目次Contents
改めて「インスタ映え」って何?
今では誰もが知っている「インスタ映え」という言葉。みなさんも一度は聞いたこと、使ったことがあるのではないでしょうか? 2017年には、ユーキャン新語・流行語大賞を受賞した言葉です。
「インスタ映え」を重視する人が増え続けた結果、今では写真を撮る行為そのものが日常の1シーンとしてすっかり溶け込みました。一方「写真映え」を重視するあまり、SNS疲れや写真疲れ、インスタ離れなどの現象が起こったり、撮影した写真が現像するまでどうなっているかわからない、富士フイルムのレンズ付きフィルム「写ルンです」が流行ったりと、Instagramで映える写真に対して、さまざまなアクションが生まれています。
本記事では改めて「インスタ映え」の正しい意味、そして「インスタ映え」する写真の特徴や、写真の撮り方を解説します。
◆インスタ映えの意味について
「インスタ映え」とは「インスタグラムに写真を投稿した際に、見栄えが良く、写真が映える」という意味です。
フォトジェニック(写真写りが良い、写真が映える)だけを意味して使われることもあれば、写真そのものだけではなく、「高級なレストランに行った」、「素敵なパーティーに招待された」など、背景をひっくるめたすべてを「インスタ映え」と呼ぶこともあります。
また「インスタ映え」ではなく「88(映え)」と省略して書き表すことも。インスタグラムで「88」という数字を見かけたら、それは「インスタ映え」という意味。知らなかった方は、この機会に覚えておくと良いですね。
◆インスタ映えと似た意味の「フォトジェニック」とは
前述しましたが、「フォトジェニック」とは「写真映えする」という意味です。日本では「インスタ映え」と、ほぼ同じ意味として使われています。
しかし、海外では少し意味や使い方が異なるようです。日本では、主に「人」や「景色」、「飲食物」など「写真写りが良く、写真が映えている」場合に多く使われますが、海外では端正な顔立ちや筋肉質な体など、写真写りの良い「人」に対してのみ使われます。
◆インスタ映えの目的とは
そもそもの「インスタ映え」の目的は、インスタグラム上で自分の写真に注目を集めて、「いいね」の数を増やしたり、フォロワーを増やすこと。より多くの人に写真を気に入ってもらい、インスタグラム上で自身の人気を博すために、若者たちは必死になって「インスタ映え」を狙っているのです。
最近では、インスタグラム上で注目を集めたスポットに多くの若者が集まり、「インスタ映え」するために色々な工夫をして写真を撮影しています。「人気のスポット」で撮影した写真であることが「インスタ映え」に繫がり、より多くの人に自分の写真を見てもらえるチャンスとなるからです。
◆インスタ映えからビジネスにもなり得る
少し前は、インスタグラム上で積極的に発信している人を「インスタグラマー」と呼んでいました。しかし、最近では「フォロワー数が多い人」は「インフルエンサー」と呼ばれ、その中から芸能人や実業家になる人や、大企業のプロモーションを請け負うような人も出てきていますよね。
フォロワーが多いということは、大きな影響力があるということ。ですから、たくさんの企業が「インフルエンサー」に注目をしています。小学生や中学生などでも、いきなり芸能人になれるなんてことも起こりうる世界。また、インフルエンサーの活動はInstagramに止まらず、YouTubeやTikTok、Weibo、小红书、SHOWROOM、ポコチャなど、動画や音声を活用した世界中のサービスに広まっています。Instagramだけで使われるインスタグラマーという言葉が廃れたのも納得です。
インスタ映えする撮り方とは
それでは、「インスタ映え」するための写真の撮り方・ポイントを分かりやすく解説します。以下を参考に、ぜひ、「インスタ映え」する写真を撮影してみてくださいね。
可愛いカラフル
まずは、誰もが目を引くカラフルさは、とても重要です! インスタグラム上の多くの写真の中でも、パッと目を引くような彩度の高いものは「インスタ映え」するために欠かせないポイント。多くの色を用いたカラフルな写真は、SNS上での反響が大きい傾向があります。
おしゃれな雑誌風
誰もが一度は憧れる「モデル」という職業。多くの人がモデルになりきり「おしゃれ感」を意識して写真撮影を楽しんでいます。雑誌の中の1ページかのような写真は、誰もが憧れて当然ですよね。
やはり、そういった「おしゃれな雑誌風」写真は注目されやすく、ファンもつきやすいです。最近では、オリジナルの洋服のブランドを立ち上げて「インスタ映え」することで上手に宣伝し、セールスを伸ばしている人たちが増えています。
非日常感
