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2024.06.30

業種によって変わる「ポートフォリオ」の意味|作品集の作り方を解説

「ポートフォリオ」といえば、作品集という意味をイメージする人が多いかもしれませんが、他にも複数の意味があります。金融関係や教育の分野でも用いられるので、それぞれの意味をチェックしていきましょう。「ポートフォリオ」(作品集)の作り方も合わせて紹介します。

「ポートフォリオ」と聞くと、デザイナーや写真家などクリエイティブな仕事をしている人が持っている作品集、というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか? しかし、本来の「ポートフォリオ」にはさまざまな意味があり、他の業界でも使われています。会話の中で出てきた時に、意味を勘違いしないためにも、各分野の「ポートフォリオ」の意味を覚えてくださいね。

「ポートフォリオ」の意味

そもそも「ポートフォリオ(portfolio)」にはどんな意味があるのか、辞書で確認してみると、

1 紙挟み。折りかばん。
2 金融機関・機関投資家などが所有する各種の金融資産の一覧表。資産構成。
3 安全性や収益性を考えた、有利な分散投資の組み合わせ。資産構成。ポートフォリオセレクション。→ポートフォリオインシュアランス
4 作品集。画集。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

とあります。本来は、書類を入れるためのケースのことを「ポートフォリオ」と呼んでいましたが、そこから派生して、金融資産の一覧表や作品集という意味として用いられるようになったようです。

営業で使う場合には、クライアントによって、作品や資料を替えたり、新たな業績が増えたら内容をアップデートするなど、常に中身を入れ替える必要があります。

(c) Adobe Stock

業界別の「ポートフォリオ」の使い方

ここからは、具体的に各業界ごとの「ポートフォリオ」の意味と使い方を紹介します。

1:金融業界の「ポートフォリオ」

金融や投資信託の「ポートフォリオ」とは、投資家が保有している金融商品の一覧や、その組み合わせのこと。投資の場合、特定の金融商品だけに資産を投資していると、大きな市場変動があった場合、その投資資産を失ってしまうなどのリスクがあります。

そのリスクを分散するために、さまざまな金融商品を組み合わせて資産も分散することが、金融に関する「ポートフォリオ」の基本的な考え方になります。

2:クリエイティブ業界の「ポートフォリオ」

クリエイターが自分の実績や作品、仕事内容などをまとめた資料のことを「ポートフォリオ」と呼びます。転職先や取引先に、自分の過去の実績や作風などを理解してもらうために必要なものです。Webデザイナーであれば、クライアントから依頼されたHPのデザイン、イラストレーターであれば、自分が描いた本の挿絵やパンフレットのイラストなどをメインにまとめていきます。

フリーランスのデザイナーが自分の営業資料として作成するものもあれば、デザイン会社が会社案内の資料の一つとして作成するなど、いろいろなタイプがあるでしょう。

3:教育分野の「ポートフォリオ」

教育分野での「ポートフォリオ」は、生徒のテスト用紙や部活動などの活動内容、レポートをまとめたもの。テストの点数だけでなく、スポーツや音楽活動などでの生徒の個性や才能、性格の特徴などを総合的に評価するために用いられます。これまでは、教師が生徒を一方的に評価する通信簿のようなシステムが一般的でしたが、教師と生徒が共に自己評価をしながらステップアップしていくという手法も取り入れられてきています。

近年では、学校教育だけではなく、自己啓発セミナーなどでも活用されているようですよ。

「ポートフォリオ」の作り方

Webデザイナーやグラフィックデザイナーなど、自分の仕事の実績をまとめた「ポートフォリオ」を作りたいと考えている人も多いはず。よりクオリティの高い「ポートフォリオ」を作成して、新しいビジネスチャンスにつなげていきたいですよね。「ポートフォリオ」を作成する際に押さえておきたいポイントをまとめました。

(c) Adobe Stock

基本的な内容

「ポートフォリオ」をみることで、企業側はその人の仕事の経歴やスキル、作品の世界観などを把握します。「我が社にとって役にたつ人物なのか」「自社のコンセプトや世界観とマッチしているか?」などの視点を持って採用するか判断するため、それに合わせた構成づくりを意識してみましょう。

・目次… 欲しい資料がどこにあるのか、一目でわかるように目次をつけておきましょう。
・自己紹介… 氏名・年齢・生年月日・顔写真。その他、SNSやWebサイト。仕事の実績や受賞歴などのアピールポイントも記載します。
・スキル… デザイン関連であれば、lllustratorやphotoshopなどの使用ソフト、英語などの言語スキル、その他、クライアントが求めるスキルを持っている場合、それも併せて記載します。

・将来のビジョン… 転職や就職に利用する際は、企業に就職してどんな仕事に携わりたいか、自分のスキルを利用してどう貢献したいかなどを書きます。

・作品… イラストの作品に加えて、コンセプトやクライアントの要望、使用したツールや作成したことでの成果などを記載します。一目でわかるように簡潔に書きましょう。

魅力的な「ポートフォリオ」にするには?

基本的な内容に加え、よりクオリティの高い「ポートフォリオ」にするポイントも押さえておきましょう。

(c) Adobe Stock

1:課題解決力をアピール

「ポートフォリオ」というと、デザインスキルを見せることに集中してしまいがちですが、「課題解決力」を伝えることも大切です。クライアントの抱えている問題を、自分の持っているスキルでどのように解決したのかが、視覚的に理解できる表などを作るとわかりやすいですね。

例えば、企業の商品のパッケージデザインを担当し、デザインを変える前と後で売り上げがどのくらい変わったのか、ブランドイメージがどのように変わったのかを簡潔にまとめてみましょう。

2:相手からの質問をイメージする

面接時には、担当者から作品やこれまでの経験について質問をされるもの。作品のコンセプトやどういう意図でこのようなデザインを制作したのかなど、さまざま角度から聞かれることを想定して、「ポートフォリオ」を作成するといいですね。あらかじめ質問されそうなことを考えて、それの答えとしての資料も併せて準備しておくと役立つでしょう。

最後に

「ポートフォリオ」には、業種によってさまざまな意味や使い方があることがわかりましたね。各分野の意味を理解しておくことで異業種の人と会話をする際にも役立つでしょう。クライアントの要望に合わせた「ポートフォリオ」を作成して、新しい仕事につながるといいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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