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2023.11.07

【精神科医が解説】笑顔うつは「心の問題」がなくてもなる!? うつ病と適応障害の違いも紹介

「笑顔うつ」は心の問題がなくてもなる? 笑顔うつの症状やケアの仕方について、書籍『精神科医が教える 笑顔うつから抜け出す方法』より一部引用・再編集してお届けします!

それ、「笑顔うつ」のサインかもしれません

「あなたは、悩みを誰かに話したり、弱音を吐いたりしたときに、『誰だってそうだよ』『もっと前向きに考えなよ』などと言われて、モヤッとしたことはありませんか?

そのたびに、『自分はネガティブなんだな』『自己肯定感を高めなきゃ』『もっとがんばらないと』と思って、がんばっている人もいるかもしれません。

でももし、

・ やりたいことはたくさんあるのに、できなくて落ちこむ
・落ちこみはないけれど、体が重く感じる
・働けてはいるけれど、家に帰るとぐったりしてなにもできない
・人といるときは落ち着いているのに、ひとりになると涙があふれる
・つい先走ったことをして、いつも失敗してしまう

こんな状態が続いているのであれば、心と体をいたわってあげてほしいのです。なぜなら、あなたは『笑顔うつ』かもしれないからです。」

ーーそう語るのは、毎月500人以上の患者さんの診察をしながら、SNSなどで生まれつき感受性が強くて敏感な気質を持ったHSPに関する発信もしている、精神科医・しょうさん。

しょうさんによると、なんとか社会生活は送れているものの、内面で抑うつ症状や身体の不調を抱えている状態を「笑顔うつ」と呼んでいて、簡単にいえば、うつ病や適応障害の軽症か中等症の状態にあたるのだとか。

悩む女性
(c)Adobe Stock

笑顔うつは、初期の段階では異変の兆候がないことから、甘えや性格の問題と思われ、まわりからは精神の病気を疑われない傾向が。

でも、〝笑顔の仮面〟をつけて、社会生活をなんとか成立させてしまえるために、サポートが得られず、つらい症状が悪化しがちなのだという。

そこで、しょうさんの著書『精神科医が教える 笑顔うつから抜け出す方法』より、自分の心と体に起きていることを知り、不安を解消するための方法を解説!

前回の記事はこちら>>いつのまにか「笑顔の仮面」かぶってない? 精神科医が「笑顔うつ」について解説!

「笑顔うつ」は心の問題がなくてもなる

前述のとおり「笑顔うつ」は、うつ病や適応障害でいえば軽症か中等症にあたります。

まず、うつ病は脳内でセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌が乱れる病気です。

気持ちを安定させたり、やる気を起こさせたりする神経伝達物質の分泌が乱れるため、気持ちが不安定になったり、無気力な状態になったりします。

うつ病は先天的な素因を持った〝特殊な人〟だけがなる病気ではなく、子どもから高齢者まで、どの年代の人もかかる可能性があります(厚生労働省のメンタルヘルス関連のサイト「こころもメンテしよう」には、日本人の約15人にひとりがかかるとされています)。

神経伝達物質の分泌が乱れる原因は、性格傾向をはじめストレスや環境要因などさまざまです。代表的な原因は心因性、内因性、外因性という3つに分けることができます。

これらの3つの原因は重複することが多く、外因性のうつ病でも、心理的なストレスやプレッシャー、疲労が加わって発症するケースがあります。

体の状態がよくなるにつれて、自然と症状もよくなってくるケースもあれば、なかなかよくならず、治療薬が必要になるケースもあります。

なかには、骨折やヘルニア、手術の後遺症などで不自由な生活が長引いたり、不調を抱えたりすることで、うつ病になる人もいます。

ケガが原因で歩くのが難しくなり、仕事をはじめ趣味やスポーツもできなくなって生きがいを失うことで、うつ病になるというパターンもあります。

この場合は、心因性のうつ病ともいえますし、本人の性格傾向が悲観的な場合は、内因性のうつ病ともいえるのです。

ほかにも、秋から冬にかけて日照時間が短くなることが原因の季節性のうつ病、服用している薬が発症のきっかけになる薬剤性のうつ病もあります。

つまり、うつ病を発症する原因を1つに特定するのは難しく、うつ病は「さまざまな要因が複合的に絡み合って発症する」という理解が正しくなります。

うつ病と適応障害の違い

一方、適応障害は、外的なストレスや変化、出来事に対してうまく対応する力が一時的に低下していたり、本人のキャパシティー以上の外的ストレスがかかったときに、日常生活や社会機能に支障をきたす病気です。

たとえば、転職、進学、家庭の問題、人間関係の困難、喪失や別れなど、新しい環境や状況に適応するときに起こりやすく、さまざまなストレス因に関連して現れます。

症状は個人差があり、不安感や緊張感、抑うつ、身体的な不調(頭痛、消化不良、筋肉の緊張など)、疲労感、集中力の低下、自己評価の低下、社会的な孤立感、睡眠障害などさまざまです。

寝ている女性
(c)Adobe Stock

うつ病と現れる症状は似ていますが、うつ病と異なるのは発症の原因が特定しやすいことです。

うつ病はストレスが減っても症状が続きやすいのですが、適応障害はストレス因から離れると比較的早く回復するという特徴があります。

はっきりと言えるのは、うつ病や適応障害になるのは、本人が甘えているわけでも、怠けているわけでもない、ということです。

気合や根性で、神経伝達物質の分泌を促すことはできませんし、環境や状況が変わらなければストレス因がなくなることはないからです。

* * *

TOP画像/(c)Adobe Stock

合わせて読みたい!

書影

『精神科医が教える 笑顔うつから抜け出す方法』(精神科医 しょう著/あさ出版)

・ゆううつな気持ちがずっと続いていたり体が重くなっているにもかかわらず、会社の人や友人たちには明るい表情で接して悟られないようにしてしまう……。
・1人になったら悲しくもないのに涙が止まらなくなる。
・最近うっかりミスが増えてきた。
・やらなきゃと思うのに、体が動かない。
・外ではきちんとできるのに、家の中はめちゃくちゃ。
・しんどくても元気にふるまっているのに、「気持ちの問題だよ」「まじめにやってよ」「誰でもそんなことあるよ」と言われて、理解してもらえない……。

こんなことはないでしょうか。もしかするとそれは「笑顔うつ」のサインかもしれません。
この本では、まわりから理解されにくい「笑顔うつ」をイラストでわかりやすく解説。
「ホントはしんどいのにまわりに言えない人」に向けて、精神科医が体と心のケアの仕方を紹介します。


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