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2023.12.12

「草案」とは契約書などの下書きとなる文章|意味やビジネスでのポイントを解説

「草案」とは、「規約や契約書などの作成時に下書きとなる文章のこと」です。今回は詳しい意味や素案・原案と異なるポイント、類語・言い換え表現と対義語表現を解説します。さらに、契約書の草案に関してビジネスで知っておきたいこともあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてください。

「草案」とは?簡単に基礎知識を解説

草案とは、契約書などの作成時に前段階の下書きとしてつくる文章のことです。読み方は「そうあん」で、似た言葉に「素案」や「原案」があります。草案は下書きの文章ではあるものの、契約書などの作成時において重要であり、じっくりと検討すべきポイントです。

それでは、草案の詳しい意味や素案・原案の意味と草案との違い、草案の類語・言い換え表現と対義語表現をそれぞれ確認していきましょう。

草案とは契約書などの下書きとなる文章のこと

草案とは、正式な契約書や規約、法律などを作成する際に下書きとなる文章のことです。正式な契約をする際は、以下のような流れを取ります。

・まずはおおまかな内容を話し合う
・詳細を交渉する前に、たたき台となる草案を作成する
・作成した草案を相手に送付する
・草案をもとにさまざまな話し合いや交渉をおこない、細かい条件を決めていく

はじめにつくる草案は、「ファーストドラフト」とも呼ばれます。草案は、当事者のうちのどちらか一方が作成します。基本的には、Word形式で作成するケースが多いです。

草案の作成時点では、おおまかな契約内容は双方で合意ができているものの、詳細まではまだ決定していません。多くの場合、細かい条件の決定や法的な確認は草案を作成してからおこないます。

資料を置いて話し合っているビジネスパーソンの手元の写真
(c)Adobe Stock

「素案」の意味と草案との違い

草案と似た言葉に「素案(そあん)」があります。素案とは、草案を作成するよりもさらに前段階ともいえる、おおまかなアイデアや考えのことです。「素」とは、「物事を作る根本となるもの」を意味します。

素案の時点では、あまり契約の内容などが決められていません。おおまかなアイデアや考えを示すのみである素案に対し、草案は詳細まで決定していないものの、おおまかな契約内容は双方で合意できている状態のときに作成します。

「原案」の意味と草案との違い

草案と似た言葉には、「原案(げんあん)」もあります。原案とは、文章やデザイン、設定などの下書きとなるものです。文章の下書きとなるのは草案と同じですが、原案はデザインなど対象となるものの幅が広くなることが異なります。

また原案は、草案よりも完成に近い状態の、再確認をして承認する段階でつくられるものを指すことも多いです。つまり素案と草案、原案の関係は、素案を出したあとに草案をつくり、草案をもとに検討を重ねてから原案をつくるというイメージです。

草案の類語・言い換え表現と対義語表現

草案の類語・言い換え表現は、以下のようなものがあります。

・下書き
・ドラフト
・原稿
・草稿
・草本
・文案

似た意味を持つ類語・言い換え表現であっても、それぞれ対象となるものや意味が若干異なる場合があるため、使う際は注意しましょう。

また、草案の対義語表現は「成案(せいあん)」です。成案とは具体的にできあがっている状態の考えや文案のことを指し、法律を制定するシーンでよく使われます。

契約書の草案とは? ビジネスで知っておきたいこと

ビジネスシーンで、契約書の草案の作成は契約における重要なポイントです。契約書の草案は、契約を締結するうちのどちらか一方が作成します。契約書の草案には大きな役割があり、それを作成する側になることにはメリットがあるものです。

それでは、契約書の草案の役割と作成するメリット、相手側がつくった場合の流れ、内容をチェックする際のポイントを確認していきましょう。

ノートパソコンやタブレットを操作するビジネスパーソンの手元の写真
(c)Adobe Stock

契約書の草案の役割と作成するメリット

契約書の草案の役割は、契約の詳細を交渉するためのたたき台です。ただの下書きではなく、草案の作成によって金額や期間、免責事項、保証規定などの契約に関する詳細な取り決めの交渉につながります。

自社で契約書の草案を作成する大きなメリットは、自社に有利な内容で作成でき、交渉を有利に進められる可能性があることです。草案を作成する際に自社の契約書フォーマットを使うと、自社に有利になるような、少なくとも不利にはならない内容が記載されていることがほとんど。

また、自社のフォーマットで作成したほうが、契約数が増えたときに管理しやすいこともメリットです。

契約書の草案を相手側がつくった場合の流れ

一方で、契約書の草案を相手側がつくった場合には、よく確認していないと相手に有利な条件で契約することになる可能性があります。契約書の草案を相手側がつくった場合の流れは、以下のとおりです。

・契約書草案の内容をしっかりと確認する
・確認・審査の結果、修正点があれば相手と交渉をおこなう
・契約内容に問題がないと双方が確認する
・社内稟議などを経て、お互いが署名・押印し、契約を締結させる

契約書の草案をチェックする際のポイント

契約書の草案をチェックする際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

・各担当部署や法務部に確認する
・「コメント機能」や「変更履歴の記録」を活用する(Word形式の場合)
・必要に応じて、顧問弁護士や契約書レビューの支援ツールなどにサポートしてもらう

契約書の草案をチェックする際は、自社に不利な条文などがないか、法令上必須となる条項に抜け漏れがないかなどをしっかりと確認します。

Word形式で草案が作成されている場合には、「コメント機能」や「変更履歴の記録」の機能を活用すると、提案したい内容などを相手にスムーズに伝えやすいでしょう。あとからどのような修正をしたかがわかるため、別の担当者が見たときに修正の経緯を把握できること、今後の取引の参考にできることなどのメリットもあります。

ノートパソコンや資料を前に話し合うビジネスパーソンたちの手元の写真
(c)Adobe Stock

草案という言葉を正しく理解しよう

草案とは、契約書や規約、法律などを正式に作成する前の下書きのことです。

草案と似た意味を持つ表現には、素案や原案、下書き、ドラフトなどがあります。とはいえ、それぞれ意味や使い方が若干異なることに注意が必要です。たとえば、草案と素案、原案では、契約のどの段階で作成するものなのかなどが異なります。

意味や使い方などを確認して、多くの言葉を正しく使えるようになりましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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