「簡潔明瞭」の意味
「簡潔明瞭」は、ビジネスシーンでも使う言葉ですが、正しい意味を知らない人もいるかもしれません。業務において、「簡潔明瞭」を指示されることがありますので、今一度意味を確認しておきたいですね。
本記事では「簡潔明瞭」について、意味や使い方などを調べてみました。まずは、意味を見ていきましょう。
「簡潔」と「明瞭」それぞれの意味を辞書で調べてみました。
【簡潔】
読み方:かんけつ
[形動][文][ナリ]簡単で要領を得ているさま。手みじかではっきりしているさま。「—な表現」「—に要旨を述べる」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
[派生] かんけつさ[名]
【明瞭/明了】
読み方:めいりょう
[名・形動]はっきりしていること。また、そのさま。明亮(めいりょう)。「—な発音」「—に記載する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
[派生] めいりょうさ[名]
上記から、「簡潔明瞭」は、簡単で要領がまとまっていることや、はっきりしていることを表すことがわかりますね。無駄がなく、単純でわかりやすいことを指す言葉といえるでしょう。
「簡潔明瞭」の類語
ここからは「簡潔明瞭」の類語を見ていきましょう。3つの言葉を紹介します。
「一目瞭然」
「一目瞭然」は、ひと目見ただけではっきりとわかるさまを表します。読み方は「いちもくりょうぜん」。会話などで使われることもあるため、なじみがある人も多いでしょう。「一目瞭然の〜」「一目瞭然だ」のように使います。
「単純明快」
文章や物事が、すっきりしていてわかりやすいことを表すのが「単純明快」です。「たんじゅんめいかい」と読み、「単純明快な〜」「単純明快だ」のように使います。この言葉も日常的に使われていますね。
「明晰」
「明晰」とは、明らかではっきりしていることの意。「めいせき」と読みます。すぐれた知性を持つことを表す際にも用いる言葉です。「明晰な〜」「頭脳明晰」のように使うことが多いでしょう。
「簡潔明瞭」の対義語
「簡潔明瞭」の対義語を見ていきましょう。「有耶無耶」「あやふや」「冗長」を紹介します。
「有耶無耶」
「有耶無耶」とは、物事がどうなのかはっきりしないことや、そのさまを表します。あいまいであることを意味するとも言えるでしょう。読み方は「うやむや」。「話が有耶無耶になる」「有耶無耶の状態」というように使います。漢字ではなく、ひらがなで表記することが多いでしょう。
「あやふや」
物事がはっきりしないさまや、あてにならないさまを「あやふや」といいます。あいまいという意味で使うことも。「あやふやな状態」「あやふやになる」というように用いられています。
「冗長」
「冗長」が示すのは、文章や話などが、無駄が多くて長いことや、そのさま。重複が多い、必要もないのに長い、余計なことをするなどを表す際に用いられます。「冗長に〜」「冗長な〜」というように使われることが多いでしょう。
「簡潔明瞭」はどんなふうに使う?
「簡潔明瞭」はどのように使う言葉なのでしょうか?
どんな場面で使うのか
「簡潔明瞭」を使うのは、説明や提案などの場面が多いでしょう。口語でも、文語でも使う言葉です。また、情報を伝達する際にも、「簡潔明瞭に伝えて」というように用いることがあります。
注意点
「簡潔明瞭」を使う場合、気をつけたいのが書き間違いです。「簡潔」「明瞭」ともに似ている熟語がありますので、混同しないようにしたいですね。たとえば「簡潔明快」や「簡単明晰」のように書くのはNG。どちらも存在しない四字熟語ですから、誤用にあたります。
また、「簡潔明瞭」に説明や伝達をするよう求められた場合は、「要点がまとまっている」「内容がわかりやすい」「無駄がない」「情報が整理されている」かどうかを意識しましょう。
「簡潔明瞭」を使った例文
「簡潔明瞭」の使い方を見ていきましょう。例文を紹介します。
ビジネスシーンで使う場合
《例文》
・次回のプレゼンテーションは、内容を見直し、簡潔明瞭になるようまとめてください
・お客様に説明する際は、簡潔明瞭に伝えることを意識しないと、聞いてもらえないですよ
・企画書を見たけれど、もう少し簡潔明瞭にまとめることはできる?
ビジネスシーンで「簡潔明瞭」を使うのは、プレゼンテーションや説明、提案などが多いでしょう。商品提案や企画立案では、要点をわかりやすくまとめることで、より効率的に業務を進めることにつながります。
日常で使う場合
《例文》
・購入した家具の説明書が簡潔明瞭だったので、手間をかけずに組み立てることができた
・パソコンの修理について尋ねたら、ショップの人が簡潔明瞭に説明してくれて、スムーズに理解することができた
・私の伝え方がよくなかったのか、相手は勘違いしたみたい。もっと簡潔明瞭に話せばよかった
日常で「簡潔明瞭」を使うのも、説明や伝達の場面が多いでしょう。物事をわかりやすく伝えるのは難しいもの。一歩間違うとミスコミュニケーションにつながりますから、注意したいところです。
「簡潔明瞭」を会話で使う場合
「簡潔明瞭」を会話で使うパターンを紹介します。会話例を見ていきましょう。オフィスで同僚Aと同僚Bが企画会議について話しています。
同僚A「この間の企画案、どうなった?」
同僚B「まだ出来上がっていないの。課長に内容を簡潔明瞭にするよう言われたけど、うまくまとめられなくて困ってる。明後日が期限なのに、焦る一方だよ」
同僚A「そうか…。ここのところ、残業が続いているでしょう? 私にできることがあったら遠慮なく言ってね」
同僚B「うん、いつも本当にありがとう!」
企画書や提案書を「簡潔明瞭」にまとめるのは大変なことが多いでしょう。内容がまとまっていないと、相手は興味を持ってくれませんし、簡潔すぎると、説明不足やミスコミュニケーションにつながる可能性があります。要点をおさえつつも無駄なくまとめることを意識し、取り組みたいですね。
最後に
「簡潔明瞭」について、意味や使い方などを紹介しました。「簡潔明瞭」は、要点がまとまっている・内容がわかりやすい・無駄がない・情報が整理されているというのがポイント。これらを意識し、取り組むようにしたいですね。
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