そもそも「知性」とは?
知性って何? と聞かれても、説明しずらいものですよね。説明したとしても、10人いれば10通りの説明の仕方や解釈のある言葉が、知性です。なんとなくわかった気になっている知性の意味を、まずは改めて調べてみましょう。
「知性」の意味
辞書で「知性」を引いてみると、
1 物事を知り、考え、判断する能力。人間の、知的作用を営む能力。「―にあふれる話」「―豊かな人物」
2 比較・抽象・概念化・判断・推理などの機能によって、感覚的所与を認識にまでつくりあげる精神的能力。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
とあります。ちょっと難しいですが、知識が豊富ということだけではなく、判断力や思考力、想像力あるいは創造力など総合的な能力を「知性」というようですね。
知識があり、冷静に考え、想像力を働かせて判断できる「知性がある人」は、大人として確かに魅力的です。
「知性」の英語表現
まず、英語で知性と聞いて思い浮かぶのが、「intelligence(インテリジェンス)」ではないでしょうか。「あの人インテリだよね」という場合も、この「intelligence(知性)」や「intelligent(インテリジェント、知能が高い)」をイメージして使っている人が多いのでは?
「intelligence」は、「物事を論理的に理解し学ぶ能力」、たとえば飲み込みの早さや容量のよさも含めて基本的な知的能力を指します。
そして、もう1つ、「intellect(インテレクト)」の意味も「知性」です。「intellect」は、より深く高度な知性を意味していて、物事をきっちり把握して整理したり、操作したり、調整したり、批評したり、創造したり、という能力に優れている、というイメージで使われます。日本語で知識人という場合も、「intellect」が正解です。
知性のある人はどんな人? 知性のある人の特徴を紹介
「知性的」、「知性を感じる人」という表現がありますが、知性のある人ってどんな人なのでしょうか? 具体例を紹介しながら解説します。
1:会話が楽しい
感情的な言葉をぶつけたり、一方的に話をするのでは、とても知性的とはいえませんよね。何より大事なのは会話のキャッチボールのできること。つまり、頭の回転がいい、相手の目線に立てるというのが、知性のある人の特徴です。
2:知識が豊富
楽しい会話にもつながりますが、「知らないことを教えてくれる」人と話をするのはワクワクするもの。反対に何を話しても何を聞いても、「わからない」、「知らない」と言われるとちょっとしらけてしまいますよね。もちろん、「わからないことはわからない」と素直に言える姿勢も知性のひとつです。
3:自分で判断できる
「どっちでもいい」という返答には、あまり知性は感じないもの。「私はこちらがいい」「私はこう思うよ」と自分の意見を持ち、周囲の意見も取り入れて答えを導き出す人は素敵です。また、今、やるべきこと、やる必要のないことを判断ができる人、物事の調整能力に長けた人にも知性を感じます。
4:落ち着いている、いつも冷静
感情的な態度を取ったり思ったことをすぐ口に出す、というのではなく、一旦、頭の中で考える余裕のある人、仕事等で予期せぬことが起こっても慌てず対処できる人は、落ち着きと冷静さを備えているという意味でもとても知性的。
5:気配りができる、思いやりがある
自分だけのメリットや損得勘定だけで動いている人は、相手に見透かされてしまうもの。周囲への気遣い、仲間への思いやりを忘れない人こそ、知性のある人の前提条件といえるでしょう。
知性を身に付ける方法とは?
「知性があるな」と感じる人の素敵なところをちょっと真似してみるのも、知性を磨く一歩。日常生活でも知性のある人を目指せる方法がありますので、できるところから始めてみて。
1:本を読みましょう
新しい知識、考え方、世界観、想像力などを広げてくれるのが、本。読書の習慣がない人は、興味のある分野や大人の絵本などからはじめて、徐々にジャンルを広げましょう。できれば、本を読んだあと感想などを記す時間を設けてみて。考える力や書く力も養えます。
2:毎日ニュースをチェック
今、起きていること、世の中の流れを知っていることは知性の証し。ネットのニュースサイトでは自分の興味に偏ってしまいがちですので、新聞やテレビ、ラジオなどで世界や社会の情勢について幅広い情報を得るのがおすすめです。よくわからないことは自分で調べる習慣も身に付ければ、さらに知識が深まりますよ。
3:興味の幅を広げてみる
読書や映画、アートで今まで縁のなかったジャンルのものに触れたり、新しい料理にチェレンジしたり、ウォーキングコースを変えてみるなど、趣味の中でも幅を広げれば、思わぬ感動や発見をインプットできます。
4:きれいな言葉を使う
美しい言葉、正しい日本語を使える人はそれだけで知性を感じます。日頃からそのことを心掛け、敬語などの使い方を学び直すのいいですね。
5:規則正しい生活を
寝不足など不規則な生活が続けば、思考能力を低下させ、相手を思いやる心の余裕も失われてしまいます。ベッドに入ったらスマホを手放して、脳を休ませ、安眠を確保しましょう。
最後に
知性とは、自身の豊富な知識や会話力、判断力などを、独りよがりではなく相手の立場を尊重しながら発揮できる能力、といえそうです。そうした心の余裕、他社や仲間への思いやりがあるからこそ、知性のある人のそばにいると心地よいのかもしれません。知っていることが多いので人生を楽しめ、人間関係を豊かにしてくれる知性。素敵な大人を目指して、身に付けてみてはいかがでしょうか?
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