この記事のサマリー
・「お茶を濁す」とは、はっきり言わずにその場をごまかすことを意味します。
・「茶を濁す」ともいいますよ。
・英語表現にするときは、“get by …”(…で切り抜ける)などが使えます。
答えづらい質問をされたとき、何となくごまかしてしまうことってありますよね。そうした対応を「お茶を濁す」といいますが、具体的にはどのような意味があるのでしょう?
この記事では、「お茶を濁す」の意味と使い方、類語、英語表現を確認していきます。
「お茶を濁す」とは?
まずは意味から見ていきましょう。
意味
本人にとって都合が悪い状況になった時、冗談を言ったりして適当にその場を取り繕うことを「お茶を濁す」といいます。
「お」を取って「茶を濁す」ということもありますよ。意味は同じです。
辞書では次のように説明されています。
御茶(おちゃ)を濁(にご)・す
いいかげんに言ったりしたりしてその場をごまかす。「冗談を言って―・す」
引用」:『デジタル大辞泉』(小学館)

使い方を例文でチェック!
「お茶を濁す」はどのようなシチュエーションで使われるのか、例文とともに確認していきましょう。
彼は肝心なことになると、いつもお茶を濁すのよね。
恋愛の話をしている時に、友人からふとこんな一言が漏れることも。「いつ結婚する?」などと話題を持ちかけても、いつも彼にはぐらかされてしまう… ということを「お茶を濁される」と表現します。本当に結婚する気があるのか本心を知りたいところですね。

いきなり子供から「サンタさんはいるの?」と聞かれ、ついお茶を濁してしまった。
子供からの純粋な質問に対して、つい困ってしまった! という経験のある人も多いのでは? どう伝えたらいいのか分からずに、とりあえず適当な返事をしてしまうこともあるかもしれません。
これ以上質問をされたくない時に、あいまいな態度をとってお茶を濁す場合もあるでしょう。
部長とゴルフに行った時に、「俺の腕前はどうだ?」と聞かれたので、本音は言わずお茶を濁しておいた。
目上の人から感想を求められて、答えに窮してしまった場面です。本音では「そこまで大した腕前ではないな…」と思ってはいても、そのまま伝えては失礼に当たるもの。あえて、白黒つけずに言葉を濁すことで、周りと良好な関係を維持することができるでしょう。
謙虚さや協調性が重視される傾向のある、日本ならではの表現だといえますね。
類語や言い換え表現は?
「お茶を濁す」と似た意味を持つ言葉には、「朝三暮四」「一杯食わす」「ごまかす」などが挙げられます。どのような意味を持つのか一緒にチェックしていきましょう。
朝三暮四
「朝三暮四」は、「ちょうさんぼし」と読みます。意味を辞書で確認してみましょう。
ちょうさん‐ぼし〔テウサン‐〕【朝三暮四】
《中国、宋の狙公(そこう)が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見える故事から》
1 目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと。朝四暮三。
2 生計。くらし。
「己れが―に事欠かぬ限りは」〈魯庵・社会百面相〉
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「朝三暮四」には、「目先の違いに気をとられて本質が同じだと気づかない」という意味と、「うまい言葉や方法で人をだます」という意味があります。
「お茶を濁す」は、その場を取り繕うのに対し、「朝三暮四」は相手を言いくるめる要素が含まれていますよ。
(例文)
・革新的な政策だと思ったが、結局は朝三暮四の政策だった。
・そんな上手い話はないと思ったが、まさに朝三暮四だったみたいだね。
一杯食わす
「一杯食(く)わす」の意味は、以下の通りです。
一杯(いっぱい)食(く)わ・す
うまく人をだます。「今度ばかりは―・された」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
相手をうまくだますことを「一杯食わす」と表現します。会話では、だまされた側が「一杯食わされた」という形で使われることも多いでしょう。
「お茶を濁す」が「その場をごまかす」のに対し、「一杯食わす」は相手をだますことに重きがおかれています。
(例文)
・お金持ちの夫婦を一杯食わせることに成功した。
・セールスマンから高級な壺を買わされて、祖父は「一杯食わされたよ」と言った。
ごまかす
会話の中では、「お茶の濁す」の言い換え表現として「ごまかす」が使われることが多いでしょう。
ごまか・す
[動サ五(四)]
1 本心を見やぶられないように、話をそらしたり、でまかせを言ったりして、その場やうわべをとりつくろう。「笑って―・す」「年を―・す」「世間の目を―・す」
2 人目を欺いて不正をする。「帳尻を―・す」「不良品を―・して売る」
[補説]「誤魔化す」「胡麻化す」などと当てて書く。
[可能]ごまかせる
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「ごまかす」とは、何かしら隠したいことがあり、うわべをとりつくろうことです。本心がバレないようにでまかせを言っていると、相手から「ごまかさないでよ」などと言われてしまうかも?
不正をして人をだます時にも使われる点が、「お茶を濁す」との違いといえるでしょう。
(例文)
・その高校生は歳をごまかして、夜のお店で働いていた。
・パートのAさんは売上をごまかして、店長に伝えていたそうだ。

英語表現は?
英語では、「その場をやり過ごす」「曖昧に答えて切り抜ける」という意味が伝わる言い方に置き換えると整理しやすいでしょう。
“make do with …”(…で間に合わせる)や、“get by …”(…で切り抜ける)が使えます。
例文:We had no clear answer, so we made do with a vague explanation.
(はっきりした答えがなかったので、あいまいな説明でお茶を濁しました。)
例文:He got by with a vague reply when everyone asked him about the problem.
(みんなにその問題について聞かれたとき、彼はあいまいな返事でお茶を濁しました。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「お茶を濁す」に関するFAQ
ここでは、「お茶を濁す」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「お茶を濁す」の意味は?
A. はっきり言わずに曖昧にして、その場をごまかすことを指します。
Q2. 「茶を濁す」と「お茶を濁す」は違う?
A. 基本の意味は同じです。「お」が付くかどうかは言い方の違いで、どちらも「その場をごまかす」意味で用いられます。
Q3. NGな使い方は?
A. 重要な確認や約束の場で濁すのは危険です。相手が「結論を求めている」「責任が発生する」状況で曖昧にすると、不誠実・先延ばしと受け取られやすくなります。
最後に
「お茶を濁す」は曖昧に返事をしたり、冗談を言うことでその場をごまかすこと。基本的には、相手からの質問に対してはっきりと答えないのは、いいこととは言えません。しかし、その場の雰囲気によっては「お茶を濁す」必要があることもあるでしょう。謙虚さや協調性を大切にする、日本ならではの表現として覚えてみてはいかがでしょうか。
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