仕事をしていると、「リスケしてください」などとお願いしたり・されたりすることは時々ありますよね。しかし、相手によっては、「リスケ」と略した言葉を使って問題ないかな? と疑問に思うこともありませんか? 普段当たり前に使ってしまう言葉だからこそ、自信を持って使いこなしたいですよね。
本記事では、「リスケ」の意味や使い方、相手に合わせた言い換え表現などを解説しますので、参考にしてみてください。
「リスケ」の意味
「リスケ」を辞書で調べると、「リスケジュール」の略と出てきます。そこで、「リスケジュール」について、辞書で調べてみました。
リスケジュール【reschedule】
『デジタル大辞泉』(小学館)
1 債務返済を繰り延べること。リスケ。→リスケジューリング
2 スケジュールを立て直すこと。日程の再調整をすること。リスケ。
1の意味で使われるのは、主に金融業界でしょう。
通常のビジネスシーンでは主に、会議や打ち合わせの日程変更や、イベントの予定変更などの場面で使われますね。本記事では、こちらの2の意味について深掘りしていきます。
よく耳にする表現ではありますが、あくまでも略語なので相手によっては使うのを避けた方がいい場合もあります。同僚や部下など親しい相手との会話で使うのが望ましいでしょう。
「リスケ」の使い方と使用する場面
「リスケ」という言葉は、ビジネスシーンで予定や日程の再調整をする際に使われます。主に会議や打ち合わせ、納品日などの変更に際して使われることが多いでしょう。具体的な例文を2つ紹介します。
なお、先述したように、「リスケ」は略語ですから、目上の人や取引先の人に使うのは好ましくありません。したがって例文は、同僚や部下などとの会話を想定しています。
1:会議や打ち合わせの日時を変更する時
急な仕事や体調不良などで会議の日時を変更したい場合に、「リスケ」という言葉が使われます。上司や先輩から「水曜日に予定していた社内会議をリスケします」と伝えられたり、同僚から「来週の打ち合わせをリスケさせて欲しいんだけど…」などとお願いされることもあるでしょう。以下の例文も参考にしてみてください。
(例文)「来週の会議ですが、急な出張が入ってしまったので、リスケをお願いします。」
2:納品日の変更をする時
生産の遅れやトラブル発生時に、納品日を延長したい場合にも「リスケ」は用いられます。納品日の変更は、相手の仕事にも影響を及ぼす可能性があるため、丁寧な説明を心がけたいところです。
(例文)機械の不具合があり、生産が遅れています。納品日をリスケすることは可能でしょうか?
「リスケ」の言い換え表現は?
目上の人や会社の上司などと会話をする際は、「リスケ」のような略語ではなく丁寧な言葉遣いを心がけたいですよね。言い換え表現として適切な言葉をいくつか紹介します。
1:日程変更、日程の再調整
会議や打ち合わせの変更をしたい場合は、シンプルに「日程変更」や「日程調整」を使うといいですね。「急に出張が入ってしまったので、日程変更をお願いできますでしょうか?」や「諸事情があり、当日の参加が難しくなりました。日程の再調整をお願いできますか?」などと伝えてみてください。
2:スケジュール変更、スケジュール調整
そもそも「スケジュール(schedule)」は、「予定」「日程」という意味です。「電車が遅延している影響で、予定の時間に到着することができそうもありません。本日のスケジュールの変更をお願いできますか?」や「重要な会議となりますので、スケジュールを調整の上、必ずご参加ください」などと使います。
3:予定変更
あらかじめ決めていた内容を変更したい場合には、「予定変更」を使うことができます。「1人メンバーに欠員が出たため、当初の予定を変更したいのですが可能でしょうか?」などと表現することができますね。
「リスケ」をする際に気をつけたいこと
日程の変更は相手に迷惑をかけることになるため、できることなら避けたいものですが、どうしてもしなければならない… ということもありますよね。ここでは、「リスケ」をする際の流れやマナーについてみていきましょう。
1:目上の人や取引先に使うのは控える
「リスケ」という言葉は、ビジネスシーンでなじみのある表現ではありますが、上司や取引先に使うのは控えた方がいいでしょう。「リスケ」は略語ですから、丁寧な表現とはいえないでしょう。先ほど説明した、「日程変更」や「日程調整」「スケジュール変更」などの言葉に言い換えてお願いしてみてください。
2:リスケ後の日程は、相手の予定を優先
こちらから「リスケ」をお願いした場合、次の予定を決める際は、相手側の意向を優先しましょう。「リスケ」を提案した上に、「来週の火曜日はいかがですか?」などと自分の都合を押せば、相手は気を悪くしてしまいますよね。
「ご都合のよい日をお教えください」というように、相手に対して気遣いのある対応を心がけたいものです。
3:リスケした旨を、きちんと謝罪する
予定変更は、相手にとって迷惑なものです。ですから、後日顔を合わせた時には真っ先に「先日は、こちらの都合で日程を変更していただき、ご迷惑をおかけいたしました」などと謝罪の意を伝えましょう。
最後に
社内のトラブルや発注ミスなどで、当初の予定を変更せざるを得ない場面はあるでしょう。その際「リスケ」はとても便利な言葉ですが、自分の立場や状況をわきまえずに使ってしまうと、相手を不快感を与えてしまうかもしれません。上司や取引先の人と会話をする際は、「リスケ」と略さず、本記事で紹介した言い換え表現を使ってみてくださいね。
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