「パワーカップル」って?
「パワーカップル」という言葉が何を指すか、知らない人もいるでしょう。パワーカップルは、経済を活性化する存在として、各方面から注目されていますので、意味を把握しておくといいですね。
今回は、パワーカップルについて、意味や定義、パワーカップルが注意したいことなどを紹介します。パワーカップルに興味がある、憧れを持っているという人はぜひチェックしてください。まずは、パワーカップルの意味を見ていきましょう。
意味
「パワーカップル」は、本人とパートナーのどちらも高い収入を得ている共働き夫婦を指します。
パワーカップルの定義って?
現時点では、パワーカップルに明確な定義はありません。メディアなどで報じられる場合の基準もさまざまで、世帯年収で区切るケースもあれば、年収と金融資産を合わせて考えるというケースも。高収入がいくらを指すのかについても、考え方はさまざまです。
ニッセイ基礎研究所の基礎研レポート(2024年4月発表)の場合、パワーカップルの基準となるのは、夫婦ともに年収700万円以上であること。同研究所の発表によると、パワーカップルの数は10年前と比べて約2倍に増えているそうですよ(2023年時点)。
仕事と家庭を両立しやすい環境づくりが進んでいることや、キャリア形成を継続する女性が増えたこと、価値観の変容などが、パワーカップル増加の背景にあるといわれています。
参照:ニッセイ基礎研究所|消費者行動|パワーカップル世帯の動向
パワーカップルの特徴とは
ここからはパワーカップルの特徴を見ていきましょう。生活スタイルに焦点をあて、特徴を紹介します。
お互いに忙しく時間がない
パワーカップルは、双方ともに仕事が忙しいことがほとんど。家事や育児に時間をかけることは難しいでしょう。常に時間に追われながら生活しているという人が多いかもしれませんね。
生活水準は高め
同じ年収であっても、どちらか一方のみがお金を稼ぐ世帯と比べると、パワーカップルの消費は高い傾向にあるとされます。多忙なパワーカップルは外食が多め。趣味や旅行にお金をかける傾向も強いです。
また、時短家電やサービスを活用する機会も、パワーカップルは多いでしょう。新しい物への感度が高く、購買力が高いというのもパワーカップルの特徴です。
都市部に住む人が多い
パワーカップルの場合、住居選びで優先するのは、勤務地までのアクセスのよさです。また、夜遅くなってもスーパーや飲食店を利用できるかどうかも重視するでしょう。これらの条件を満たす都市部を住居地に選ぶパワーカップルが増えています。
パワーカップルは、時間に追われることが多いため、何よりも利便性を重視する傾向が高いです。
パワーカップルが注意したいこと
パワーカップルが注意すべきことを紹介します。お金の管理については特に意識したいですね。
家計管理があいまいになりがち
パワーカップルはお互いに多忙なため、家計管理があいまいになりがちです。つきあいなどの出費が多くて実際の生活はギリギリで余裕がない、多忙なためどんぶり勘定になっているというケースもあるでしょう。また、ストレス発散で無駄遣いが続く、外食や中食が続くなどして、気がつけばほとんど貯金がないということもあります。
家計管理があいまいだと、いざというときに困るでしょう。今の状態が続くわけではないことを理解し、パートナーとしっかり話し合いたいですね。
計画的に貯金をする
お財布は別々、それぞれの収入は自分で管理しているというパワーカップルの場合、お互いの貯金額を把握していないことが多いです。二人ともまったく貯金をしていないというケースもあるでしょう。
元気なうちはそれでいいのですが、困るのは不測の事態が起こったときです。病気やケガで働けなくなる、予想外のことが起きて失職するなどが起こると、貯金がなければ生活は困窮してしまうでしょう。そのような事態に陥らないよう、計画的に貯金することが大切です。
住宅購入は慎重に
パワーカップルがそれぞれ住宅ローンを組む場合、夫と妻のどちらもが住宅ローン控除を受けることができます。また、2人でローンを組むため、高めにお金を借りられるということも。住宅購入において、パワーカップルであることがメリットになりやすいのです。
とはいえ、住宅購入は大きなお金が動きます。住宅ローンを組むということは、借金を背負うということ。「世帯収入が高いから大丈夫だろう」と安易に考えるのではなく、シミュレーションなどをしっかり行い、慎重に決めるようにしてください。
助成金や給付金を受け取れないことも
国や自治体からもらえる助成金や給付金には、所得制限が設けられていることが多いです。パワーカップルの場合、支給や給付の対象外となる可能性が高いことを把握しておきましょう。
たとえば、中学校卒業までの児童を養育している人がもらえる児童手当は、世帯年収が一定額を超えると受け取れない可能性が生じます。助成金や給付金を受け取れないことが、家計の負担になるケースもあるでしょう。
状況が変化したケースを想定する
状況や環境が変化し、収入に影響することがあるかもしれません。特に、病気やケガ、事故、勤務先の倒産といった予測できない事柄は、避けることが難しいもの。そのようなことが起こると、収入は大きく下がるでしょう。
不測の事態にどう備えるか、機会を設けて話し合いましょう。どちらか一方が働けなくなった場合どうするか、お互いの収入が減ってしまったらどうするか、二人でしっかり考えたいですね。
パワーカップルの場合、お互いの収入が上がると節税対策が必要になるケースもあります。iDeCoやNISAなどをうまく活用する、お金の専門家に相談するなどしながら、節税対策についても話し合っておきましょう。
最後に
パワーカップルについて紹介しました。高収入で共働きの夫婦を指すパワーカップルに、明確な定義や基準はありません。家計に余裕があり、あまりお金の心配をせずに暮らすことができるかもしれませんが、双方が多忙のため時間に追われがちです。時短家電やサービスをうまく活用しながら、たまにはゆっくりと休むようにしてくださいね。
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