「恩着せがましい」の意味とは?
まずはじめに「恩着せがましい」という言葉の意味をきちんと理解しておきましょう。
「恩着せがましい」の意味
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
小学館 デジタル大辞泉より引用
[形]いかにも恩に着せるように厚かましい。「—・い態度」
[派生] おんきせがましさ[名]
辞書でも説明されている通り、「恩着せがましい」とは恩を押し付けて、相手に感謝を強いる様子のことを言います。「手伝ってあげたんだから、感謝しなさいよね!」といった具合です。
似たような言葉に「押し付けがましい」という言葉がありますが、こちらは相手に自分の考えや意見を押し付けること。「恩着せがましい」との違いは、「ありがとうと言ってほしい」という見返りを求めるか否かです。どちらもネガティブな意味ですが、相手に感謝を強いる「恩着せがましい」の方が困った感じがしますね。
「恩着せがましい」の英語表現は?
ちなみに、「恩着せがましい」を英語で言うと「patronizing」といいます。経済的な後援者のことを「パトロン」と言いますね。動詞「patronize」はパトロンとして後援、サポートするという意味で、「patronizing」になると恩人ぶったという意味になります。
「恩着せがましい人」の特徴とは?
では「恩着せがましい」人とは、どのような人のことを言うのでしょう。この項目では、「恩着せがましい」人の特徴を抜粋しました。あなた自身や、あなたの彼氏には当てはまるでしょうか? 診断してみてくださいね。
「やってあげる」が口癖
人のために何かをしたとき、何気なく「やっておいてあげたよ」と言ってはいないでしょうか。「やっておいたよ」でいいところを、「恩着せがましい」人は無意識に「やってあげた」と表現します。「あげた」との言い方に、どことなく上から目線を感じてしまいますよね。「恩着せがましい」人は、基本的に上から目線でものを言いがちです。
考え方が自己中心的
「恩着せがましい」人は、自己中心的に物事を考えるきらいがあります。〝相手のために何かをする〟のではなく、〝相手のために何かをする自分〟に意識が向いており、相手を思っているようで、実は思っているのは自分のことなんです。他人に何かをしてあげることで、優越感や自己満足に浸ります。
とにかくポジティブ
「恩着せがましい」人は、何事も自分に都合の良いようにとらえてしまうことも。ゆえに、いつもポジティブです。たとえ周りの人がしらけていても、ちっとも目もくれずポジティブマインドで我が道を突き進みます。
損得勘定が得意
「恩着せがましい」人は、人に恩を着せることで自分にどんな見返りがあるかを上手に判断します。要するに、損得感情が得意なのです。ちょっと親切にして、2倍3倍の良いことが自分に返ってこないなら、はじめから恩を着せたりはしません。厄介なのは、それを気ままに計算してしまうところです。
スピリチュアル系が好き
「恩着せがましい」人は、自分に自信がない傾向にあります。そのため、ジンクスやスピリチュアルといった系統のものに興味を持ちます。「こうするとうまくいくよ」だとか、「あそこにいくと運気が上がる」などの情報を好みます。
空気が読めない
「恩着せがましい」人は、ドヤ顔をしがちです。フォーマルなシーンであっても特に気にせず、目上の人にまで「自分って、本当に役に立つでしょう?」と言わんばかりに細々と気を遣います。謙虚な姿勢を装えればよいのですが、大抵は評価されたいのがミエミエで、恩を売られたほうはゲンナリしてしまう羽目に…。
人の話は聞かない
「恩着せがましい」人は、人の話や態度に注意を向けません。先にも述べましたが、人に興味があるようで、〝結局は自分〟なため、相手の考えに対して関心がないのです。相手の反応や意見を聞き入れることは少なく、「傲慢な人」という印象を持たれることも多いでしょう。
「恩着せがましい人」への対処法
いかがでしたか? あなたや彼は当てはまったでしょうか。「恩着せがましい」人の困ったところは、自覚症状がないこと。本人は、とにかく『いいことをしている』と思い込んでいるため、注意しても伝わりにくいのです。そんなときに役立つ「恩着せがましい」人への対処方法をご紹介しましょう。
受け流す
「恩着せがましい」人の下心ミエミエな言動には、基本的に悪気はありません。見返りを求めてはいますが、相手に喜んでほしい気持ちは本物なのです。イラッと感じてしまう人もいるかと思いますが、そこは心を広く持ってさらりと受け流しましょう。
『ありがとね!』など、とにかくお礼さえ言えば「恩着せがましい」人もひとまずは満たされます。いちいち噛み付いても無駄なケンカが増えるだけなので、あなたの方が大人になって流しておきましょう。
先手を打つ
「恩着せがましい」人が求めているのはお礼です。あなたから貰えるであろう見返りを期待しているのです。親切にされたときは、まず先手を打っておきましょう。『そんなことをしてもらっても、何にもお返しができないよ…』と先に伝えてしまうのです。
それでも『気にしないで!』と言いながら何かしてくる人には、逐一『ありがとう、お礼もできないのに』と念押しを。こうされると「恩着せがましい」人はぐうの音も出ないはず。
倍返しにする
「恩着せがましい」人に恩を売られたら、相手も驚くほどの感謝を伝えるというのもひとつの対処方法です。ありがとうで終わらせずに、『ありがとう! ホント、助かったわ。あなたがいなかったら乗り越えられなかったわ!』などと、必要以上に熱い感謝の気持ちを伝えましょう。そうすれば、「恩着せがましい」人が逆にスーッと引いてくれて、その後しばらくはマシになる場合もあるようです。
見返りよりも〝誰かの役に立つ喜び〟で満たされることを目指して
人の役に立ちたい気持ちがあるのは素晴らしいけれど、結局は自分に見返りがないと行動しないのが玉に瑕な「恩着せがましい」人。
でも、やっぱり“人の役に立ちたい”という気持ちを持つのはいいことですよね。その気持ちだけを残して、「見返りなんかなくてもいいや」と思えるようになるには一体どうすればいいのでしょう。
まずは、自分にばかり向かう目線をいったんそらして、視野を大きく広げてみることが大事ではないでしょうか?
もし、あなたの彼氏に「ちょっと恩着せがましいんだよね」と思うところがあれば、ふたりで新しいことにチャレンジしてみましょう。目線が変わると、心の持ちようも変化してくるものですよ。
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