自問自答(じもんじとう)とは?
自問自答は、日常生活や哲学的な考察、さらには自己啓発の手段として用いられる言葉です。この習慣は、自己理解を深め、問題解決や目標達成に役立つでしょう。
本章では「自問自答」の意味や例文、語源を解説します。知っている方もうろ覚えだという方も、ぜひチェックしてみてください。
自問自答(じもんじとう)の意味
自問自答(じもんじとう)とは、自らに問いかけて、自らが答えを出すことです。また、「納得できないことや疑問に対して熟考すること」「あれこれと思い悩むこと」などの意味でも使われます。
自分の内面に問いかけ、苦悩の果てに自ら答えを見つけることを「自問自答」と表現します。おもに、自己責任感や反省の意味を含んで用いられることが多いでしょう。
じもん‐じとう〔‐ジタフ〕
小学館 デジタル大辞泉
[名](スル)自分で問いかけ、自分で答えること。「心の中で何度も—する」
自問自答の例文
「自問自答」という四字熟語を使う場合は、以下の例文を参考にしてください。
1. 仕事で大きな決断を下す前には「自問自答」を怠らないようにしています。それによって、自分の考えや価値観と一致する決定ができるからです
2. 「自問自答」を通じて、自分の強みや弱みを客観的に見つめ直すことができます。その結果、より効果的な成長計画を立てることができるようになりました
3. ストレスや不安が募るときは「自問自答」をしてみることで、問題の本質を見極め、解決策を見つけ出すようにしている
自問自答の語源
「自問自答」は「自問」と「自答」から成り立っています。「自問」とは「自分に問いかける」ことを意味し、自らの内なる声に耳を傾ける様を表しています。
そして「自答」とは「自分で答える」という意味です。内在する答えを引き出す姿勢を表しています。
両者を組み合わせることで「自問自答」は、自分の内なる声に耳を傾け、答えを導き出す行為という意味になります。それが語源となって、あれこれ思い悩むことや繰り返して考えることといった意味でも用いられるようになりました。
自問自答の対義語
自問自答とは対話し、内省することを指します。しかし、時には思考を静め、心を空にし、無念無想という境地に至ることも大切でしょう。
対象表現である「無念無想」とは、何もない心、無欲無求の境地であり、自らを問いただすことなく、ただ純粋な存在として在ることを表しています。
「明鏡止水」のように心を清らかに保ち、真実を見つけるためのクリアな心境が重要です。ここでは、「自問自答」の対義語について解説します。
無念無想
「無念無想」とは仏教語であり、雑念を捨て、物事に執着しないことです。禅や仏教の修行において重要視され、悩みや束縛から解放される境地とされています。無念無想を実践することで、心を平静に保ち、現在の瞬間に集中し、自己の真の本性を見つめることができるかもしれません。
明鏡止水
「明鏡止水」とは、邪念がなく落ち着いた心を意味する言葉です。鏡のように澄んだ心境であり、水面が静かで揺るぎない様子を表現しています。
人は感情や思い込みに惑わされがちなもの。しかし心が穏やかで物事を客観的に捉えることができれば、外部の影響や感情の波に左右されず、自分自身の本質や真実に気づける可能性が高まるでしょう。
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1. 沈思黙考
「沈思黙考(ちんしもっこう)」とは、物事について深く考え込むことを指します。心を静め、静かに熟考することで、新たな発見や洞察を得られるでしょう。
困難に直面したときこそ、「沈思黙考」を意識したいもの。慌てず焦らず、落ち着いて静かに熟考することで、適切な対処につながるでしょう。
2. 自己観察
「自己観察(じこかんさつ)」とは、自分自身を客観的に見つめることを指します。自己の強みや弱み、好みや傾向などを見極めることができるでしょう。
自己観察は、自己理解を深めるうえで不可欠であり、自己成長や問題解決、コミュニケーション能力の向上など、大きな影響を与えると考えられています。
3. 省察する
「省察する」とは、自己の状況をかえりみて、そのよしあしを考えることを指します。過去の経験や行動を反省し、それに基づいて今後の方針や行動を考えることを意味する言葉です。
「自問自答」を正しく活用しよう
「自問自答」という四字熟語について、その意味や対義語、言い換え表現について解説しました。自問自答は、自己探求や問題解決に役立つ重要なプロセスです。自分自身と向き合い、内省することで、よりよい人生を築く手助けとなるでしょう。
このような自己理解の探求は、個人の成長や幸福感の向上につながります。自問自答を心がけ、自己向上を目指せるといいですね。
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