“くじけやすい人”は“くじけないコツ”を知らないだけかも……
勉強や仕事、恋愛、友人関係などにおいて、うまくいかずにくじけそうになった経験は誰にでもあるかと思います。
特に昨今は、SNSを見ては、他人と自分を比較して落ち込んでしまっているという人もいるのではないでしょうか。
でも、くじけてもすぐ立ち直ることができる人もいれば、落ち込んでしまいなかなか立ち直れない人もいますよね。
「『くじけやすい』人は、必ずしも、不真面目な人ではありません。『心が弱い』人でもありません。
むしろ、まじめな、がんばり屋さんがほとんどです。ただ、『くじけないコツ』を知らないだけなのです。
ちょっとしたコツをつかめば、『くじけない人』に生まれ変わることができます」
ー-そう語るのは、心理カウンセラーの植西 聰さん。
そこで、植西さんの著書『くじけない心のつくりかた』より、「くじけない心のつくりかた」のコツをご紹介。計4回のプチ連載でお届けします!
前回の記事はこちら>>あれやれ、これやれと一方的な上司… モチベーションはどう保つ?
「どうせダメ」はあなたの勝手な思い込みで、事実ではない
心がくじけやすい。ちょっと嫌なことがあると、すぐにやる気をなくしてしまう。
こういった人には、次のような心理的傾向があるようです。
・( 何をするにしても)「どうせダメだ」「どうせ無理だ」と決め込んでいる
・自分を、「これといった能力がない人間だ」と思い込んでいる
・失敗することを、極端なまでに怖れている
・過去の失敗体験をずっと引きずっている
・物事のネガティブな面だけをクローズアップして見てしまう
・落ち込んだときに助けを求めず、一人で悩み続ける
・何事においても完璧主義である
思い当たる項目が二つ以上ある方は、「心がくじけやすい」と言えるかもしれません。
特に、一つめの「 (何をするにしても)『どうせダメだ』『どうせ無理だ』と決め込んでいる」は、「心がくじけやすい人」の典型的な特徴です。
しかし、これは本人の思い込みにすぎないとしても、うまくいくかいかないかは、やってみなければ誰もわかりません。
この「どうせ」という言葉を、「どうせなら」という言葉に言い換えてみましょう。
「チャンスはもらったけれど、どうせダメだ」ではなく、「せっかくチャンスをもらったのだから、どうせならやってみるか」といったようにです。
「どうせなら」という言葉を使うように心がけることで、気持ちが自然と前向きになっているのを感じるはずです。
自分の限界を知って、実力以上のものを望まない
「くじけない人」とは、必ずしも、「自分の実力以上のことをやろうとする人」ではありません。
むしろ、「自分の限界を知っている人」と言えるのではないでしょうか。
「自分の限界を知っている人」とは、自分には今、このくらいの実力しかないということをよく認識している人です。自分の現状をよく理解している人です。
このタイプの人は、自分の実力を超えた、無理な目標を持つことはありません。
それがたとえ周りの人たちに自慢できないような目標であっても、自分の実力に見合った目標を設定し、その目標をくじけることなく着実に達成していきます。
そして、少しずつであっても、自分の実力を高めていきます。
一方、「自信過剰な人」、つまり、「自分には弱いところなどないと考えている人」は、往々にして自分自身の力を過信して、自分の実力以上の目標を掲げてしまいがちです。
周りの人に「スゴイと思われたい」という虚栄心も働き、高すぎる目標を持ちます。
しかし、自分の実力以上の高すぎる目標を掲げたために、途中でうまくいかなくなって、結局は心がくじけてしまうことになりがちです。
そういう意味では、「自分の限界を知っている人」のほうが、着実な目標を達成し、少しずつ自分の能力を向上させながら、最終的には大きなことを成し遂げることができるものなのです。
自分自身に謙虚に向かい合える人が、「くじけない人」なのです。
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『くじけない心のつくりかた』(植西 聰 著/あさ出版)
ちょっとした失敗、ちょっとしたトラブル、ちょっとした他人からのひと言に、思いのほか、深く傷ついたり、くじけたりすることはありませんか?
人はくじけやすいと、ちょっとしたことで心が疲れ、パフォーマンスが下がってしまいます。
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「くじけない心」を身につけると、毎日が充実し、未来が楽しみになります。
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