この記事のサマリー
・「勘案」は、いくつかの事情や条件を考え合わせ、判断に入れるときの文章語です。
・「考慮」は一つの材料でも使える一方、「勘案」は複数の材料を並べて判断に加えます。
・「検討」は調べて考える過程に重心があり、「勘案」は判断材料の扱いを示します。
ニュースやビジネスシーンで「勘案」という言葉を見聞きしますが、「なんとなく」の意味の把握で使っている人は意外と多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では「勘案」の意味をしっかり確認し、使い方と似た意味を持つ言葉との違いを確認していきましょう。
「勘案」とは?
まずは、意味から確認していきます。
読み方と意味
「勘案」の読み方は「かんあん」です。いくつかの事情や条件を並べて見て、考え合わせることを意味します。
辞書では次のように説明されていますよ。
かん‐あん【勘案】
[名](スル)あれこれと考え合わせること。勘考。「諸般の情勢を―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「今の支出状況を勘案して」のように、判断の材料が一つではなく、複数あるときに使われやすい言葉です。

「勘案」の使い方
次に、例文も交えながら、「勘案」の具体的な使い方について解説します。
「現在の課題を解決するためには、技術的な側面だけでなく、当事者の心情や将来の変化もしっかりと勘案する必要がある」
問題解決のために、技術的側面だけではなく、当事者の心情や将来の変化といった複数の要素も考え合わせる必要がある、という意味です。
「勘案」には、判断の材料を一つに絞らず、いくつかの事情をまとめて考えに入れるニュアンスがあります。
「引っ越しを考える際、居住環境や交通の便のよさだけでなく、将来の成長や近隣の雰囲気も勘案することが大事である」
この文は、居住環境や交通の便だけでなく、将来の見通しや近隣の雰囲気など、いくつかの要素を考え合わせることが大切だ、という意味です。

「今後のプロジェクトの継続については、諸般の事情を勘案させていただきます」
「勘案させていただきます」は、相手に敬意を示しながら、こちらが事情を考え合わせた上で判断することを伝える表現です。
「勘案」の言い換え表現
次に、「勘案」の類語についても見ていきましょう。
勘考
「勘考」は「かんこう」と読み、考えをめぐらすことを指します。「多くの要素を勘考して、意思決定する」のように、材料をいくつか並べて考える場面で使います。
例文:
・「あらゆる可能性を勘考して、最終的な決定を下す」
・「それぞれ語句を対比して、意味や由来を勘考する」
商量
「商量」は、色々と考えて推し量ることを意味します。
例文:
・「プロジェクトの将来性について、商量する必要がある」
・「作業の遅延や混乱について商量した結果、一旦休止することを決めた」
千思万考
「千思万考」は、あれこれ思い考えることを表します。
例文:
・「この危機的状況下、千思万考すれども、打開策はついに見つからなかった」
・「千思万考の末、その部門からの撤退を決定した」

「勘案」の英語表現
「勘案」の英語表現についても見ていきましょう。
consideration
“consideration” には、「考慮、検討、配慮」という意味があります。“after due consideration”(熟考の後で)、 “show consideration for A”(Aへの配慮を見せる)、“in consideration of A”(Aにかんがみて)、“take A into consideration”(Aを勘案する)のような形で使います。
例文:He shows no consideration for other people.
(彼は他人のことを勘案しない。)
contemplate
“contemplate”(熟考する)には、「熟考する」という意味があります。他に「練る、もくろむ」の意味もあります。
例文:
contemplate the present social situation in order to make a decision
(決定のために、今の社会情勢を勘案する)
「勘案」に関するFAQ
ここでは、「勘案」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「勘案」とは、結局どういう場面で使う言葉?
A. 判断材料が一つではなく、事情や条件がいくつかあるときに、その材料を考え合わせる意図で用います。
Q2. 「勘案」と「考慮」は、どう違うの?
A. 「考慮」は幅広く使えますが、「勘案」は複数の事情を並べて判断に入れる、という意味がよりはっきりします。
Q3. 「勘案」と「検討」は、入れ替えてもいい?
A. 入れ替えは慎重に。検討は調べて考える過程に重心があり、勘案は判断に入れる材料の扱いを示す点が異なります。
最後に
「勘案」とは、さまざまな要素について考えたり、多様な観点から物事を考えたりすることです。「勘考」「商量」といった類語もいろいろあることがわかりましたね。
この記事を一つの参考にしていただき、表現を広げるきっかけにしてもらえたらうれしいです。
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