体系的とは? 意味を確認
ビジネスシーンで使われる「体系的」という言葉。イメージはわかるけれど、正しい意味はわからないという人が多いかもしれません。たとえば資料作成を依頼された際、「体系的にまとめてください」と言われても、意味がわからないと困惑しますよね。
体系的とはどのような意味を持つのか、使い方などを把握しておくと、物事はスムーズに進むはず。正しい意味や使い方を知り、ビジネスシーンで役立てたいですね。
辞書の意味を確認
【体系的】
読み方:たいけいてき
系統的。統一的。「—な研究」「—にまとめる」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
系統的とは、ある一定の順序に筋道を立てて組み立てられていること。統一的は、全体を一つにまとめるさまを意味する言葉です。
一つの物事が、理論的な順序や筋道に組み込まれていることや、一つのまとまりの中に収まる様子を意味していると考えてください。
たとえば、一覧になっているデータがあったとしても、ランダムに並んでいるだけでは意味がわからないことがほとんどでしょう。しかし、一定の順序に基づき「体系的に」まとめて並べ替えるだけで、わかりやすさがグンと増します。
体系的の使い方を確認
ここからは、体系的という言葉の使い方を見ていきましょう。よく使われるフレーズごとに解説します。
体系的に整理する
《例文》
・仕事を効率よく進めるには、得た情報を体系的に整理する必要がある
・あの先生の講座は体系的に整理されているため、わかりやすいと評判だ
ある目的や要素別に、情報や物事をきちんと整えることを表します。データはもちろん、メールや書類もそうですが、情報は常に体系的に整理することが欠かせません。効率的に仕事を進めるための必須条件と言えるでしょう。
体系的にまとめる
《例文》
・打ち合わせ用の資料がわかりにくいため、上司から体系的にまとめるよう依頼された
・参照データが多過ぎたので、体系的にまとめて一覧にしました
データなどを種類や要素別に分け、関連づけてまとめることを指します。そうすることで、一気にわかりやすさが増し、データや情報の分析などがしやすくなるでしょう。仕事を迅速に進めたい場合、欠かせないことでもあります。
体系的に学ぶ
《例文》
・資格試験を突破したいなら、やみくもに勉強するのではなく、体系的に学ぶことだ
・体系的に学ぶのは大切だが、実際にするのは意外と難しい
効率的に学ぶには、学ぶ項目に対するカリキュラムを決め、それに沿いながら計画的に進めますが、そのことを表す言葉です。また、一つの視点にとらわれず、総合的に学ぶことを表す際にもこのフレーズを使うことが多いでしょう。
体系的アプローチ
《例文》
・その研究に対しては、体系的アプローチで挑む必要があるだろう
・体系的なアプローチは、複雑な内容をわかりやすく伝えるために欠かせない手法だ
学問や研究、問題解決などにおいて、全体像を把握しながら、手順に従って目標に向かうことを指します。その場しのぎではなく、論理的思考をもとに計画して働きかけることと考えてください。
体系的の類義語は?
体系的と似た意味を持つ類義語について解説します。どのような表現があるでしょうか?
「組織的」
共通の目的のために、一定の秩序をもって全体が組み立てられているさまを意味する言葉。この言葉は、目的に応じた形で秩序を持ちながら、全体としてまとまりやつながりがあるさまを表しています。
《例文》
・次年度の離職率を下げるべく、組織的な取り組みを行なうことになった
「論理的」
きちんと筋道を立てて考えるさまや、理にかなっているさまを表す言葉です。全体がまとまるさまというよりは、考えて導き出す様子を指すことが多いでしょう。意味は似ていますが、ニュアンスが異なりますので、言い換えの際は注意してください。
《例文》
・彼は論理的に答えを導き出すのは得意だが、共感性に欠ける
体系的の対義語
体系的と反対の意味を持つ対義語についても、チェックしましょう。
「個別的」
全体を構成しているものを切り離した一つひとつが、バラバラに存在しているさまを表します。まとまりがない状態を指すため、体系的と反対の意味になるでしょう。
《例文》
・その案件は、個別的条件の下で対応することが望ましいだろう
「分散的」
物事がバラバラに分かれ、散ることを表します。別々に存在して散らばっている様子も表すため、まとまりはなく、体系的の対義語になるでしょう。
《例文》
・権力を分散させるためにも、人事を見直すべきだ
「断片的」
切れ切れで、まとまりのないさまという意味の言葉。細かくいくつもに切れている様子を表すため、この言葉も体系的と反対の意味になります。
《例文》
・理数系科目は苦手だったため、断片的な知識しかない
英語で体系的を表現する場合
英語表現で、体系的という意味を表す言葉について見ていきましょう。適しているのは、カタカナ語として浸透しつつある、あの言葉です。
「systematic」
日本語に訳すと、「体系的な」「組織的な」という意味になります。また、「計画性のある」「規則正しい」という意味に訳されることもあり、体系的を表す英語表現として使うことができるでしょう。
《例文》
・His grades are so good because his learning method is systematic
(彼の成績がとてもいいのは、学習方法が体系的だからだ)
「システマチック」は体系的の言い換え表現にもなる
英語の「systematic」をカタカナ読みする「システマチック」は、カタカナ語として浸透していますよね。意味も、体系的や系統的ということを表すため、体系的の言い換え表現として使うこともできます。
《例文》
・彼女の研究は、システマチックなアプローチと手法に基づき、行われている
なお、「システマティック」と表現することもありますが、同じ言葉を表すと考えてください。
カタカナ語は、シチュエーションや相手によっては、意味が正しく伝わらないこともあります。伝えたいことが相手に理解してもらえないと本末転倒ですから、その点は注意したいですね。
最後に
体系的という言葉について解説しました。日常会話ではあまり登場しないかもしれませんが、ビジネスシーンではとてもよく使われます。物事を効率よく進めるためには、体系的であることが欠かせません。ビジネスシーンでも「体系的にまとめる」「体系的に整理する」ことを求められる機会は多いはずなので、言葉の意味を把握しておきたいですね。
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