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2023.08.28

代休と振休の違いって? よくある誤解も解説【社労士監修】

代休とは、休日出勤した結果、後日休みを取ること。それに対して、振休とは、「休日の振替」の略称で、事前に休日と出勤日を入れ替えることです。この2つは混同されがちですが、割増賃金の扱いも違うことをご存知でしょうか? この記事では、代休と振休の違いや、よくある誤解を解説します。

「代休」と「振休」の違いをご存知ですか? どちらも、なんとなく、「休日出勤した代わりの休み」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。似ている呼び方なので、違いが分からないという方も多いでしょう。ですが、厳密には、割増賃金などの扱いが違うことをご存知でしょうか?

この記事では、代休と振休の違いや、割増賃金はどうなるのかについて解説します。自分のお金と時間に関わる大切なことですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

代休と振休って違うの?

「代休と振休は、同じものではないの?」という疑問をお持ちの方も、いらっしゃるのではないでしょうか? 実際に、会社などでも、代休と振休を混同しているケースが少なくありません。また、人によっては、振休と代休を入れ違えて覚えてしまっていることもあるようですね。

この違いを知らなかったために、違法なことを知らず知らずのうちにしてしまう会社もあるのが実態です。そこで、ここからは、代休と振休の違いを詳しく見ていきましょう。

1:振休とは

振休とは、前もって休日を勤務日とする代わりに、他の勤務日を休日にすること。このように、事前に休日と勤務日を振り替えることから、「振替休日」や、「休日の振替」などと呼ばれます。これを略して、「振休」と呼ぶというわけですね。

振休は、休みの日と、働くべき日を、あらかじめ入れ替えるということです。ですので、もともと休みだった日に働いたとしても、それは休日労働ではなく、休日勤務分の割増賃金も発生しないのが原則。これは意外と知らない人も多いので、おさえておきたいポイントです。

2:代休とは

代休とは、振休のように、前もって休日を振り替えるのではなく、休日に働かざるを得なかった場合、後日代わりに別の日を休みにすることです。

この場合、代わりに後日休んだとしても、「本来休みであった日に働いた」という事実は、消すことができません。ですので、その分の割増賃金が発生するということもポイントですよ。

電卓とお金
(c)Adobe Stock

こう聞くと、「じゃあ、どのくらい割増になるの?」というのも気になるところですよね。これは、法定休日と所定休日という考え方が関わってきますので、詳しく見ていきましょう。

法定休日と所定休日とは?

「休日出勤」と一言で言っても、実は2種類あることをご存知でしょうか? 最近では、週休2日の会社が多いので、この違いを意識することは、少ないかもしれませんね。ですが、法律上は区別されるものですので、詳しく見ていきましょう。

まず、大前提として、労働基準法によれば、最低毎週1回以上、または4週間に4回以上の休日が必要とされています。この法律で定められた最低限の休日は、「法定休日」と呼ばれますよ。例えば、週休2日制の会社の場合、休みの日のうち、1日が「法定休日」となり、もう1日は、「所定休日」と呼ばれる休日になります。

なお、法定休日と所定休日で、賃金の割増率が違ってくることも、重要なポイント。出勤した休日が法定休日だった場合は、35%以上、所定休日だった場合は、25%以上の割増となります。週休2日に慣れていると、この違いは意識しにくいですよね。このことを知らずに、給料明細を見て、「休日手当がおかしい!」とトラブルになることもあると聞きます。

考える女性
(c)Adobe Stock

次に、同じ週の中で、休日と出勤日をあらかじめ入れ替えるような場合は、どうなるのかを見ていきましょう。この場合、いわゆる「振休」のパターンとなりますので、休日出勤という考え方にはなりません。ですので、割増賃金は発生しないのが原則です。

なお、法定休日や所定休日が何曜日なのかは、会社によって変わってくるでしょう。「うちの会社はどうなっているの?」と気になる方は、一度就業規則や雇用契約書をチェックしてみるのがおすすめです。

振休でも割増賃金が発生することがある

振替休日は、前もって休日と出勤日を入れ替えているので、原則は割増賃金が発生しないというお話をしました。ですが、例外のケースもあります。例えば、振替休日が翌週になった場合などですね。労働基準法上、働いた時間が1週間40時間を超える場合、割増賃金が発生するからです。

例えば、1日8時間勤務の会社の場合、週5日以上勤務すると、1週間の労働時間が40時間を超えてしまいますよね。ですので、週またぎの振休のパターンは、週40時間を超えた分の割増賃金の支払いが必要になるということも、おさえておきましょう。

振休は「いつか休む」ではだめ

会社によっては、振休を正しく運用していないケースもあるようですね。中には、「悪いけど、今日は休日だけど出勤してくれない? 業務が落ち着いたら、振休を取っていいからさ」などと、急に呼び出されたという話も。また、さらにひどいケースでは、休日出勤したところ、結局うやむやにされてしまうこともあるようです。

このように、「結局休めていないし、休日手当ももらっていない」というケースも、残念ながら実態としてあるようですね。ですが、このように「いつか仕事が落ち着いた時期に休んでいいから、割増賃金はなし」というような運用は、正しくありません。

本来、休日とは、働く義務がない日ですよね。これを振り替える場合は、事前に、「〇日に休んでもらう」というように、振替休日をあらかじめ明確にする必要があります。

代休のよくある誤解

ここからは、代休についてのよくある誤解も見ていきましょう。

まず、繰り返しになりますが、代休は、振休と違い、休日出勤の事実は消すことができません。そのため、「代休を取っているので、割増賃金はもらえない」というのは誤解です。

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(c)Adobe Stock

会社によっては、急な休日出勤を命じられて、後から代休を取った結果、「代休を与えたのだから、賃金は割増にならない」などと言われるケースもあるようですね。

ですが、厳密に言うと、あらかじめ休日を振り替えていたケースと違って、休日出勤をした結果、後日他の日に休んだとしても、割増賃金は発生します。また、そもそも休日労働は、36協定を労働者と会社の間で結んでおかなければ、させることができないということもポイント。

このように、休日労働は、ルールをしっかり定めておく必要があるということも、おさえておきたいですね。

参考:山梨労働局

最後に

この記事では、振休と代休の違いを解説しました。この2つは、よく誤解されがちな概念です。なるべく休日出勤は避けるに越したことはありませんが、忙しい時は避けられないこともあるでしょう。そんな時のために、正しい定義や、割増賃金との関係を知っておくと、安心ですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

【関連リンク】

塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表

行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン


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