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2024.06.28

「ベネフィット」ってどんな意味? マーケティングや医療分野での使い方を解説

「ベネフィット」とは、「利益」「恩恵」などの意味を持つ言葉。単なる金銭的な利益だけではなく、商品を購入した際の精神的な充足感なども含まれます。本記事で「ベネフィット」の意味やビジネスシーンでの使い方などを解説します。

マーケティング部での企画会議などで、「この商品のベネフィットは…」と説明したことはありませんか? マーケティングで使われる言葉というイメージが強いかもしれませんが、実は、医療現場や企業の手当など複数の分野で用いられている言葉なんです。

ここでは、「ベネフィット」の基本的な意味から、商品開発にも役立つ「ベネフィット」の3つの要素、各分野での「ベネフィット」の使い方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「ベネフィット」の意味

まずは、「ベネフィット」の意味を辞書で確認してみると、

利益。恩恵。また、慈善事業。「―コンサート」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

とあります。英語の「benefit」から生まれた言葉で、名詞では「利益」「利点」「便宜」などの意味を持ちます。「ベネフィット」は、必ずしも金銭的な「利益」だけを指す言葉ではありません。例えば、化粧品を買った時、肌がきれいになったという機能的な利益や、かわいくなれて嬉しいという心理的な利益を得ますよね。このような、お金で計ることのできない利益も「ベネフィット」に含まれるのです。

(c) Adobe Stock

「ベネフィット」の要素は3つ

一般的に「ベネフィット」は、以下の3つ要素に分けて考えられています。ポイントを押さえて、接客や商品開発などに生かしてみてくださいね。

1:情緒的ベネフィット

商品やサービスを使った時に、「嬉しい!」「楽しい」というようなポジティブな感情を持つことを「情緒的ベネフィット」といいます。具体的には、「安心感」や「心地よさ」「かっこよさ」など。もし顧客が商品を気に入れば、自社ブランドのファンになってくれる可能性もあるので大切にしたいポイントです。

2:機能的ベネフィット

「機能的ベネフィット」は、商品やサービスが持っている機能によって、プラスの利益がもたらされること。主な要素としては、「早い」「安い」「美味しい」「頑丈」など。例えば、営業職で自社の商品をお客様におすすめする際には、これらのキーワードを使うことで、商品やサービスに関心を持ってもらいやすくなるでしょう。

顧客にとっても、「それってどういう商品なの?」という不安や警戒心が和らぎますし、購入するかどうか検討するポイントにもなります。

3:自己実現ベネフィット

商品やサービスを利用して、理想の自分になれることを「自己実現ベネフィット」といいます。例えば、高級ブランドの化粧品を利用することで、「自分の容姿に自信が持てる」「華やかな見た目になれる」「肌がきれいに見える」など。自分の願いが叶うなら、ある程度お金がかかっても仕方ないと考え、洋服や車、時計などの持ち物に投資をする人も少なくありません。

「ベネフィット」の使い方

ビジネスシーンでは、会話の中で「ベネフィット」という言葉が使われることもしばしば。意味と合わせて適切な使い方を覚えてくださいね。

(c) Adobe Stock

1:「商品のスペックだけではなく、ベネフィットもわかりやすく提示するべきではないでしょうか?」

商品を開発する際に押さえておきたいのが、スペックとベネフィットの違い。スペックとは、例えば洋服における素材や形状、機能、デザインなど、商品にまつわる基本的な情報のことを指します。

一方、「ベネフィット」は、「洋服を着たことで、自分に自信が持つことができて、外出する機会が増えた」など、商品を購入したことで生まれたポジティブな変化なども含まれることが違いといえるでしょう。

2:「ブランドのファンになってくれるペルソナを設定し、顧客のベネフィットを高めましょう」

マーケティング用語で「ペルソナ」とは、商品やサービスを利用する顧客の人物像のこと。年齢や性別、住んでいる地域の他に職業や年収、家族構成、よく使うSNSなどライフスタイルまで細かく設定します。

ペルソナを利用して、満足感の高い商品を開発することができれば、顧客の「ベネフィット」が高まりますね。

さまざまな分野での「ベネフィット」

先述したように、「ベネフィット」は「利益」という意味ですが、職種によって若干異なる意味で使われることがあります。ここでは「ベネフィット」が使われる機会の多い、マーケティングや医療分野での意味を確認していきましょう。

(c) Adobe Stock

マーケティングにおける「ベネフィット」

マーケティングの分野では主に、顧客が製品やサービスから得る恩恵のことを「ベネフィット」といいます。商品開発や広告制作の現場で、「顧客のベネフィットを重視したい」「その商品にベネフィットが足りない」などと言って意見を交わすことも多いでしょう。

企業側が、ターゲットとしている年代の顧客に合った「ベネフィット」を提示することで、顧客の購買意欲を高めることができます。商品を使ってみて「家事が時短できるようになった」「体の疲れが取れた」という効果があれば、また買ってみたいと思えますよね。

医療分野における「ベネフィット」

医療の現場では、医薬品の安全性や有用性、または医療機器を使ったことによる効果のことを「ベネフィット」といいます。例えば、ある薬を飲むことで血圧を下がったり、傷の痛みが緩和されたということは、患者にとっての「ベネフィット」ですよね。また薬の安全性について話す時に「この薬のベネフィットは…」などと表現することもあります。

ただ、薬には効果もあれば副作用が生じる可能性もあります。患者の体が何らかのダメージを負う可能性があることを「リスク」と呼びます。

その他の「ベネフィット」

英語の「benefit」には、「慈善興行」や「手当、給付金」などの意味も含まれています。このことから、チャリティを後援することを目的にした音楽祭、「ベネフィットコンサート」が行われることもあります。いわゆる「チャリティコンサート」のことですね。コンサートで得た利益を、地震や洪水などの災害で被害に遭った人に寄付する活動が挙げられます。

また、企業が従業員に与える手当や給付金のことを、「フリンジベネフィット」といいます。これは、従業員に毎月支払われる給与以外の、福利厚生や交通費などの手当のこと。これらを企業が負担することで、従業員は額面以上の暮らしをおくることができるでしょう。

最後に

「ベネフィット」が意味する「利益」には、単なる金銭的な利益だけではなく、精神的な充実感や機能的な利便性など、複数の要素が含まれていることがわかりました。その考え方を理解して、お客さんにとってより魅力ある商品を生み出してみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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