カジュアルなお礼状とは
親しい人たちから何か贈り物を頂いたり、共に楽しい時間を過ごしたり、食べ物をおすそ分けして頂いたりといったことはよくあること。このように普段の生活の中で、相手に「ちょっとしたお礼」を伝えたくなるタイミングは、結構多いのではないでしょうか?
今は、LINEやメールなどで気軽に感謝の気持ちを伝えることができる便利な時代ではあります。しかし、ひと手間加えてお礼状を出すことで、気持ちが込めたお礼状を受け取った方もその細やかな心使いに、温かい気持ちになることができそうですよね。
「カジュアルなお礼状」とは、一筆箋やハガキなどを使用した、比較的短めに感謝の気持ちを伝える手紙のことを指します。長文の手紙ではなく、気軽な雰囲気で、簡単な言葉を用いてお礼を伝えることができるものです。
お礼状を頂いて、嫌な気持ちになる人はほとんどいないでしょう。カジュアルなお礼状を積極的に用いることで、今後の人間関係を円滑にしてくれるはず。本記事では、カジュアルなお礼状を書く際の文の構成や、例文、注意点などを紹介していきます。
カジュアルなお礼状の構成
相手から何かを頂いたり、同じ時間を共有できたことへの感謝を伝えたい場合。そのようなお礼状は、基本的にはその内容に関わらず、構造は同じスタイルでOKです。
・時候の挨拶
・お礼の言葉
・本文(頂き物や共に時間を過ごしたことへの感想など)
・結び
このような順番で構成していくと、相手にも気持ちが伝わり読みやすいお礼状になりますよ。
カジュアルなお礼状を書くポイントは、文を短くまとめ、内容を簡潔に伝えることを意識すること。全体的にコンパクトにまとめる分、送る相手は親しい方に送るのがよいでしょう。
カジュアルなお礼状の例文
お礼状を送る手段は、手紙でもハガキどちらでもOKです。どちらにせよ、手間はかかりますが、手書きだとより気持ちが伝わるのでおすすめ。メールやラインで手軽に気持ちを伝えることが定番化した今では、お礼状の手紙も印刷したものを送るやり方が多いかもしれませんね。確かに沢山の方にお礼状を送る場合、パソコンを使用したり、大量に印刷したものを使うと早い上に便利ではあります。
最近では可愛くておしゃれなデザインの一筆箋やレターセットもたくさん販売されています。相手のイメージに合いそうなものを、考えながら選ぶのも楽しいひと時です。この機会に手書きで感謝を伝えてみてはいかがでしょうか?
ここでは、カジュアルなお礼状のシーン別例文を紹介します。
1:目上の人との再会後に使える例文
「拝啓 秋月の候 お変わりなくお過ごしでしょうか? 先日は大変お世話になりありがとうございました。お陰様でとても楽しい時間を過ごすことができました。心から感謝しています。略儀ではございますが、お礼を伝えたくペンをとりました。今後も変わらぬご指導のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。季節の変わり目につき、ご自愛ください」
こちらは同年代の友人というより、年の離れた友人や少し目上の知人へのお礼状に使える例文です。時候の挨拶は秋を想定しています。
2:ちょっとした贈り物を頂いた場合
「拝啓 新緑の候 このたびはお心遣いを頂きありがとうございました。とても美味しい果物、家族皆でありがたく頂戴しました。取り急ぎお礼を申し上げたく、ご連絡させて頂きました。季節の変わり目につきご自愛ください。本当にありがとうございました」
食べ物やお土産を頂いた時に使えそうな例文です。時候の挨拶は新緑の頃を想定しています。
3:お世話になった相手へ送る場合
「拝啓 先日は大変お世話になりありがとうございました。おかげさまで研修中、学ばせて頂きながら楽しく過ごすことができました。皆様がしてくださったご配慮に感謝しております。また機会がありましたら、お会いできることを楽しみにしております。本当にありがとうございました」
転勤で職場を離れる場合やインターン、研修などでお世話になった方々と離れる時に使える例文です。多くの場合、親しくなっても再び会う機会が少ないケースがほとんどではないでしょうか? もちろんお礼状だけでも気持ちは伝わりますが、菓子折りなどを添えるとより一層感謝の気持ちを伝えられるでしょう。
カジュアルなお礼状に関する注意点
簡易的で手軽さが魅力のカジュアルなお礼状ですが、判断を誤ると相手に失礼に捉えられてしまう可能性もあります。そうならないためにも、最低限の注意するポイントを紹介しますね。
1:まずはカジュアルなお礼状を出していい相手か判断する
親しい相手なのか、目上の相手なのかを考えて判断します。家族ぐるみのお付き合いがあれば、相手のご家族のことまで配慮したいですね。
2:相手の状況を確認する
相手が喪中や、病気治療中、介護が忙しいなど、可能であれば相手の状況を確認してからお礼状を出すのがベスト。お礼状を出すのにふさわしくない状況であれば、タイミングをずらすのも選択肢です。
3:季節感を出す
手紙の書き出しは、季節感を出す文言を加えるのが慣例です。例えば、
・陽春の候
・新緑の候
・秋月の候
・師走の候
のような、それぞれの季節を感じる挨拶が月・時期ごとに何種類か存在します。挨拶文が入るだけで、一気に季節感が出るお礼状になりますよ。
4:お礼は早めに
可能であれば、お礼状は早めに出すことをおすすめします。そうすることで、相手により感謝の気持ちが伝わりやすくなりますよ。何日も経過してからだとお互い記憶も曖昧になり、熱が冷めている可能性も…。
しかし、遅くなってしまったとしても、お礼状を出すことが失礼になることはありません。タイミングを逃してしまい、贈り物を受け取ってから時間が経過している場合は、取り急ぎお礼の電話を入れるとよいでしょう。その後で改めてお礼状を送ると、相手に丁寧な印象を与えます。お礼状には遅れてしまったことへのお詫びを添えておくのがベストです。
最後に
日々の生活が忙しいと、つい手軽な手段でお礼を伝えて終わるパターンになりがちです。しかし、お礼状は手間をかける分、感謝の気持ちがより伝わるもの。カジュアルなお礼状を書くなら、ポイントを押さえて相手との関係がよりよいものになりますように。
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