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2023.12.10

一刀両断とは? 使い方や「刀」を使った言い換え表現、英語表現などを解説

「一刀両断」は、「一回刀を振り下ろしただけで、真っ二つに断ち切ること」。それから転じて、「すばやく、的確な処置をとること」です。ビジネスでは、すばやく的確な判断を下す時などに使われますね。本記事では、「一刀両断」の意味や使い方、類語、英語表現を解説します。

政治やビジネスの世界で時折使われる「一刀両断」という言葉。なんとなく意味はわかりますが、はっきり説明できない方もいらっしゃるかもしれませんね。「一刀両断」には、2つ意味があるのはご存知でしょうか。本記事では、「一刀両断」の意味や使い方、類語、英語表現を解説します。

一刀両断とはどんな意味?

「一刀両断」は、「いっとうりょうだん」と読みます。辞書には、どのように記載されているのかみていきましょう。

1 ひと太刀で、まっぷたつに断ち切ること。
2 すみやかに、はっきりとした処置をとること。「―の裁きを下す」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「一刀両断」は、「一回刀を振り下ろしただけで、真っ二つに断ち切ること」。そこから転じて、「すばやく、的確な処置をとること」として使われるようになりました。刀という言葉から、切れ味がよく尖ったイメージが伝わってきますね。主に、政治やビジネスの世界で使われることが多いようです。

侍
(c)Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「一刀両断」には、2つの意味があることをお伝えしました。ここでは、それぞれの使い方について詳しくみていきましょう。

1:侍は腕比べをするために、丸太を一刀両断した。

「一刀両断」の言葉通りの意味の例文です。一回刀を振り下ろしただけで、見事硬い丸太を真っ二つに切ってしまうことですね。無駄のない動きで確実に切り倒す姿から、その侍の能力の高さがうかがえます。

2:裁判官は、被告人に対して一刀両断の裁きを下した。

「一刀両断」とは、「すみやかに、はっきりとした処置をとること」。裁判官が、私情に流されず、的確な判決を下すときにも、「一刀両断」が用いられます。事件や重大なミスなどの問題に対して、正しい処置をとるときに使われることを覚えておきましょう。

3:企画会議では、その商品のコンセプトがなかなか決められずにいたのですが、部長の一刀両断によって、方向性が定まりました。

ビジネスシーンにおいて、ブレのない的確な判断が求められることは多いものです。さまざまな意見が出て混乱したとしても、決して本質を見逃さず、いつも冷静に処置ができる人は、社内で一目置かれますね。

プレゼン
(c)Adobe Stock

類語や言い換え表現は?

「一刀両断」の類語には、同じ「刀」を使った「快刀乱麻」「単刀直入」があります。意味もよく似ていますので、この機会に合わせて覚えてみてはいかがでしょうか?

1:快刀乱麻

「快刀乱麻」は、「かいとうらんま」と読みます。「快刀」とは、「よく切れる刀」。「乱麻」はもつれた麻のこと。「よく切れる刀で、もつれた麻を切る」という意味です。そこから転じて、もつれた事柄を、ものの見事に処理する例えとして使われるようになりました。複雑な問題でも、華麗に解決するようなさまがイメージできますね。「一刀両断」と同じように使うことができるでしょう。

(例文)
・誰もが解けない難題も、彼が扱うと快刀乱麻を断つように解決した。
・探偵は長年未解決だったその事件を最も簡単に解決した。快刀乱麻を断つとはこのことだ。

2:単刀直入

「単刀直入(たんとうちょくにゅう)」の意味は、以下の通りです。

[名・形動]《一人で刀を持って敵に切り込む意から》直接に要点を突くこと。遠回しでなく、すぐに本題に入ること。また、そのさま。「―な言い方」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

余計な前置きをせず、本題に入ることを「単刀直入」と言います。ビジネスシーンで、まず結論を述べるときに、「単刀直入に言うと」と言ったりしますよね。前置きが長かったり、難しい専門用語を使うと、かえって相手に伝わりにくいことはよくあります。誤解を生まないためにも、ビジネスシーンでは要件をシンプルに伝えると良いでしょう。

(例文)
・単刀直入にお伝えしてもよろしいでしょうか?
・単刀直入に言って、その判断は間違っていると思います。

3:迅速果断

「迅速果断(じんそくかだん)」とは、「思い切りよく、素早く物事を行なうこと」。納期などが定められていることが多いビジネスの現場では、すばやく的確な判断を下すことが求められます。決断力があり、なおかつ正しい判断を下すことができる人は、有能な人材であると言えるでしょう。

(例文)
・上司の迅速果断な決断力には敬意を示している。
・優柔不断なので、迅速果断に物事を行なうことができる人に憧れる。

パズルを持つ
(c)Adobe Stock

英語表現

「一刀両断」のニュアンスに近い表現をあげるとしたら、「drastic measures」となるでしょう。「drastic measures」には、「思い切った処置、抜本策、過激な手段」などの意味合いがあります。「一刀両断」にも、すみやかに処置をとることという意味があるので、同じような感覚で使うことが可能です。ビジネスで、思い切った判断を下す時などに使ってみたらいかがでしょうか?

(例文)
・The president took drastic measures to reduce the company’s deficit.(社長は会社の赤字削減のために、思い切った手段をとった)
・Prime Minister has come up with drastic measures to restore the economy.(首相は経済を回復させるために、抜本策を考えた)

最後に

「一刀両断」とは、「すみやかに、はっきりとした処置をとること」。無駄のない刀さばきから転じて生まれた四字熟語です。ビジネスシーンにおいては、ときに情に流されずに正しい判断を下す必要があります。問題がこじれてきた時ほど、物事の本質はなんなのか見極めて判断してみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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