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女性に多いあの姿勢。ストレッチローラーの上に仰向けは…要注意!
女性に多く見られる姿勢のひとつに、「反り腰」があります。本来であれば緩やかにS字カーブを描いている背骨が、骨盤が前に傾くことで反りかえってしまった姿勢が反り腰です。
反り腰の姿勢で過ごしていると腰に大きな負担がかかるため、腰痛を引き起こす原因にもなります。
そこで気をつけたいのが、腰の痛みを和らげたり、改善したりするのに役立つストレッチローラー(ストレッチポール)の使い方。
仰向けはダメ? 腰が余計に痛くなる使い方とは
「腰が痛いから、ストレッチローラーでほぐそう」と思ったとき、反り腰の方は、使い方に注意が必要です。
腰痛の予防・対策のためのポイントとして、痛くなる方向に動かさないことが大切です。例えば、仰向けの姿勢で腰の下にストレッチローラーを置く使い方をすると…。
「腰痛に効く!」と思われがちなこの使い方ですが、腰が大きく反って痛みを悪化させる恐れがあるので、反り腰の方にはあまりおすすめできません。
反り腰さんがストレッチローラーを使うなら:横向き編
ここからは、反り腰の方がストレッチローラーを使うときの例を挙げていきます。まずは、横向きの姿勢で使う方法です。
STEP 1:ストレッチローラーを横向きにセット。右体側を下にして横向きになる。
▲ストレッチローラーが、お腹の右側にあたるように姿勢を整えましょう。右ひじを床について体を支える&ひざを軽く曲げると、グラグラせず安定します。
肋骨の位置でストレッチローラーに体重をかけるのはNG! 強い痛みを感じたり、怪我をしたりする恐れがあるので気をつけましょう。
STEP 2:両ひざを床から持ち上げる→下ろす動きを繰り返す。
▲ひざを上げ下げしつつ、ストレッチローラーの上で腰をツイストする動きを繰り返します。体の向きを変えて、反対側も同様におこないましょう。〈回数:各10~20回〉
腰をやや丸めた姿勢で、背骨の横あたりまで刺激すると〇。ただし、長時間同じ部位に使い続けると体の重さによって筋肉を痛めてしまうことがあるので、1パーツにつき20~30秒を目安にし、痛いところばかりに集中して使わないようにしましょう。
反り腰さんがストレッチローラーを使うなら:うつ伏せ編
次はうつ伏せになり、前ももの筋肉をほぐす方法です。
腰痛解消なのに、なぜ前もも? それは、反り腰の姿勢で骨盤が前傾していると、前ももの筋肉に力が入りやすくなるから。前ももの筋肉が緊張していると骨盤が前に引っ張られるため、反り腰の悪循環に陥ってしまう恐れがあるのです。
「前ももの筋肉をほぐす=反り腰の改善にもつながる」ストレッチローラーの使い方は、次のとおり。
ストレッチローラーを横向きにセット。その上にうつ伏せになる。
▲ストレッチローラーの上に左右どちらかの前ももを乗せて、姿勢を整えます。ひじを床につき、つま先を立てたら体を前後に動かしましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:10~20回〉
痛みが強い場合、体重のかけ具合を調整しましょう。ひじを伸ばして手のひらを床につくか、下の写真のように片方のひざを曲げて外に開いた姿勢でおこなってもOK。
▲つま先で床を押し、前後に10~20回転がします。反対側も同様におこないましょう。
初めてのストレッチローラー:選び方のコツ
ストレッチローラーを初めて使う方や、あまり使い慣れていない方は、転がしている最中に強い痛み・刺激を感じることがあるかもしれません。
「ソフトな使用感のストレッチローラーが欲しい!」という方は、以下のポイントを参考にしてみてください。
・凹凸があまりない、表面がなめらかなタイプ
・指で押したときに凹むくらいのクッション性があるタイプ
・サイズの目安:直径15cm、幅30cmほどの転がしやすいタイプ
次は、ストレッチローラーを使わない「腰のストレッチ」のやり方を紹介します。
腰を伸ばすストレッチ:やり方
STEP 1:仰向けになる。
▲脚は腰幅程度に開き、腕は脇の下に卵1個分のスペースを開けます。
STEP 2:ひざを立てる。
▲お尻を脚のほうへ押し下げると、腰が床から浮きにくくなってgood! かかとの上にひざがくるように、姿勢を整えましょう。
STEP 3:両腕を頭の先に伸ばす。
▲吸う息に合わせて両腕を天井方向に持ち上げたら、吐く息で頭の先に伸ばします。両腕は顔を挟むように閉じて、手のひらは天井に向けましょう。
手の指先を遠くに引っ張る意識で、腰を心地よく伸ばします。〈回数:5呼吸〉
腰とつながる股関節をほぐすストレッチ:やり方
STEP 1:仰向けになる。
▲両脚を揃え、腕は体側から離しておきます。
STEP 2:ひざを立てる。
▲ここでも、かかとの上にひざがくるように姿勢を整えましょう。
STEP 3:ひざを外に倒す。
▲足の裏同士をつけたまま、脚がひし形になるように姿勢を整えます。無理のない範囲でかかとを恥骨に引き寄せたら、腰を床につけることを意識しましょう。〈回数:5呼吸〉
腰とつながる股関節周辺の筋肉をほぐすことでも、腰痛予防・対策に効果を期待できます。
以上、反り腰さんにおすすめのストレッチローラーの使い方と、道具を使わずにできるストレッチのやり方をご紹介しました。
ぜひ、参考にしてみてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。