この記事のサマリー
・「唯唯諾諾」は、少しも逆らわず他人の言うまま従ってしまう状態を表す四字熟語です。
・命令・要求に対し、自分の考えを差しはさまず受け入れて従う態度を表します。
・類語は「盲従」「言いなり」などで、主義なく賛成するなら「付和雷同」が近いです。
人の言葉にうなずきながら、静かに従う様子を表す「唯唯諾諾」といいます。少し難しい響きですが、日常の中にもふと重なる場面があるかもしれません。相手を立てる気持ちにも、自分の本音を抑える切なさにも通じるこの言葉。
どんな意味を持ち、どんな気持ちを映すのか、ひもといてみましょう。
「唯唯諾諾」の意味
相手の言うことに少しも逆らわず、言うとおりに従うさまを「唯唯諾諾(いいだくだく)」といいます。「命令に唯唯諾諾として従う」のように、相手に異を唱えず受け入れている状態を表す言葉です。
辞書では次のように説明されていますよ。
いい‐だくだく〔ヰヰ‐〕【唯唯諾諾】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[ト・タル][文][形動タリ]少しも逆らわずに他人の言いなりになるさま。「―として命令に服している」
なお、多くの場合、「唯々諾々」の形で使うことが多いでしょう。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)

使い方を例文でチェック!
職場の上司や、両親など自分よりも目上の人物の言ったことに対して「はいはい」と従ってしまう時に、「唯唯諾諾」が使われます。主な例を3つ見ていきましょう。
彼は部長の命令に、唯唯諾諾として従った。
「唯唯諾諾」は、「唯唯諾諾として〇〇した」という形で用いられるのが一般的です。会社など上下関係がある場面で、自分の意見を差しはさまず、相手の言うとおりに従っている様子を表すときに使われます。
会議での彼の態度は唯唯諾諾であり、何も考えていないように見えた。
自分の意見を伝える場で、はっきりとした主張をせず、周りの意見をそのまま受け入れているように見えたのでしょう。「唯唯諾諾」は、相手に逆らわず同意している様子を表し、会議の場面では「自分の考えが見えにくい」と受け取られることもあります。
少女時代、私は両親が言ったことに唯唯諾諾として従っていた。
家庭の中では、両親の言うことに逆らえず、言われるまま従う場合もあるでしょう。この文の「唯唯諾諾」は、「少しも逆らわずに言いなりになるさま」という意味合いを端的に表しています。

類語や言い換え表現は?
「唯唯諾諾」の類語には、「付和雷同」や「言いなり」「盲従」などがあります。意味や例文を紹介していきましょう。
付和雷同
「付和雷同」の読み方は「ふわらいどう」。意味を見ていきましょう。
ふわ‐らいどう【付和雷同】
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
[名](スル)一定の主義・主張がなく、安易に他の説に賛成すること。「多数派に―する」
[補説]「不和雷同」と書くのは誤り。
自分のしっかりとした考えがなく、ただやたらに他人の説に賛成してしまうことを「付和雷同」と表現します。きちんとした理由があって相手の意見に賛成しているというよりは、相手の意見にただ同調しているといった場合に用いられることがポイントです。
(例文)
・気の弱い兄は、多数派に付和雷同する癖がある。
・あの人は付和雷同するばかりで、自分の意見を言わない。
言いなり
相手の言うことに従うことを「言いなり」といいます。「親の言いなりになる」というように、自分の考えは持っていても、相手の方が優位にあるので、従わざる得ない時に使われる傾向がありますね。
(例文)
・彼は結婚してからというもの、恐妻の言いなりだ。
・「どうしてお母さんはお父さんの言いなりなの?」と娘は言った。
盲従
「盲従(もうじゅう)」とはどのような意味でしょうか?
もう‐じゅう〔マウ‐〕【盲従】
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
[名](スル)分別なくひたすら人の言うままになること。「権威に―する」
自分の頭で善悪の判断をせず、分別なく人の言うままになることを「盲従」といいます。「唯唯諾諾」と同様に、相手の言い分をそのまま受け入れて従う様子を表します。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
(例文)
・高橋さんは、A議員の意見に盲従する傾向がある。
・権威に盲従することなく、自分の頭で考えたい。

対義語は?
「唯唯諾諾」と反対の意味を持つ言葉として、「不承不承(ふしょうぶしょう)」「是是非非(ぜぜひひ)」が挙げられます。
「不承不承」は、気が進まないままにするさま、いやいや、しぶしぶという意味です。
「是是非非」は、いいことはいい、悪いことは悪いと公平な立場で判断することを指します。
どちらも「少しも逆らわずに言いなりになる」態度とは対照的な言葉として挙げられますね。
(例文)
・休日出勤することを、不承不承承諾した。
・弁護士である彼女は公平性を重視する、是是非非主義である。
「唯唯諾諾」に関するFAQ
ここでは、「唯唯諾諾」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「唯唯諾諾」とは、ひと言でどういう意味?
A. 相手に少しも逆らわず、言われるまま従うさまを表します。
Q2. どんな文型で使うと自然?
A. 「命令に唯唯諾諾として従う」のように、相手の働きかけ(命令・要求・指示)と結び付けると意味が伝わりやすいです。
Q3. 「付和雷同」との違いは?
A. 「付和雷同」は一定の主義・主張がなく、安易に他の説に賛成することに焦点が当たっています。一方「唯唯諾諾」は、相手に逆らわず従う態度そのものに焦点が当たっているといえます。
最後に
「唯唯諾諾」は、「少しも逆らわずに他人の言いなりになるさま」を表します。目上の人との付き合いで、「唯唯諾諾」な態度をとってしまう人も多いでしょう。
ただ、会議などの自分の意見を述べる場でも、このような態度をとっていると、積極性がない、自分の意見を持っていないなどと捉えられてしまう可能性も。伝えるべき時にしっかりと主張することで、あなたの評価もよくなるはずですよ。
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