能動的とは
「いつも率先して行動している」「指示を受けなくても、自分から業務に取り組んでいる」。能動的に動いている人を指して、こんな風に表現します。気持ちでは「自分から動かなくては!」と思っても、実際には躊躇してしまうことがありますよね。今回は、能動的の意味や受動的との違い、能動的な人の特徴を紹介します。
能動的とは、自分から他へ働きかけるさま、他からの働きかけを待たずに、自ら行動することを言います。自ら問題や課題を発見し、テキパキと業務をこなし、それが解決すると、また新たなことにチャレンジしていく。能動的な人が、一人でも周りにいると、ポジティブな気分になりますよね。
能動的を英語で表すと「active」。activeには、他に、「活動的な・行動的な・精力的な」という意味もあり、能動的に通じるものがありますね。
一方で、能動的の対義語に「受動的」があります。他から動作・作用を及ぼされるさま、自分の意志からでなく、他に動かされてするさまを言います。
能動的と受動的の違いは、自分から他に働きかけるか、他から働きかけを受けるか、ということ。受身の状態でいるということは、ある種、楽なことかもしれません。失敗も少ないでしょうし、傷つくことも避けられるでしょう。
しかしながら、人生は一度きりしかありません。自分の人生を自分らしく生きていくには、物事に能動的に関わるということが大切といえるのではないでしょうか?
能動的な人の特徴
どんなことでも自ら進んで行動する人には、共通する特徴があるようです。一緒に見ていきましょう。
1:自己肯定感が高い
能動的な人は、多くの経験があり、自分を信じる力も強いので、自己肯定感が高いと言えます。例え、失敗したとしても「これは次への糧となる」と前向きに捉えます。困難に陥ったとしても、今まで得てきた経験の中から、成功体験とつなぎ合わせて「こうすれば、うまくいく」と次の行動へと自らを導いていく場合が多いです。
2:チャレンジ精神がある
能動的な人は、失敗を恐れず、チャレンジしていくと言えます。自分から主体的に周りに働きかけて行動するには、初めてのことでも、まずは、「やってみよう」という気持ちが必要です。誰もチャレンジしたことがない試みや取り組みなどを成し遂げた場合、更なる高みを目指していくでしょう。
3:自分の弱みを知っている
自分の苦手なことや弱みをしっかり把握できていることも、能動的な人の特徴と言えます。何でもできるオールマイティな人はいません。自分の得意・不得意を認識し、自分の不得手なことは、他人を頼る素直さを持ち合わせています。自分の弱みを素直にさらけ出せる人は、そのこと自体が強みとも言えます。
能動的であることの利点
能動的に行動できる人にはメリットがあります。個人にとっても組織にとっても重要なことですね。覚えておきましょう。
1:リーダーシップが開花する
能動的に行動すると、周囲にいい影響を与え、自然とリーダーシップの資質を発揮することになります。人へ指示するだけではなく、自ら率先して動くので、周りから頼れる存在になるでしょう。上司からも同僚からも部下からも、無くてはならない存在になる場合が多いです。チームのエンゲージメントも向上します。
2:自己成長を促進する
主体的な心構えや姿勢を持つことで、新しいスキルや知識を得ることが期待できます。自分がどう立ち回るべきか、どんなふうに行動すればうまくいくか、試行錯誤しながら、失敗も成功も全て、自己成長につなげていきます。自ら行動することで、効率的に仕事をこなすので、業務サイクルが短縮され、成長が促進されやすいと言えるでしょう。
3:チャンスが巡ってくる
能動的な人は、周囲から注目されやすく、期待もされるので、チャンスが巡ってくる機会が多いと言えます。指示されたことをただこなすだけでは、それで終わってしまいますよね。自ら行動を起こし、結果を残すことで、新しいビジネスチャンスが巡ってくるでしょう。
4:問題解決能力の向上
自ら行動を起こし続けていると、問題に対する柔軟なアプローチを導けるようになります。行き詰りや困難に遭遇しても、その都度、創意工夫して乗り越えていきます。目標や計画を実現する確率も高まると言えるでしょう。
類語や言い換え表現は?
能動的と似た意味を持つ言葉にはどんなものがあるのでしょうか。これを機に覚えておきましょう。
1:積極的
進んでことをしようとするさま。物事に、前向きな姿勢を言います。成功や成長に向けて、みずから進んで、行動していく様子と言えるでしょう。積極的なコミュニケーションを取る、積極的にボランティア活動に参加する、というように表現します。
2:主体的
他人に強制されたり、盲従したり、また、衝動的に動くことなく、自分の意志、判断に基づいて行動するさまを言います。主体的に問題解決にあたる、主体的なアプローチを取る、というように表現します。
3:自主的
他人からの指図や干渉によらずに、なすべきことを自分の意思に基づいて行うさまを言います。自主的にトレーニングをする、自主的なイニシアチブを発揮する、というように表現します。
最後に
本記事では、能動的について解説しました。自分から周りに働きかけて、行動することは勇気がいるかもしれませんね。初めの一歩として、周りでイキイキと能動的に働いている人を観察することをおすすめします。朝早く出勤する、笑顔で挨拶をする、デスクを整理整頓するなど、能動的な人の習慣は見習うべきことがたくさん見つかるはず。1つでもできそうなことがあれば、真似してみてはいかがでしょうか?
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