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2023.09.20

誤用が多い「琴線に触れる」の正しい意味や使い方とは? 語源や類語も紹介

「琴線に触れる」とは、心が動かされ、深く感動することです。語源には中国故事が関係しているのだとか。最近では間違った意味や使い方で覚えている人が多く、誤用されやすい表現です。本記事では、「琴線に触れる」の正しい意味や使い方、さらには語源や類語についても解説していきます。

「琴線に触れる」の意味や語源とは?

「琴線に触れる」という言葉をご存知でしょうか? 意外と読み方や使い方に間違いが多い表現です。まずは正しい意味や読み方から確認していきましょう。

琴の写真
(c)Adobe Stock

読み方と意味

「琴線に触れる」の読みは、「きんせんにふれる」。「琴線(きんせん)」には2つの意味があります。1つめは、バイオリンや琴など、弦楽器に使用される糸のこと。そして2つめは、感動し動きやすい人間の心情のこと。

楽器を弾く時、琴線に触れると糸が振動して音が鳴りますよね。人間の心情も同じように、なにか感動する出来事があれば心が動き共鳴します。つまり「琴線に触れる」とは、胸の奥にある心情が動かされ、深い感動が起こるという意味なのです。しかし文化庁の調査によると、「琴線に触れる」を本来とは異なる意味で理解している人が多いそう。

本来の意味に反して、「怒りを買ってしまうこと」と捉える人の割合が増えているようです。「逆鱗に触れる(げきりんにふれる)」という言葉と言い回しが似ていることで、意味が混同してしまうのかもしれませんね。ただし「琴線に触れる」は、あくまでも良い感銘を受けるというニュアンスです。

参考:「『琴線に触れる』の意味」 文化庁

語源

「琴線に触れる」の語源は、中国故事にあると言われています。周の時代に、琴の名手である伯牙(はくが)が親友の鐘子期(しょうしき)に琴を奏でた際、琴の音色を聞くだけで鐘子期が伯牙の心情を理解し、感銘を受けたことが由来なのだそう。ここから、胸の奥に秘められた感情が動き、共鳴する様子を「琴線に触れる」と表すようになったのですね。

使い方を例文でチェック!

「琴線に触れる」は、使い方にも誤用が多い言葉です。これまで間違えて使っていたという人も、いるかもしれません。いくつか例文を挙げていますので、正しい使い方を覚えていきましょう。

カーテンを開ける女性
(c)Adobe Stock

1:「初めて彼の歌を聴いたが、何か琴線に触れるものがあった」

皆さんも、歌や曲に感動した経験があるのではないでしょうか? 特にライブやコンサートに行ってパフォーマンスを見れば、心が大きく揺さぶられることでしょう。琴線に触れる経験をしたからこそ、ファンクラブに入ったり、何度も会場に足を運ぶようになるのです。

2:「心の琴線に触れるようなストーリーだった」

「琴線」という単語だけで感動する心情のことを意味しますが、「心の琴線に触れる」というように、弦楽器との区別を強調する言い方をすることも多いです。映画やドラマで、感銘を受けた時も「琴線に触れる」を使うことができるでしょう。

3:「恩師の言葉が、私の琴線に触れて涙がとまらなかった」

「琴線に触れる」は、歌やパフォーマンス、絵、映画などの作品に対して使うことが多いですが、誰かの言葉に感銘を受けた時にも使います。お世話になった先輩や先生の言葉が琴線に触れることもあれば、幼い子供のまっすぐな言葉に心を動かされることもあるかもしれませんね。

4:「大自然の中で見た景色が、琴線に触れた」

仕事や家事で忙しい日々が続いていると、ふと見かけた景色に感動を抱いたりしますよね。気分転換にドライブしたり、美術館へ行ったりすると、これまではなんとも思わなかった景色や作品にも感慨深い気持ちを抱くようになるかもしれません。

「琴線に触れる」の言い換えや類語表現を紹介

「琴線に触れる」は、深い感動を受けて心が動く様子を表した言葉でした。では、似た意味を持つ表現には何があるのでしょうか? ここでは「琴線に触れる」の言い換えや類語表現について解説しています。意味や使い方を一緒にチェックしていきましょう。

感動する女性
(c)Adobe Stock

1:感銘を受ける

これは日常生活でもよく使う表現ですよね。「感銘(かんめい)」は、忘れられないほど深く感動すること。また、心に深く刻み込むことを言います。「感銘を受ける」、「感銘する」などと使うことが多いでしょう。「感銘を与える」というように、立場を変えて使うこともできます。

2:心を奪われる

強く惹きつけられたり、魅了されることです。「琴線に触れる」のように、アーティストや作品に対して使うことが多いでしょう。ただ感動するよりも、熱中してしまうほどに惹きつけられる様子を表現できます。「あの子の歌声に心を奪われた」というような例文が挙げられるでしょう。

3:胸を打つ

「胸を打つような経験」などと言ったりしますよね。感嘆する、感動させられるという意味です。実は「胸を打つ」にはもう1つ意味があることをご存知でしょうか? それは悲しみや無念さから自分の胸をたたいて嘆くという意味です。

ニュアンスが異なるので、使い分ける際には前後の文脈に気をつけましょう。

4:感無量

はかりしれないほど身にしみること。また、なんとも言えないほど深く感情を抱くこと。元来は、「感慨無量」だったものを省略した形です。「無量」が、「数え切れない、はかりしれない」という意味の単語であるため、感情がはかりしれないほど溢れていることを表現できるでしょう。

最後に

「琴線に触れる」について理解していただけましたか? 心が動く瞬間というのは皆同じではなく、人によって異なります。ライブに行った時、本を読んでいる時、ドラマを見ている時など、様々なシチュエーションがあるでしょう。もしかすると、経験を重ねていくほど心が躍ったり感動することは少なくなっていくかもしれません。

大切なのは、自分にとって心が動いた体験を忘れないこと。それを趣味にして続けていくのも良いですし、味わった感動や楽しみはできるだけ感じ続けられるようにしたいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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