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2024.07.16

時短勤務は誰が利用できる? 時短勤務の基本的情報と、短時間正社員を紹介

育児や介護を意識すると「時短勤務」が気になりませんか? 今回は、時短勤務の基本的な情報を紹介します。時短勤務の対象者や適用期間、メリットやデメリットなどを見ていきましょう。短期間正社員についてもチェックを!

「時短勤務」とは

育児や介護と仕事を両立するための制度である「時短勤務」は、多くの人が利用しています。時短勤務という制度があるのは知っていても、内容までは知らないという人もいるでしょう。今の時点で時短勤務を利用する予定はないとしても、将来に備えて内容を把握しておきたいですね。

今回は時短勤務について、対象となる人や制度の内容を見ていきましょう。なお、時短勤務は改正により内容が変わります。この記事で紹介するのは、2024年6月時点で実施されている内容です。

(c) Adobe Stock

「時短勤務」って?

時短勤務という呼び方が一般的ですが、育児・介護休業法では「短時間勤務制度」と呼ばれています。国が定めた制度で、時短勤務を利用すると、所定労働日数を短縮して勤務できます。

企業などでフルタイム勤務をする場合、多くは8時間勤務になるでしょう。しかし、育児や介護をしながら働く人が一定の要件を満たすと、それを縮めることができます。時短勤務の場合、1日の所定労働時間は原則6時間です。

「時短勤務」の対象者(育児)

厚生労働省が定める、育児による時短勤務制度の対象者は次のすべてに該当する人です。

1:3歳に満たない子を養育する労働者であること。
2:1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。
3:日々雇用される者でないこと。
4:短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと。
5:労使協定により適用除外とされた労働者でないこと。

※労使協定により適用除外とされた労働者は以下の通りです。
・継続しての雇用期間が1年未満の労働者
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
・業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者(これらの業務について適用除外とする場合には、代替措置としてフレックスタイム制度等を講じる必要があります)

参考:厚生労働省 改正法の下の短時間勤務制度について①

「時短勤務」の対象者(介護)

要介護状態(負傷や疾病、身体上や精神上の障害により、2週間以上の常時介護を必要とする状態)にある家族を介護する労働者も、時短勤務の対象者です。介護の対象となる家族は、以下の通りです。

配偶者(事実婚を含む)・子・孫・兄弟姉妹・父母・祖父母・配偶者の父母
※「子」については、法律上の親子関係がある子(養子を含む)のみ

なお、日々雇用の労働者は制度の対象から除きます。労使協定を締結している場合は「入社1年未満の労働者」「1週間の所定労働日数が2日以下の労働者」も制度の対象から外れますので、注意してください。

また、時短勤務の内容は、企業によって異なります。利用を考えたい場合は、事前に就業規則などでチェックするようにしてください。

参考:厚生労働省|介護休業制度|短時間勤務等の措置

「時短勤務」の適用期間は?

時短勤務の適用期間について見ていきましょう。育児と介護、それぞれの適用期間は次の通りです。

育児:養育する子供が3歳の誕生日を迎える前日まで。
介護:対象家族1人につき、時短勤務利用開始の日から連続する3年以上の期間で2回以上。

育児で時短勤務を利用する場合、子供が3歳になった誕生日当日から対象外となります。

介護の時短制度は、回数を分けて利用することができるので、介護休業をうまく組み合わせて使うケースが多いでしょう。

「時短勤務」の場合、残業は?

時短勤務の間は、申し出をすることで残業や深夜労働が免除になります。時短勤務を申請する際に、上司や家族と残業についても話し合っておくといいですね。

車椅子に乗った女性
(c)Adobe Stock

「時短勤務」のメリットとデメリット

ここからは、従業員からの視点での時短勤務のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

・フルタイム勤務に比べて、時間に余裕ができる。
・体力面の負担軽減につながる。
・ワークライフバランスを取りやすくなる。
・保育園などの送迎に間に合うことが多い。

時短勤務の大きなメリットは、時間に余裕ができることです。仕事を終えた後、休む間もなく育児や介護に取りかかるには、大きな負担がかかります。時短勤務を利用することで、心身の負担軽減につながるかもしれません。

デメリット

・収入が減る。
・業務量や業務内容の調整が難しい。
・周囲に気を使ってしまう。
・キャリアプランの変更。

デメリットになりやすいのは、やはり業務や収入に関することです。時短勤務を利用すると、収入は減りますので、家計の見直しが必要になります。また、業務調整をすることで、周りに負担がかかることを申し訳なく感じる人も多いでしょう。

業務量については、事前に上司と相談するといいですね。特に、それまで時短勤務を利用した人があまりいない職場は、前例がない分、細かな調整が必要になるケースがあります。

また、時短勤務を利用することで、キャリアプランの見直しが必要になる人もいるでしょう。昇進や昇格などを考えている人は、悩んでしまうかもしれません。キャリアプランの見直しに不安がある場合は、一人で抱え込まず、上司や当該部署にきちんと相談しましょう。

短時間正社員制度も知っておこう

時短勤務によく似たイメージのある「短時間正社員制度」について紹介します。時短勤務との違いを把握し、働き方の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?

白い時計
(c) Adobe Stock

短時間正社員って?

短時間正社員とは、次のいずれにも該当する労働者を指します。

・期間の定めのない労働契約を締結している者
・時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用される同種のフルタイムの正規型の労働者と同等である者

フルタイムではなく、最初から労働時間を短く設定した上で、正社員として働くことができるのが、短期間正社員です。一定の条件を満たすことで、社会保険や雇用保険も適用されます。

参考:厚生労働省|短時間正社員制度の導入・定着支援

時短勤務との違いは

時短勤務と短時間正社員の大きな違いは、適用条件です。時短勤務は、育児や介護といった理由がないと、利用できません。

短時間正社員は、育児や介護以外の理由でも利用可能です。

最後に

時短勤務について紹介しました。紹介した時短勤務は、国により定められている内容です。企業によっては、独自の時短勤務制度を導入していることがありますので、利用を考える人は事前にチェックしておきましょう。また、改正があると、制度の内容も変わりますので注意してください。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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