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「あーね」って、何?
若い人の間で使われるトレンドワードにはさまざまなものがありますが、「あーね」もその一つです。この「あーね」の意味や使い方を知る人はそれほどいないかもしれませんね。
「あーね」を使うのは、10代の女性が中心といわれます。東京で生まれた言葉のように思いがちですが、福岡県の方言が由来とする説もあるようです。
今回は「あーね」について、元となる言葉や使い方、「あーね」と言われた時の返し方などを見ていきましょう。まずは「あーね」の元となる言葉を紹介します。
「あーね」には元になる言葉がある
「あーね」の元となる言葉とされるのが「あー、なるほどね」「あー、その通りだね」などです。これらを略したのが「あーね」といわれます。
「あーね」は、相手の話に共感したり、相槌を打つ時に使います。強く共感し、感情や気持ちを込めて使うというよりは、短い言葉で気軽に返事をする際に用いることが多いでしょう。
福岡の方言?
上述したように「あーね」という福岡の方言がSNSなどを通して広まり、若者の間で使われるようになったと見られています。会話やメッセージアプリでのやりとり、SNSなどのコメントなどで用いることがほとんどです。
「あーね」を会話で使う
ここからは「あーね」の使い方を見ていきましょう。会話例を見ながら、使い方をチェックしてください。
会話例
若い女性二人が、カフェでケーキを食べながらドラマについて話している様子をイメージしてください。
B「昨日のドラマの最終回、見た?」
A「見た。予想と違う展開だったね」
B「ああなるとは思わなかったよ。けど、あのストーリー展開は無理があるよね。ヒロインは苦しい言い訳だらけだった」
A「あーね」
B「エモい展開にしたかったのかもしれないけど、見ていてイライラしたわ」
A「確かにそうかもね」
AはBの話を聞いていますが、相手の発言に対する共感は薄めであることが読み取れます。強く共感する場合は、「あーね」ではなく別の言葉を使うことが多いようです。
「あーね」が嫌だと感じる人もいる
「あーね」と言われると、気分を害するという声があります。その理由を見ていきましょう。
「あーね」は嫌な言葉?
「あーね」と言われると、話を聞き流されたように感じることがあるようです。自分の話を聞き流されてしまうと、いい気分はしませんよね。特に、自分が真剣に話している時に「あーね」と言われたら、イラッとするかもしれません。
嫌われているのかと不安になることも
返答が「あーね」で終わると、相手に嫌われているのかもしれないと感じる人もいます。確かに「あーね」とだけ返されると、モヤモヤした気持ちになるでしょう。直接の会話であれば、声のトーンや表情などで伝わるものもありますが、LINEやチャットなど文字だけのやりとりだと、真意が読み取れず不安になりそうです。
返す言葉に困る
「あーね」と言われて、反応に困ることもあるでしょう。「あーね」から相手の感情や気持ちが読み取れず、返事ができなかったというのはよくあることかもしれません。
「あーね」は、使い方に注意を払うほうがいい言葉といえます。特に、相手が真剣に話をしていたり、相談している時などは、気をつけたいですね。また、関係性ができ上がっていない相手に対して使うのも、控えるほうがいいでしょう。
「あーね」と言われた時の返し方
「あーね」と相手が言った場合、どのように返せばいいか、迷いませんか? 特に、相手の関心が薄そうだと、話を続けてよいか悩みますよね。そのような時は、思い切って話題を変えてみるのはどうでしょう? 相手が好きそうな話題に変えると、話が盛り上がるかもしれません。
また、相手に「あなたはどう思う?」と質問するのも一つです。質問を投げかけることで、相手は会話しやすくなるでしょう。
ビジネスシーンで使うのはNG
「あーね」の意味や使い方などを見ると、ビジネスシーンで使うのは避けるほうがいいですね。自分は軽い気持ちで「あーね」を使ったとしても、誤解される可能性が高そうです。また「あーね」の意味を知らない相手だと、戸惑わせてしまうでしょう。
現時点で「あーね」がビジネスシーンにふさわしくないのは、明白です。日常会話で「あーね」をよく使う人は、取引先や顧客、上司や先輩などに対してうっかり使うことがないようにしてください。
「あーね」と似たイメージを持つ言葉
ここからは「あーね」と似たイメージのある言葉を見ていきましょう。いずれも日常会話でよく使われていますが、ビジネスシーンでは使いません。
「それな」
「それな」は「そうだね」「その通りだね」を略した言葉とされています。この言葉も、若者の間で使われているトレンドワードの一つです。相手の発言に共感を示す際に用いられていますが「あーね」のように相槌がわりに使うこともあるようです。
「それな」の由来はネット掲示板だとする説があります。一方で、関西弁の「ほんまそれな」から生まれたとする説もありますが、はっきりしたことはわかっていません。
「知らんけど」
「知らんけど」は、関西弁(大阪弁)です。2022年、流行語大賞にノミネートされたほど、全国で知られるようになりました。
「知らんけど」は、「そうは言ったけど、責任は持てない」「断言したけど、確証はない」という意味合いで使われます。人に何かを勧めたり、断言したことに対して、最後に「知らんけど」と言い添えますが、断言を避けて責任を回避するというよりは、相手を笑わせようとして用いることが多いでしょう。
「ガチで」
「ガチで」は「がちんこ」を略した言葉です。がちんこは「真剣に」「真面目に」という意味。たとえば「本気で上手」を「ガチで上手」のように言い換えて使います。
「ガチで」を返事として使うことも多いですね。「本気で?」「本当にそうなの?」と伝える際に「ガチで?」「ガチ?」のように用いられています。
最後に
「あーね」について、意味や会話での使い方などを紹介しました。若者の間で使うトレンドワードの一つですが、使い方には注意が必要な言葉です。トレンドワードは、ノリのよさを感じさせるものも多いですが、使うシーンや相手を選ぶ必要があるでしょう。ビジネスシーンやかしこまった場でうっかり使ってしまったということがないよう、注意したいですね。
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