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2024.06.30

コンピテンシーとは|意味や似た言葉などを紹介! 導入のメリットも

「コンピテンシー」は、高い成果を出すハイパフォーマーの行動特性を意味する言葉。ビジネスシーンでは、人材施策に用いられています。本記事では、コンピテンシーの意味や似た言葉、導入のメリットなどを調べました。

「コンピテンシー」とは

人事評価などに関係する「コンピテンシー」という言葉をご存じですか? 「コンピテンシー評価」という言葉なら知っているという人もいるかもしれません。

「コンピテンシー」は、人事評価や採用に関連することで使われます。今後もより注目を集める可能性があるので、意味などを把握しておきたいですね。

(c) Adobe Stock

意味

コンピテンシーは「コンピタンシー」と表記することがあります。コンピタンシーの意味は次の通りです。

コンピタンシー【competency】読み方:こんぴたんしー
《「コンピテンシー」とも。「能力」「適性」の意》成果を上げる行動特性。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

英語である「competency」がカタカナ語として根付いたのが「コンピタンシー」「コンピテンシー」です。言い方はどちらを選んでもOK。一般的に知られているのは、コンピテンシーかもしれませんね。この記事ではコンピテンシーに表記を統一し、紹介していきます。

行動特性って?

行動特性とは、人間のある類型が持つ特徴的な行動のパターンのこと。多くの場合、優れた成果を生み出すための行動を指す際に用いられています。行動そのものだけでなく、その行動のもとになる思考や性格、行動パターンを指すと考えてください。

行動特性の中でも、ハイパフォーマンスを発揮する人に共通する要素を指すのがコンピテンシーです。ビジネスシーンだと、職場の優秀な人や、結果を出し続けている人が該当します。

ビジネスシーンでの「コンピテンシー」

現在のビジネスシーンにおける大きな課題の一つが、人材不足です。労働人口減少の影響もあり、今後も人材不足が続くといわれています。

企業は、少ない人数で生産性を向上させ、環境や時代の変化に適応していかなければなりません。それには、従業員一人一人の行動の質を高めることが重要になります。

そこで注目されるようになったのが、コンピテンシーです。企業は、自社や他社で活躍するハイパフォーマー(高い成果を挙げつづける優秀な人)のコンピテンシーを観察・分析し、評価や採用基準に活用するようになりました。

「コンピテンシー」がもたらすメリット

ここからはコンピテンシーのメリットを見ていきましょう。メインとなるのは、人材施策です。

(c) Adobe Stock

自社に適した人材を確保

コンピテンシーは、企業の採用活動に活用されることがあります。入社後に活躍できる人材かどうかを判断するために、自社にいるハイパフォーマーのコンピテンシーを分析。それを、採用基準の一つに設定するのです。コンピテンシーを活用すると、自社に適した人材の確保につながりやすいからです。

また、早期離職した人や、活躍したが離職した人の行動特性を採用基準の一つにすることも。この場合は、離職しやすいかどうかを判断する材料として活用します。

公平な人事評価を実現

コンピテンシーをもとに人事評価を行うことを「コンピテンシー評価」といいます。明確な評価基準を示すことが難しいとされていた業務プロセスに、コンピテンシーを活用することで、公平な人事評価を実現。また、客観的な評価基準を従業員に示すことができるようにもなりました。

効果的な人材育成を実現

職務や職種ごとにコンピテンシーを設定すると、目標や従業員に求める行動を明確にすることができます。従業員の取るべき行動が明らかになるため、現実とのギャップや問題が把握しやすくなることも。

また、評価基準が具体的かつ明確になるため、従業員自身が評価制度を把握しやすくなります。これにより、従業員の仕事に対するモチベーションがアップし、より意欲的になることも。コンピテンシーの活用で、効率的な人材育成が実現するケースもあります。

生産性の向上につながる

上述したメリットが実現すれば、おのずと企業全体の生産性は向上します。コンピテンシーの活用が業績向上につながったというケースは少なくありません。

「コンピテンシー」にはデメリットもある

コンピテンシーのデメリットについても把握しておきましょう。

時間や労力を要する

コンピテンシーを導入し、活用するには、ある程度の時間や労力を要します。コンピテンシーの導入で行わなければならないプロセスは次の通りです。

・ハイパフォーマーを特定
・ハイパフォーマーをリサーチし、分析した上でコンピテンシーを特定
・コンピテンシーから評価や採用項目を選ぶ
・コンピテンシーをレベル別に分ける
・各人材施策に導入、実施

コンピテンシーの導入と活用を一人で行うことはできません。基本的には経営陣を含めた組織全体で取り組み、進めていく必要があります。企業によっては、その点もデメリットになるでしょう。

メンテナンスが必要

コンピテンシーは、「一度設定したら終わり」ではありません。時代や環境の変化などが影響すると、求められるコンピテンシーは変わります。そのため、定期的にコンピテンシーを見直し、更新する必要が生じます。

また、コンピテンシーの設定後、機能しない点が判明したら改善を行います。これをデメリットとみなす企業は多いかもしれません。

「コンピテンシー」と似た言葉

「コンピテンシー」と似た言葉を見ていきましょう。混同しないよう、それぞれの意味をチェックしてください。

(c) Adobe Stock

コア・コンピタンス

「コア・コンピタンス」とは、自社の得意な競争分野のこと。もしくは、その分野に自社資源を集中する経営手法を指すこともあります。コンピテンシーは個人の行動特性を指しますが、コア・コンピタンスは企業や組織の中核となる強みを表す際に用いる言葉です。

スキル

手腕や技量、訓練によって得られる特殊な技能や技術を指すのが「スキル」です。この言葉にはなじみがある人も多いでしょう。

高いスキルを持っていても、それを発揮するためのコンピテンシーがなければ、成果を出すことはできません。スキルを生かして活躍するには、コンピテンシーが必要になるのです。

アビリティ

「アビリティ」とは、何かを行う上での能力やスキルを指す英単語です。特定の分野や業務における適性、才能を示すこともあります。スキルと同じような意味を持ちますが、アビリティは総合的な能力、スキルは高度な技能という意味で使うことが多いでしょう。

最後に

「コンピテンシー」とは、ハイパフォーマーの行動特性のこと。企業では、人材施策に用いられることがあります。コンピテンシー評価やコンピテンシー採用を活用すれば、人材マネジメントを効率的に行うことができるでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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