非日常的で普段目にしている光景とかけ離れたものは、自然と注目を集めるようです。日本にいながらも、海外にいるような写真や、綺麗なリゾート地の写真は、見ている人たちの興味をそそります。
「そこどこ?」、「行ってみたい」などのコメントが多く寄せられ、たくさんの人が思わず「いいね」したくなるようです。
意外性
見ている人を驚かすような意外性のある写真は、やはり話題を呼びます。一般的に世間で浸透しているイメージに対して、大きく異なっているものなどは反響が大きいもの。
例えば、「真っ赤な海」の写真や、「女性のような綺麗な顔をした男性」の写真などは意外性が高いため世界的に注目を浴びます。また、「デカ盛り」グルメなども同じく、「凄い」、「食べきれるの?」などのコメントが多く寄せられ、人気の写真となる傾向があるようです。
インスタ映えの正しい例文
「インスタ映え」という言葉の意味は理解していても、正しい使い方を知らないと恥ずかしい思いをしてしまうかも。そうならないためにも「インスタ映え」の正しい使い方、またNGな使い方を例文をご紹介します。
「すごいインスタ映えする写真が撮れた」
これは、「インスタ映え」を気にする若者たちの間で、よく使われます。同じ「インスタ映えする」というフレーズを使えば「インスタ映えする写真を撮りたい」や、「あのスポットはインスタ映えするらしい」など、色々な言い回しが出来ますね。
「あの人気モデルの写真は、いつもインスタ映えがすごい」
いつもインスタ映えするモデルの写真を見て一言。最近では省略して「映えがすごい」や、ただ単に「映え」、「88」と表現されることも多いようです。知らないと「何のこと?」となってしまいそうですね。これを期に覚えておくと良いですよ。
インスタ映えのNG例文
「インスタ映えが出来た」
「インスタ映え」とは、「インスタグラムに写真を投稿した際に、見栄えが良く、写真が映えている」という意味ですから、「インスタ映えが出来た」という使い方は間違っています。正しくは「インスタ映えする」、「インスタ映えしている」ですね。
「インスタ映えがない」
「インスタ映え」は、写真の投稿自体そのものを指す言葉ですから、「インスタ映えがない」という使い方は間違い。「インスタ映えしていない」、「インスタ映えしない」が正解です。
流行語大賞も取った「インスタ映え」はもう古いという説も?
ここまで「インスタ映え」について解説してきましたが、「インスタ映えはもう古い」状況になっているのが2024年現在。今の時代、流行は目まぐるしく変わっていきます。若者は常に新しいものを追い続けますから、少し前まで流行っていたものも、今では時代遅れなんてこともあり得るのです。
「インスタ映え」が飽きられてきた背景には、スマートフォンや無線回線の技術の進歩により、写真から動画やライブ、音声メッセージへとSNS内での表現手段の主流が移り変わったことにあります。映えることよりも、音楽に合わせて躍るなど動きの面白さや編集技術に注目が集まり、1枚写真の映えを追求することは、時代遅れ感が出てきました。また、Instagramを展開するMETA社が、写真より動画を重視する施策を続けたことで、フォロワー数を増加させるには動画、という認識が一般に広まったのも、その原因の一つです。
加えて「写真映え」を意識することに疲れた人が増えたことも、その原因。それもそのはず、毎日の日常の中で「インスタ映え」を意識して過ごすことは、かなり難しいですよね。家で1日中ゆっくり過ごしたい日もあれば、スッピンでちょっとした買い物へ行く日もあるでしょう。
「映える」から「自然体」へ。簡単にいうと、「インスタ映え」は「色々と試行錯誤されて作り込まれたキメキメな写真」ですが、今人気となっているのは「ナチュラルで自然体な写真」や「面白さやスピード感のある動画」。
写真に関していうと、頑張っている感じがしないナチュラルな写真が支持されています。とはいえ、スッピンでパジャマの写真という意味ではなく、「自分らしく笑っている写真」や、「ふとした瞬間をおさえた写真」などが人気に。ちょっとレトロな雰囲気で生っぽい写真が撮れる「写ルンです」が流行るのも、こうした理由に関係していそう。結局、飾らないのが一番ということですね。
最後に
「インスタ映え」の正しい意味や移り変わりについて、いかがでしたでしょうか?
「インスタ映え」や「面白い動画」を意識するあまり、公共の場での撮影マナー違反も増えている昨今。時代の流れとともに、新しい技術や流行が出てくるのは良いことですが、アカウント内の自分の評価ばかりを気にして、大切なことを見失わないようにしたいですね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com