みなさんの職場は、気軽に会話ができる雰囲気でしょうか? 「会話がない職場で、ストレスを感じる」という声も耳にします。特にここ数年、在宅勤務などが増えたことで、全く人と会話しないということもあるでしょう。「そういえば私、今日全く人と会話をしていない」という人も、珍しくない世の中になってきたと言えるかもしれません。
また、オフィスに出社していても、静まり返った環境で、会話がない職場もあるようですね。この記事では、会話がない職場への賛否両論の意見や問題点、意外なメリット、会話がない職場で楽しく過ごす方法などを解説します。
会話がない職場はストレス?
「会話がない職場がストレス」という人もいらっしゃるでしょう。人との会話が好きなタイプの人は、会話をせず黙々と作業している職場に、「もう辞めたい」という思いを抱くこともあるようですね。「うちの職場、まるで図書館のように静まり返っていて、なんだか寂しい」という声も耳にします。
もちろん、会社は仕事をする場所ですので、「私語を慎むように」と言われるのは、仕方ない面はあるでしょう。特に最近では、働き方改革の影響で、これまで以上に労働時間管理にシビアにならざるを得ない側面もあります。業務量は減らさずに、残業を減らすとなると、無駄な時間をなるべく減らすアプローチが必要になるでしょう。そのため、「雑談をしている時間は無駄」という価値観になりやすい環境と言えるかもしれません。
このような背景の中、今までは和気あいあいと雑談を楽しめていたのに、急に「無駄な会話はやめて、仕事を効率的にしなさい」という雰囲気になることも。
ただ、あまりにも会話が無くなった職場に、「息苦しさを感じる」という人もいらっしゃるようですね。「ちょっとした雑談や、冗談を楽しめるような、和やかな雰囲気で働きたいのに、静かすぎてストレスを感じる」という声も耳にしますよ。
会話がないことのメリットも
人によっては、「会話をする方がストレス」ということも。実は、「職場で必要以上に話さなくなったら、とても気持ちが楽になった」という人もいらっしゃるようです。特に、もともとあまり社交的ではない人にとって、「雑談がつらい」ということもあるでしょう。
また、「会社は仕事をする場所なのに、なぜそんなに会話が必要なの?」や、「仕事に必要なことだけ話せばいいのに」という意見もあるようです。このような人にとっては、会話がない職場の方が気楽でしょう。
また、会話がない職場に、「仕事に集中できるので、残業が減って、プライベートな時間を増やせた」というメリットを感じている人も。「職場では必要最低限しか話さず、仕事を早く切り上げたい」や、「プライベートで、気の合う仲間と会話すれば良い」という意見の人もいるようですよ。
会話がないことにストレスを感じる人がいる一方で、全く逆に感じている人がいるというのは、面白いですよね。
職場でコミュニケーションが取れない人の問題とは
ここまで、「会話がない職場に、居心地の良さを感じる」という声や、必要以上に会話をしないことのメリットなどを解説しました。とはいえ、「必要以上に会話をしない」ならまだしも、「必要な会話すらしない」状態になっている人もいるようです。これは問題ですよね。ここからは、職場でコミュニケーションが取れない人の問題点や、起こしがちなトラブルを見ていきましょう。
まず、職場でコミュニケーションが取れない人は、大きなミスを起こす可能性が高くなります。実際に、一言言っておけば防げたことなのに、コミュニケーション不足で大事故になってしまったということも。中には、けが人や死者が出るような労災事故につながる可能性や、大規模な損害を出してしまうケースも考えられます。
また、コミュニケーションを取らないと、独りよがりになってしまい、業務の方向性のすり合わせができないという問題も、起きがちでしょう。例えば、あるIT系の会社で、「一人のエンジニアが、人と会話を拒んで、独自路線で仕事をしてしまい、チーム全員が困っている」という話を聞いたこともあります。
基本的に、会社で仕事をしている以上、何かしら人と関わる必要が出てきますよね。完全に自分一人で完結するという仕事は、少ないのではないでしょうか。そのため、職場でのコミュニケーションを取らないことは、多方面で悪影響になる可能性が高いと言えるでしょう。「必要以上に話さない」と「必要なことも話さない」は、大きな違いというのは、気を付けたいですね。
会話のない職場で楽しく過ごすには?
会話がなくてもストレスに感じない人もいる一方、「会話がないと職場が楽しくない」という人もいらっしゃるでしょう。では、このような人が、会話のない職場で楽しく過ごすには、どうしたら良いのでしょうか?
もちろん、自分から積極的に人に話しかけて、コミュニケーションを取っていく方法もありますよね。旅行先のお土産や、ちょっとしたお菓子を配るなど、会話のきっかけを作るという手もあるでしょう。
ただ、「私語厳禁」という雰囲気の職場では、必要以上に話していると、上司からの印象が悪くなることや、人事評価でマイナスになる可能性も。さらに、「静かに仕事をしたい」というタイプの同僚は、内心で「集中して仕事させて」と思っていることもあり得ます。このような環境で、無理に会話を楽しもうとすると、思わぬ地雷を踏むことも。これは避けたいですよね。
そんなときは、「仕事をゲーム化する」ことがおすすめです。例えば、「この仕事を昨日より3分早く、ミスなくやってみよう」など、自分でできる範囲のゴールを決めて、チャレンジするイメージですね。漫然とやっていると退屈な仕事でも、このように「チャレンジや達成感を味わう習慣を作るだけで、楽しさが増した」という声もよく耳にしますよ。
ここでのポイントは、あまり大きすぎる目標にせず、自分でひっそりと楽しめる目標にすること。会社から課されたノルマや目標だけでは、義務感が増してしまい、楽しさが半減してしまうということもあるかもしれません。また、プレッシャーを感じて、かえってストレスになる可能性も。
ゲームのように楽しむためには、「自分に任されている仕事の中で、自分で決めた、密かなゴール」にしておくのがおすすめです。また、この方法の良い点は、スキルアップにつながり、自分のキャリアにもプラスになるということ。
さらに長期的に見ると、こうして身に着けたスキルを活かして、気軽に会話がしやすい雰囲気の会社へ転職できる可能性も。今いる職場の方針に沿いつつ、自分も楽しく、キャリアにもプラスになるのであれば、好循環が生まれそうですよね。
最後に
この記事では、会話がない職場のストレスや、メリット、会話がない職場で楽しく過ごすための方法などを解説しました。「職場が静かすぎて息苦しい」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン