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2024.07.06

「ボトルネック」とは? ビジネスでの使い方や問題点の解消法を解説

「ボトルネック」とは、ビンの首が狭いことから転じて、「物事の進行の妨げとなるもの」を指します。ビジネスシーンでは、業務工程において、効率・生産性が低い箇所を「ボトルネック」と呼ぶことが一般的ですね。本記事では、業界別の「ボトルネック」の意味や解消方法を解説します。

ビジネスシーンでたびたび耳にする「ボトルネック」。会議中に使うけれど、使い方が正しいのか不安という人もいるかもしれませんね。「ボトルネック」は、業界によって若干意味合いが異なる場合もあるため、それぞれの意味を把握しておくといいですよ。

本記事では、「ボトルネック」の意味や使い方、「ボトルネック」を解決する方法などを解説します。

「ボトルネック」の意味

まず、「ボトルネック」の意味を調べてみると、

《瓶の首が狭いところから》
1 物事の進行の妨げとなるもの。難関。隘路(あいろ)。ネック。
2 道路で、いつも混雑するところ。車線の減少箇所や開かずの踏切など。
3 コンピューターやネットワークの高速化などの性能向上を阻む要因。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

とあります。複数の意味がありますが、ビジネスシーンで使われるのは1番目の意味であることが多いですね。業務工程全体を見た時に、最も効率が悪かったり、生産性が低い部分のことを「ボトルネック」といいます。仕事の成果を上げる妨げとなっている要因とも捉えられますね。

英語では、「bottleneck」と書き、直訳すると「瓶の首」という意味になります。

大きな瓶であっても首の部分は細くしまっていることから、水が思うように出てこなかったり、時に詰まることもありますよね。一部分の故障がきっかけで、全体に支障をきたすということが、業務工程にも重なることからビジネスシーンでも用いられるようになったようです。

ボトルネック
(c) Adobe Stock

業界別の「ボトルネック」

「ボトルネック」は、ビジネスで成果を出すことを妨げる障害や問題点を指しています。ただし、業界によって使い方が若干異なるようです。例えば、製造業のおける「ボトルネック」とは、製造工程において生産効率が悪いこと。

「ボトルネック」があることで業務が滞り、納期が遅れたり、過剰に在庫を抱えるなどの悪影響を及ぼしていることもあるでしょう。

また、IT業界であれば、コンピューターの性能が低いことで、通信スピードが遅くなることや、システム処理の不具合の原因になっているものが「ボトルネック」と呼ばれます。ITの土台になる機材やシステムの能力低下により、全体のパフォーマンスが落ちていると考えられますね。

会話の中での「ボトルネック」の使い方

「ボトルネック」は、企画会議や生産現場、営業などあらゆる場面で使われます。ここでは、主なシチュエーションを例文でみていきましょう。

1:今回大幅に納期が遅れてしまったのは、人手不足がボトルネックだと考えられます。

工場など生産現場では、何かしらの問題が起こり、納期が遅れたり、生産数が足りなかったなどのミスが起こることがあります。人手不足が「ボトルネック」だと判明した際には、ITツールを活用したり、人員を増やすなどの対策をとりましょう。

2:開発中のシステムで、大きなボトルネックを発見しました。

ITの分野では、プログラミングをしている最中に、重要な問題点を見つけることもあるでしょう。問題が発覚したら、すみやかに上司や責任者に報告することが大切です。

3:新サービスを導入するにあたり、コスト面が一番のボトルネックだと考えています。

「ボトルネック」が明らかになっている場合は、上司に対してこの例文のように伝えることができるでしょう。何が新しいサービスを導入する妨げになっているのかを明確に提示してみてください。

(c) Adobe Stock

「ボトルネック」を解消するにはどうしたらいい?

どんな企業であっても、生産工程や業務システムなどに何かしらの欠点を抱えているものです。ビジネスシーンにおいて、「ボトルネック」を改善する方法として用いられるのが、TOC理論(Theory Of Constraints)という方法です。

TOC理論とは、「ボトルネック」となる部分を集中的に管理することで、業務のパフォーマンスを上げる方法のこと。やり方は5つのステップに分かれます。

1:「ボトルネック」を見つける

「ボトルネック」を解消するためには、事業全体や作業工程を見直して、どこが「ボトルネック」になっているのかを特定することから始めます。業務効率が落ちている要因が、「仕事量」なのか、「工程数が多い」ことなのか、それとも「人手不足」なのか。問題点を明らかにしていくことが必要です。

2:「ボトルネック」を活用する

「ボトルネック」を見つけると、すぐに問題を解決するために機材や人材に投資しがちですが、リスクが高いもの。まずは、今の設備や建物の立地、従業員などが持っている能力を最大限に生かすことにフォーカスを当てましょう。資金を投じるのは、その次です。

3:「ボトルネック」に合わせる

「ボトルネック」の活用法を把握した後は、「ボトルネック」以外の作業工程を効率化できないかを考えます。大きい事業であればあるほど、どうしてもすぐに改善できない「ボトルネック」が存在するものです。そのような問題点を解決するために、莫大な労力や資金を投入するよりも、他の作業工程の精度を高め、「ボトルネック」をカバーした方が効率がいい場合もあるでしょう。

4:「ボトルネック」を改善

「ボトルネック」に合わせて他の業務工程の精度を上げても、成果が得られないようであれば、「ボトルネック」を改善していきます。人手不足が原因であれば、優秀な人材を募集したり、業務システムを最新のものに変えるなどの投資をします。

5:「ボトルネック」の発見と改善を繰り返す

事業の問題点は一つだけとは限りません。一つ「ボトルネック」を解決したら、また別の「ボトルネック」が出てくるものです。その場合は、再び1の工程から4の改善までの工程を繰り返していきます。「ボトルネック」を一つずつ解消していくことで、業務全体のクオリティが上がり、より良い成果につながるでしょう。

矢印
(c) Adobe Stock

最後に

どんな仕事にも、業務の生産性を欠いている箇所や問題点が隠されているもの。納期遅れやシステム障害など何らかのミスが起きた場合には、「ボトルネック」を明らかにし、本記事で紹介した例文を参考に報告をしてみてください。「ボトルネック」の発見と改善を繰り返して、仕事のクオリティを上げられるといいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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