「オンタイム」とは?
分かっているようで案外分かっていなかったりすることが多いのもまた、カタカナ語の特徴。「オンタイム」もそうした言葉の一つではないでしょうか?
そこで、本記事では「オンタイム」の意味や使い方について詳しく解説します。記事の後半では、ビジネスシーンで覚えておくと便利なカタカナ語について紹介しますよ。
「オンタイム」の意味
「オンタイム」の意味を辞書で確認しましょう。
オン‐タイム【on time】
1 定刻に、時間どおりに、の意。
2 就業時間。勤務中。⇔オフタイム。
[補説]2は日本語での用法。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「オンタイム」には、「時刻通りに」という意味があることがわかりました。ビジネスシーンでは、「勤務中」という意味で使われることが多い表現です。
「オンタイム」の英語表現
辞書にもありましたが、「オンタイム」は英語で「on time」と表記します。ただし! 英語における「on time」には、「勤務中」という意味は含まれていません。この意味は、カタカナ英語である「オンタイム」にのみ含まれるということを覚えておいてください。
「オンタイム」と「リアルタイム」の違い
オンタイムと混同しやすい言葉、「リアルタイム」についても紹介します。
例えば、「オンタイムでスポーツ中継を見たい」と「リアルタイムでスポーツ中継を見たい」。それぞれ違いはあるのでしょうか? 一見すると、同じような意味で受け取ることができそうですよね。
「オンタイム」は「時刻通りに」という意味。したがって、「オンタイムでスポーツ中継を見たい」と言うと「開始時間から見たい」という意味合いが強まります。
一方のリアルタイムはどうでしょうか。そもそも「リアルタイム」とは、「同時」や「即時」などといった意味を持つ言葉です。したがって、「リアルタイムでスポーツ中継を見たい」とは、「(録画や再放送などではなく)起きている出来事を同時刻で見たい」という意味合いのほうが強くなります。
なお、補足とはなりますが、リアルタイムは省略して「リアタイ」と呼ばれ、カジュアルな会話やSNSのなかで使われることが多いです。
「オンタイム」の使い方を例文を用いて紹介
続いては、「オンタイム」の具体的な使い方について見ていきましょう。「時刻通りに」という意味での使い方と「勤務中」という意味の使い方、どちらも例文付きで紹介しますね。
1:「ミーティングをオンタイムで始められるよう、余裕をもって準備しておきたい」
「オンタイムで始める」などといった言い回しをする際は、「時刻通りに」の意味を持つことが多いです。オンタイムで始めるためには、時間に余裕をもって準備をしたりスケジュールを調整をしておく必要がありますね。
2:「今日のスケジュールはすべてオンタイムで進んだので、早く帰れそうだ」
「オンタイムで進む」という表現も、しばしば使われます。時間通りに物事が運ぶと、スケジュールの消化もスムーズになりますね。
3:「業務メールや仕事に関する電話は、相手のオンタイムに送ったほうがいいだろう」
「勤務中」という意味での使い方も紹介します。例文に出てくる「相手のオンタイム」とは、「相手の勤務中」と置き換えることができますね。
4:「プライベートだけでなく、オンタイムでも使えるきれいめなジャケットを探しているんだよね」
会話のなかでも使うことができます。こちらも「オンタイム」を「勤務中」と置き換えることができますね。
ビジネスシーンで役立つカタカナ語を紹介
オンタイムのように、ビジネスシーンで登場するカタカナ語はたくさんあります。ここでは、よく使われる「アジェンダ」、「アサイン」、「バッファー」について紹介します。Oggi世代ともなると、「それってどういう意味ですか?」とはなかなか聞きづらいもの。ぜひ、この機会に頭の片隅に留めておいてくださいませ。
1:アジェンダ
オンタイムとも関わってくる言葉を紹介します。「アジェンダ」とは、「計画書」や「予定表」のこと。政治の世界では「協議事項」や「検討課題」という意味でも使われます。
「アジェンダを作成し、オンタイムで会議を進められるようにしておいてください」などというように言われたら、会議や議題を時間通りに進めるための、計画書を作成する指示を受けたということになりますね。
2:アサイン
「アサイン」とは、「物事を割り当てること」「任命すること」という意味です。「アサインする」というように使います。英語では、これらの意味のほかに「特定する」などの意味もあります。
3:バッファー
「バッファー」とは、「スケジュールなどにゆとりをもたせること」や「サポート役」のこと。日本におけるビジネスシーンでは、「バッファーをもたせる」などというように使います。
英語の「buffer」は、これらの意味よりも「機械などに取り付ける緩衝材」や「経済的危機から守るための訴訟手続き」などという意味で使われることが多いよう。日本語と英語での使い方の違いに気を付けたいですね。
最後に
本記事では、「オンタイム」という言葉について詳しく紹介しました。リアルタイムと混同していたという人も意外と多かったのではないでしょうか? カタカナ語は便利ですが、日本で独自に意味が派生しているケースも多いものです。英語でも同じように使って恥ずかしい思いをしないようにしておきたいですね。
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