この記事のサマリー
・「目的」は最終的に到達したいゴールで、「目標」はそこへ向かう具体的な指標のことです。
・目的は長期的に定めるもの、目標は短期的かつ複数設定されるものといえます。
・目的と目標を分けて考えることで、モチベーション維持や進捗管理にも役立ちます。
「目的」と「目標」は似た言葉に見えますが、仕事や日常で使う上では、きちんと意味を分けて考えることが大切です。何となく同じように使っていると、進むべき方向や取るべき行動が曖昧になってしまうこともあります。
最終的に目指すゴールと、そのために設定する具体的な指標の違いを整理しながら、目標達成に役立つ考え方までわかりやすく整理していきましょう。
目的と目標の違いは?
まずはそれぞれの意味を確認します。

意味
目的と目標をわかりやすく表すと、このようになります。
・目的:最終的に到達したいゴール
・目標:目的を達成するための具体的な指標
簡単にいうと、「目的」という最終地点があり、それに達するまでの間に設定される指標が「目標」です。つまり、目的は長期的に定めるもの、目標は複数設定され、短期的に置かれるものといえます。
マラソンを例に考えてみましょう。「完走すること」を目的とすると、その過程において「5キロ地点を20分以内で到達する」「10キロ地点で給水する」といったペース配分や給水のタイミングが必要となってきます。これらが目標にあたります。
ビジネスにおいては、「マネージャーになること」を目的とする場合、「1年目から売上トップになる」「毎日50件のテレアポを実施する」といった、段階的・具体的な数値を伴う達成事項が目標の具体例となります。
こうして考えてみると、あまり意識して使い分けていない言葉かもしれませんね。しかしながら、ビジネスにおいては、使い方を間違うと誤解や不信感を生む可能性も考えられます。こうなりたい、という姿に向けて、目標を設定し、一つずつ着実にクリアしていけば、ゴールである目的を達成できるようになるでしょう。
どんな目標達成方法があるの?
目的に到達するためには、指標となる目標を達成することが重要ですね。ここでは3つ紹介します。
SMART
SMARTとは、目標設定の手法の1つです。重要なのは誰が見てもわかりやすい目標設定になっているということ。大切な要素が5つあり、その頭の文字をとっています。
・Specific(具体的か)
具体的な表現や言葉で表し、誰が読んでもわかる
・Measurable(測定可能か)
内容を定量化(数字で表す)し、達成度合いが一目でわかる
・Achievable(達成可能か)
与えられたリソース(時間・人員・予算など)や能力の範囲内で、実際に達成可能かどうかを確認する
・Realistic(現実的か)
目標が組織の戦略や経営方針と整合し、現実的に実行可能かどうかを確認する
・Timed(期限が適当か)
いつまでに達成するか、期限を設定する
SMARTを活用すれば、目標達成の近道になりそうですね。適切な目標設定はモチベーションの安定にもつながります。
参考:『プログレッシブ ビジネス英語辞典』(小学館)
マンダラチャート
マンダラチャートは、3×3の合計9マスで構成される目標達成フレームワークです。中央のマスに主目標を記入し、その周囲の8マスに、目標を達成するためにやるべき具体的なアクションを記入していきます。メジャーリーガーの大谷翔平選手が高校生の頃から、マンダラチャートを活用していたことが知られていますね。
真ん中の1マスに目標を書き、その周囲のマスに、目標を達成するためにやるべきことを書き込んでいきます。
名前の由来は、密教(仏教の一派)の世界を表した曼荼羅(まんだら)です。この曼荼羅の図に見られるような構成から、マンダラチャートという名前がついたとされています。マンダラチャートを用いると、目標達成のために何をすべきかが、明確になるので、アクションを起こしやすいといえます。

目標管理制度(MBO)
MBOは「Management by Objectives」のこと。会社と社員の方向性を擦り合わせ、目標設定を社員自らが行えるようにするマネジメント手法です。各社員が自ら目標を設定し、その達成までの過程を管理していく方法を指します。
社員自身が目標達成までを管理するので、具体的な道筋が見え、業務の効率化が期待可能に。モチベーション向上にもいい影響を及ぼし、企業の業績向上にも期待できるでしょう。
目標を設定するメリットは?
目標を決めて仕事に向き合うと、いろんなメリットがあります。一緒に見ていきましょう。
高いモチベーションの維持
達成すべき目標があることは、モチベーションをキープしやすくなります。特に、最終的な目的到達までに複数の目標が設定されている場合、1つの目標をクリアできるたびに喜びや満足感を得ることができ、これが次の目標達成へのやる気となります。
また、段階的な達成経験を通じて自信が深まり、全体的な成長速度も加速する可能性があります。
さまざまなスキルが身に付く
目標を設定すれば、その目標に必要なスキルを身に付けることができるようになります。特に、段階的に目標を設定している場合は、その目標にあったスキルを吸収していくことができ、スキルアップが期待できます。
効率的に早く目標を達成するには、どうすればいいかを考え、創意工夫する力も身に付くでしょう。
進捗状況が把握できる
目標を設定すると、目的到達までにやるべきことが具体化されます。その結果、自身の進捗状況や進む方向を把握しやすくなり、目標とのズレを最小限に抑えることができます。
これにより、無駄な動きを避け、効率的に進むことが可能になります。組織運営の観点からも、上司は部下の進捗管理や指導がしやすくなり、組織全体の円滑な運営が期待できるようになります。
目的と目標を使った例文
目的と目標、それぞれの違いをさらに理解するために、例文で使い方をマスターしましょう。
目的の例文
目的は、目指す最終地点が抽象的な場合や、達成に時間がかかる場合に使われます。
・「このイベントの目的は、参加者に笑顔になってもらうことだ」
・「この企画を成功させるという目的のためには、もっと努力が必要だ」
・「私の人生の目的は、世界中の人が仲良くなることです」

目標の例文
目標は、目的を達成するための具体的な指標であり、多くの場合、数値で示されます。
・「今週中にアイデアを5つ出すことが目標です」
・「今月の目標は、新規顧客を10件獲得することだ」
・「今日のインターンシップでは、20人の学生を次回予約につなげることを目標にします」
「目的と目標」に関するFAQ
ここでは、「目的と目標」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「目的」と「目標」の違いは何ですか?
A. 「目的」は、最終的に実現したいゴールや到達点を指します。一方、「目標」は、その目的を達成するために途中で設定する具体的な指標や目印のことです。大きな方向性が目的、そこへ進むための具体策が目標と考えると分かりやすいでしょう。
Q2. 目的と目標は、どちらが先に決まるのですか?
A. 基本的には、まず目的を定め、その後に目標を設定します。どこを目指すのかが明確になってはじめて、そのために何を、いつまでに、どの程度やるべきかという目標を具体化しやすくなるからです。
Q3. 目標はできるだけ具体的にしたほうがいいですか?
A. はい、具体的にしたほうが達成しやすくなります。記事でも、SMARTのように、具体的か、測定可能か、達成可能か、現実的か、期限が適切かといった観点で目標を設定する方法を紹介しました。数値や期限があると、進捗も確認しやすくなりますよ。
最後に
目的と目標は、一見似ているようで、実は大きな違いがあるということを紹介しました。「初めてしっかり理解できた」という人も多いのではないでしょうか? 目的を達成するには、その過程となる目標を一つずつクリアにしていくことが大切です。
いい目標を立てることで、会社からの評価につながり、自身の成長にもつながることが期待できますね。
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武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
ライター所属:京都メディアライン



