「聡明」の意味とは?
「聡明な女性」と聞いて、どんな人を思い浮かべますか? 美人… 学歴の高い人…。「聡明」とは外見や条件によるものではなく、真の美しさの一つともいえるものなのです。「聡明な女性」の特徴やそうなるための方法について考えてみました。
「聡明」という言葉は、「彼女は聡明な人」「聡明な子ども」などというふうに使われます。素敵な褒め言葉ですよね。言葉を正しく使えるよう、まずは意味を押さえておきましょう。
◆聡明の意味
「聡明」とは、物事の理解が早く、賢いという意味。聡明の「聡」は耳がよく聞こえること、「明」は目がよく見えることを表しており、そこから理解力や判断力が優れている様子を指すようになりました。
時折「聡明期」という言葉が使われているのを見かけますが、これは間違い。おそらく、物事や文化の始まりの時期を指す「黎明期(れいめいき)」の誤りでしょう。
「聡明」の類語・対義語は?
「聡明」の類語を3つ挙げてみます。
知的
「知的」とは、知識がある様子、知識が豊富で知性が感じられる様子を表します。「聡明」であるために知性は必要ですが、単純に知識が豊富なだけでは「聡明」とは言いません。とても似ている言葉ですが、ニュアンスが異なります。
賢明
「賢明」とは、賢いこと、堅実であること。「賢明な判断」などというように、判断や手法などが正しい時、あるいはとても良い時に用います。
明哲
明哲(めいてつ)とは、物事の筋道、道理に通じていること、またはそういう人を指す言葉です。書き言葉として使う言葉で、話し言葉ではありません。賢い対象が、筋道や道理に限定される点が「聡明」とは異なります。
聡明の対義語
では、「聡明」の対義語はなんでしょうか? 聞き慣れない言葉ですが「愚昧(ぐまい)」という言葉があります。「昧」には暗いという意味があり、愚かで道理に暗いさまを表します。もっと簡単な言葉では「愚か」が「聡明」の対義語だと言えます。
聡明な女性の5つの特徴
「聡明な女性」には誰しもが憧れますね。では、具体的にはどのような人を指すのでしょう。5つの条件を考えてみました。
自己肯定感が高い
聡明な女性の第一の条件は、自分に自信を持っていること。自分を好きであることだといえます。聡明な女性、つまり、判断力や洞察力に優れている女性は、それを的確にスマートに相手に伝えることができます。そのためには、自分自身を認めていることが大前提。自分自身のことを肯定できていることが聡明な女性の大切な要件なのです。
相手の気持ちや立場を常に考えられる
聡明な女性は、自分と同じように相手のことも大切にします。自分の意見や判断を相手に伝えるときにも思いやりを忘れません。また、相手の性別や地位などに惑わされることもありません。聡明な女性は、常にフラットかつ柔軟な姿勢で人に向き合います。
決断力・判断力が優れている
聡明な女性は、無駄に迷ったりはしません。即断即決で行動できることは素早く行動し、難しい問題についても熟考した後にはっきりと意見を述べ行動します。その判断は決して利己的な独断ではなく「目的に対して最適かどうか」という観点で選ばれたものであるはずです。
知的で思慮深い
聡明な女性は知的。様々なジャンルに興味を持ち、どんな話題でも通りいっぺんでない返事ができること、そしてそれが楽しいものであることも聡明な女性の特徴です。一方で、聡明な女性は物事を深く考えます。思いつきで発言したりはしません。裏付けのない発言は人を混乱させるばかりか、自身の信用を失いかねないことをよく知っているのです。
料理がうまい
ここまでの[1]から[4]には納得という人も、この条件には「?」と思われたかもしれません。実は料理とは、いくつもの工程を同時に進行させる能力、相手の好みを考えて献立(構成)を組み立てる力、美しく盛り付けるセンスなど、様々な能力が総合的に要求される複雑な作業。聡明な女性はこの複雑な作業を上手に手際良くこなします。
ちなみに、このことは昔から言われており、作家・桐島洋子さんの著書にその名も『聡明な女は料理がうまい』というものがあるほど。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。
聡明な女性になるための5つの方法
聡明さとは決して生まれつきの性質ではありません。努力や心がけ次第で、あなたも聡明な女性になることができます。聡明であろうと努力する姿こそが、聡明に見える第一歩かもしれません。
自分のことを知り、大切にする
まずは、今の自分の姿を知り、受け入れ、好きになりましょう。ノートに自分のいいところを書き留めてみたり、鏡の前で自分自身に「今日もありがとう」とねぎらってみたり。誰に見せるわけでもないので、恥ずかしがらずに試してみて。自然と自信が湧いてきます。
また、自分を大切にする習慣をつけましょう。言いたいことがあるのに我慢して心にフタをしてしまったり、疲れているのに休まずにいたりするのは、あなた自身がかわいそう。「自分のことをいちばん大切にするのは自分なんだ」と、自分自身をていねいに扱うように心がけましょう。
相手のことを理解する
自分を大切にすることができれば、心にゆとりが生まれます。そうすれば、自然と周りの人へも思いやりを持って接することができるもの。相手の表情をよく見ること、話をよく聞くことを心がけましょう。相手を理解できれば、賢い判断ができるようになります。
本を読み、世界を広げる
いろんなジャンルの本を読みましょう。読書は、部屋にいながらにして著名な人の話を聞くことができたり、時代を越えて旅をすることができたり、知らない土地を知ることができたり、様々な体験ができるもの。世界がどんどん広がります。また、好きなジャンルや書き手が見つかったら深く掘り下げられるのも読書の魅力です。
自然や芸術に触れ、五感を研ぎ澄ます
自然豊かな場所を訪れたり美術館に行ってみたりして、知識以外のアンテナを磨きましょう。最初は「よくわからないなあ」という感想でもOK! 繰り返しているうちにあなたのセンスが研ぎ澄まされ、知識以外の感性が光ってくるはずです。知識と感性のバランスが取れていることで聡明さが増すのです。
常に新しいことにチャレンジする
新しいことに挑戦するときの“ドキドキ感”は人を輝かせます。とはいえ、大きなチャレンジばかりを続ける必要はありません。ヘアスタイルを変えてみる、新しくできたカフェに行ってみる、習い事を始めてみるなどちょっとしたことでもいいのです。常にフレッシュな挑戦をしていることで、気持ちが前向きになりますよ。
最後に
「聡明」という言葉は、知性だけでなく、しなやかさ、健やかな美しさが感じられます。女性にとっては、これ以上の褒め言葉はないかもしれません。「聡明な人ですね」と言われることを目指して、日々の暮らしを前向きに過ごしたいものですね。
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