この記事のサマリー
・「清濁併せ呑む」は、善悪の両面を分け隔てなく受け入れる度量の大きさを表す言葉です。
・「清濁併せ呑む」は、何でも許す意味ではなく、物事の両面を理解して受け止める表現です。
・類語には「懐が深い」「寛大」などがあります。
「〇〇さんは清濁併せ呑む人だ」と聞くと、どのような人物をイメージしますか? 「清濁併せ呑む」は主に、リーダーなど人の上に立つ人に対して使われることの多い言葉です。ビジネスシーンでは褒め言葉として使われることもあるため、意味を押さえておくと役立つでしょう。
本記事では、「清濁併せ呑む」の意味や使い方、類語・対義語を解説します。
「清濁併せ呑む」は?
まずは、読み方と意味から確認していきましょう。
読み方と意味
「清濁併せ呑む」は、「せいだくあわせのむ」と読みます。「清濁併せ呑む」とは、良い面も好ましくない面も含めて受け止める、度量の大きさを表す言葉です。
辞書では次のように説明されていますよ。
清濁(せいだく)併(あわ)せ呑(の)む
心が広く、善でも悪でも分け隔てなく受け入れる。度量の大きいことのたとえ。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
単に「何でも許す」「善悪の区別をしない」という意味ではなく、善悪の両面を踏まえた上で、分け隔てなく受け入れる包容力を表します。

使い方を例文でチェック!
「清濁併せ呑む」は、良い面も好ましくない面も含めて受け止める度量を表す言葉です。会話の中でどのように使うのか、例文を見ながら確認していきましょう。
社長はまさに、清濁併せ呑む人ですね。
「清濁併せ呑む」は、相手の良い面だけでなく、未熟な面や扱いにくい面も含めて受け止める懐の深さを表す表現です。リーダーや管理職について使われることが多いですが、それらの立場の人だけに限って使う言葉ではありません。
人には良い面もあれば、好ましくない面もありますね。そうした両面を踏まえた上で、一面的に切り捨てずに受け止める人物に対して、「清濁併せ呑む人」と表現できます。
私も上司のように清濁併せ呑む人でありたい。
目上の人の公平な態度を見て、「私もそのような人になりたい」と憧れることはありませんか? 人は、自分と違う考えや価値観を持っている人のことを否定してしまうことも少なくありません。
そんな中、偏見を持たず、自分と異なる考えを持つ人を受け入れられる人は、貴重な存在だといえるでしょう。好き嫌いで判断せず、まずは受け入れてみる姿勢も必要なのかもしれませんね。

類語や言い換え表現は?
「清濁併せ呑む」のように、「良いものも悪いものも受け入れる」ことを意味する言葉には、「来る者拒まず去るもの追わず」「懐が深い」などが挙げられます。それぞれの使い方を例文でチェックしてみてください。
来る者拒まず去るもの追わず
「来る者拒まず」とは、「こちらにやって来る相手は、誰であっても受け入れること」。どんな肩書きや立場の人間でも、拒否するのではなく受け入れる度量の大きさを表します。主に、人間関係における付き合い方を表した言葉だといえるでしょう。
(例文)
・「来る者拒まず去る者追わず」というように、彼は人間関係に執着しない性格のようだ。
・彼女は「来る者拒まず去る者追わず」の姿勢で、多くの人と自然に付き合っている。
懐が深い
「懐が深い」は、包容力があって人を広く受け止めることを表すため、「清濁併せ呑む」に近い言い換えとして使いやすい表現です。
(例文)
・Aさんは懐が深く、どんなに忙しい時でも私の相談にのってくれました。
・失敗した部下を頭ごなしに責めないところに、部長の懐の深さが表れている。
酸いも甘いも噛み分ける
「酸いも甘いも噛み分ける」は、人生経験が豊かで、人情や世間の機微によく通じていることを表す言葉です。「清濁併せ呑む」と完全な同義ではありませんが、現実の複雑さを理解しているという点で通じる部分があります。
(例文)
・祖母は酸いも甘いも噛み分けた人で、相談するといつも的確な言葉を返してくれる。
・彼は酸いも甘いも噛み分けているからこそ、物事を一面的に見ない。

対義語はあるの?
「清濁併せ呑む」には、ぴったり対応する一語の対義語があるとは言いにくいものの、対照的な考え方を示す表現としては、「勧善懲悪(かんぜんちょうあく)」「是是非非(ぜぜひひ)」「峻別(しゅんべつ)」「白黒をつける」などが挙げられます。
「勧善懲悪」は、良いことを勧め、悪を懲らしめるという考え方です。善悪を分けて判断する点で、「善でも悪でも分け隔てなく受け入れる」という「清濁併せ呑む」とは対照的な発想だといえるでしょう。
また、「是是非非」は、「良いことは良い、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること」を意味します。
さらに、「峻別」は厳しくはっきり区別すること、「白黒をつける」は是非・善悪・真偽などを決めることを表します。これらは、善悪や是非を分けて判断する点で、「清濁併せ呑む」と反対方向の表現だといえます。
「清濁併せ呑む」に関するFAQ
ここでは、「清濁併せ呑む」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「清濁併せ呑む」とはどういう意味ですか?
A. 良い面も好ましくない面も含めて分け隔てなく受け入れる、度量の大きさを表す言葉です。
Q2. 「清濁併せ呑む」は褒め言葉ですか?
A. 基本的には、包容力や器の大きさを評価する文脈で使われることが多く、褒め言葉として用いられます。
Q3. 「清濁併せ呑む」はビジネスでどう使いますか?
A. 立場や意見の違う相手にも一面的な判断をせず、広く受け止められる人物を表すときに使えます。
最後に
「清濁併せ呑む」は、良い面だけでなく、好ましくない面も含めて受け止める度量の大きさを表す言葉です。何でも許すこととも、善悪の判断をやめることとも違い、物事の両面を見つめる落ち着いた姿勢がにじむ表現といえるでしょう。意味や使い方を押さえておくと、日常でも使いやすいですね。
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