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「思慮」の意味や読み方とは?
「思慮」は、「しりょ」と読みます。「思」は、「思う」「考える」「こころ」という意味、「慮」は、「考えるをめぐらす」「おもんぱかる」という意味を持つ言葉です。
いずれの文字も「考える」の意味がありますが、「慮(おもんぱか)る」の「慮」の方が、より深く考えるという意味を持っています。つまり、「思慮」は、注意深く思いをめぐらし考えることや、その考えという意味になります。
「思慮」の正しい使い方は? 例文でチェック
「思慮」はどのようなときにどういった使い方をするのでしょうか? 例文で解説します。
「彼女は思慮深い性格なので、何も心配することはないだろう」
よく使われるのは「思慮深い」という言葉です。日常生活やビジネスの場でも「思慮深い人」などと言いますよね。「思慮深い人」とは、「物事をしっかりと考えている人」を表す言葉です。
「思慮分別が欠けているので、今回のような問題を起こしたのだ」
「思慮分別」は「しりょふんべつ」と読み、「物事の道理や正邪・善悪などを注意深く判断すること。また、その能力や判断」という意味の四字熟語です。ビジネスの場で使われることも多く、社会人として思慮分別のある行動ができるかどうかはとても重要です。
「彼の計画内容は思慮が浅いため、とても上手くいくとは思えない」
「思慮が浅い人」は、「物事をきちんと考えない人」を指します。思慮深いとは逆で、深く考えることをせず、軽率な行動をしてしまうことをいいます。「思慮に欠ける」ということもできますね。
「思料」との違いは?
「思料」は「しりょう」と読み、「いろいろと思いをめぐらし考えること」という意味があります。「料」という文字には「推しはかる」という意味があるため、「思慮」の考えをめぐらせるという意味合いと近しいと言えます。「思慮」と「思料」の違いは、用法においてみられます。
◆「思慮」と「思料」は用法が異なる
「思慮が深い」などのように名詞的に用いられる「思慮」に対し、「思料」は「思料する」のように動詞的に使われます。「思慮」の後には助詞や形容詞が続くことがほとんどで、「思慮する」のように動詞的な用法は一般的ではありません。「思料」はあまり日常的に使用する言葉ではありませんが「思慮」と「思料」を混同しないように注意しましょう。
「思慮」の類語にはどのようなものがある?
「思慮」と同じように使える類語をご紹介します。
熟慮
「熟慮(じゅくりょ)」は、「様々なことを考えに入れ、念入りに検討すること」という意味。「熟」という文字は、「習熟」「熟練」などの熟語にみられる「充分に発展する」「完全な状態になる」ことを表しています。
また、「熟考」も「熟慮」と同じ意味合いを持った言葉で、「熟慮」「熟考」ともに名詞的にも動詞的にも使用できる語句です。
考察
「考察(こうさつ)」は、「物事を明らかにするためによく調べ、考えをめぐらせること」という意味。あるテーマについて考える場合によく用いられ、データを分析し、そこから導き出す過程や結論から論理的に述べることを指します。
分別
「分別(ふんべつ)」は、「道理をわきまえ、物事の善悪などをよく考え正しく判断すること」という意味。善悪や常識などに関する知識があり、正しく判断できる人のことを「分別のある人」と表現をすることができます。「分別」は読み方で意味が変化し、「ぶんべつ」と読む場合には「ゴミの分別」というように種類別に分けることを表します。
「思慮」の英語表現とは?
「思慮」を英語で表現する際は、どのような言い方をするのでしょうか。
「慎重にいろいろと考えることや、その考え」という意味合いで使用するには前後の文脈が重要です。「think about(〜について考える)」、「review(再吟味する)」や、「consider(熟考する)」を用いて表現することができますね。
また、思慮深いは英語では「thoughtful」、「discreet」と言います。たとえば、「彼女は思慮深い人です」だったら「She is a thoughtful person.」や「She is a very discreet.」と表すことができますよ。
最後に
「思慮」という言葉の意味や使い方について解説しました。悪気のない行動でも、「思慮」が足りなければトラブルを引き起こしかねません。何事もよく考える習慣を身に付けて、正しい思慮分別を意識したいものですね。
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