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この記事のサマリー
・「爪の垢を煎じて飲む」は、すぐれた人にあやかり見習いたい気持ちを表すことわざです。
・読み方は「つめのあかをせんじてのむ」です。
・自分が手本にしたいときにも、相手に見習ってほしいと伝えたいときにも使えます。
「爪の垢を煎じて飲む」は、耳にすると強い印象が残ることわざです。しかし、意味はなんとなく知っていても、正しい使い方や、似た表現との違いまでは説明しにくいかもしれませんね。
そこで、この記事では、「爪の垢を煎じて飲む」の意味、使い方、類語、英語表現まで、日常で使いやすい形でわかりやすく整理していきます。
「爪の垢を煎じて飲む」とは?
まずは、意味から確認していきましょう。
意味
「爪の垢を煎じて飲む(つめのあかをせんじてのむ)」は、すぐれた人にあやかり、その人を見習おうとする気持ちを表すことわざです。
辞書では次のように説明されていますよ。
爪(つめ)の垢(あか)を煎(せん)じて飲(の)・む
格段にすぐれた人の爪の垢を薬として飲んでその人にあやかるように心がける。「名人の―・めば少しは腕が上がるだろうに」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
もちろん、実際に爪の垢を飲むという意味ではありません。すぐれた人のものであれば、爪の垢のような小さなものにまであやかりたいと思うほど、その人を高く評価している気持ちをたとえた表現です。

使い方を例文でチェック!
「爪の垢を煎じて飲む」は、優れた人を見習いたいとき、誰かに「あの人を手本にしてほしい」と伝えたいときに使う表現です。使い方を例文でチェックしていきましょう。
〇〇は全然宿題をやろうとしない。真面目なお兄ちゃんの爪の垢を煎じて飲んだ方がいいわよ。
勉強や習慣の面で、身近に手本になる人がいるときに使うことができる例です。ここでは「お兄ちゃんを見習って、少しは真面目に勉強しなさい」という意味になります。
ただし、きょうだい同士を比べる言い方は、場面によってはきつく聞こえることもあります。日常会話では、「見習ったほうがいいよ」など、やわらかく言い換えることもできます。
お隣のご主人はとても紳士的で優しいのよね。私の主人にも隣のご主人の爪の垢を煎じて飲んでほしいわ。
身近にすてきな人や優秀な人がいて、「あの人のようなところを見習ってほしい」と相手に伝えたいときにも、「爪の垢を煎じて飲む」は使うことができます。その相手は、家族や友人、仕事仲間などさまざまです。
ただし、面と向かって使うと皮肉や批判の響きが聞こえることもあるため、相手との関係や場面には気をつけて使いたい表現といえますね。
「爪の垢を煎じて飲みたい」と思うくらい、先輩は優秀で尊敬できる。
職場などに、能力や人柄が優れていて、お手本にしたいと思う人がいるときにも使うことができます。
仕事が早かったり、細かいところまで気が利いたりする姿を見ると、「できることなら私も同じようになりたい」と感じることがありますよね。このように、少しでも憧れの人に近づきたいと思うときに使う表現です。

「爪の垢を煎じて飲む」と似た表現はある?
自分よりすぐれた人に影響を受けるという意味で、「採長補短」や「知らずば人真似」も似た表現といえるでしょう。それぞれどのような意味があるのか、一緒にチェックしていきましょう。
採長補短
「採長補短」は、「さいちょうほたん」と読みます。意味は以下の通りです。
さいちょう‐ほたん〔サイチヤウ‐〕【採長補短】
人の長所をとり入れて、自分の短所を補うこと。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
他人のいいところを取り入れて、自分の短所を補うことを「採長補短」といいます。誰にでも長所と短所があり、「自分にはここが足りない」と感じる場面もあるでしょう。そんなときに、得意な人のやり方を参考にしたり、教えてもらったりして、自分の苦手を補っていく考え方が「採長補短」です。
(例文)
・採長補短という言葉に倣い、セミナーに通ってプレゼン力を強化することにした。
知らずば人真似
「知らずば人真似(ひとまね)」とは、「やり方を知らないときは、人のすることをまねるのが得策である」という意味です。新しい仕事や慣れない作業を始めるときは、経験のある人のやり方や段取りを参考にすることで、理解が早まることもあります。
「爪の垢を煎じて飲む」が優れた人にあやかりたい気持ちを表すのに対し、「知らずば人真似」は、知らないことはまず人のやり方を手本にするのがいい、という実務的な教えに重心があります。
(例文)
・知らずば人真似というように、初めてやることは経験者にならうのが得策だよ。

英語表現
「爪の垢を煎じて飲む」は、日本語特有のことわざなので、英語で直訳しても意味が伝わりにくいでしょう。そこでここでは、「爪の垢を煎じて飲む」が持っている、「相手に近づきたいという願望」や「相手のことを見習いなさい」と命令する時に使える英語表現を紹介します。
You should try to be like your father.(お父さんの爪の垢を煎じて飲むべきだ。)
直訳すると、「あなたはお父さんのようになるよう努めるべきだ」という意味になります。転じて、「尊敬できるお父さんに近づけるように頑張りなさい」というニュアンスで使うことができますね。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「爪の垢を煎じて飲む」に関するFAQ
ここでは、「爪の垢を煎じて飲む」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「爪の垢を煎じて飲む」の意味は?
A. すぐれた人にあやかり、その人を見習いたい気持ちを表すことわざです。実際に爪の垢を飲むという意味ではなく、相手を高く評価していることをたとえています。
Q2. 「爪の垢を煎じて飲む」の読み方は?
A. 読み方は「つめのあかをせんじてのむ」です。
Q3. 「爪の垢を煎じて飲む」はどんな場面で使う?
A. 尊敬できる人を見習いたいときや、誰かに「あの人を手本にしてほしい」と伝えたいときに使います。職場、学校、家庭など、幅広い場面で使える表現です。
最後に
爪の垢のような些細でつまらないものでも、優秀な人のものであれば、「何らかの効果があるのでは?」と期待してしまいそうになるのもわかりますよね。
本当に爪の垢を煎じて飲むことはできませんが、優秀な人の振る舞いを真似たり、教えを乞うことは可能です。周囲からいい影響を受けて、なりたい自分に近づいていきたいですね。
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