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「デジャブ」とは?
「今、デジャブが起きてるかも」。こんな言葉を聞いたことはありませんか? 日常会話からアニメ、映画など創作の世界でもたびたび登場するこの言葉。日本語では「既視感」と言い換えることができます。
かなり浸透している言葉ですが、辞書で意味を確認したり、なぜデジャブが起きるのかというメカニズムについて調べたりすることはあまりないのではないでしょうか?
そこで、本記事では、おさらいも兼ねて「デジャブ」の意味について紹介します。また、具体的なデジャブの例や、デジャブが起こりやすい人の特徴、デジャブが起こる原因などについて、巷で言われていることを調べてみました。
話のネタとして、ぜひ活用してみてくださいね!
「デジャブ」の意味
「デジャブ」とは、「一度も経験したことがないのにも関わらず、既に経験したことがあるように感じること」「過去に経験したことがある気がするという感覚」のこと。
「デジャブ」はフランス語がもとになっていおり、「déjà-vu」と綴ります。したがって、日本語では「デジャブー」だったり「デジャビュ」「デジャヴ」など、さまざまな表記で表されますが、意味はすべて同じです。
対義語「ジャメビュ」の意味
デジャブはしばしば耳にしますが、その対義語はあまり聞きません。日本語では「未視感」と言い、フランス語では、「jamais vu」と綴ります。「普段から見慣れたものを始めて見たと感じること、体験」のことを「ジャメビュ」と言うのです。
これってデジャブ? デジャブの例を紹介
なぜデジャブに陥るのか、とっても不思議ですよね。しかし、みなさんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか? ここでは、デジャブの具体的な例について、紹介します。
今までデジャブを知らなかったという方も、「これってデジャブだったんだ!」と新たな発見があるかもしれませんよ!
1:初めて訪れる場所なのに、懐かしさを感じる
絶対に来たことがない、あるいはまったくゆかりのない場所を訪れたのにも関わらず、過去に来たことがあるように感じた経験はありませんか? これはよくあるデジャブの例です。
2:目の前で起きている出来事を追体験している感覚になる
直面している出来事は、「今」「初めて」体験していることですよね。しかし、なぜだか以前にも同じことをしたような感覚になるという人もいるようです。結末までは分からなくても、そのときの結果に納得がいくというような不思議な感覚になります。
3:初対面の人を初対面と感じない
相手は自分のことを初対面だと思っているのに、「自分は相手とどこかで会ったことがあるように感じる」ということもデジャブです。つまり、デジャブとは相互に影響があるのではなく、あくまで個人的な感覚ということになります。
デジャブが起こりやすい人・起こりにくい人の違いとは?
デジャブが起こる心理的な過程は、未だに研究途中なのだそう。しかし、研究によりある程度デジャブが起こりやすい人の特徴や傾向が明らかになっているようです。ここでは、デジャブが起こりやすい人の特徴を紹介します。
1:若い世代
20代前後から60代前後を対象としたデジャブの出現率を調査したところ、年齢が高いほどデジャブの出現率が低下しているということが明らかになりました。これは、国などによって変化するというわけではなく、日本でもアメリカでも同様の結果になったそうです。また、性差も関連がありませんでした。
15歳から19歳の層がもっとも出現率が高く、加齢につれて出現率は低下します。
2:感受性が豊か
調査の結果、情緒の不安定さや幸福感を得やすい人は、ややデジャブが起こりやすい可能性があるということも分かったようです。その一方で、職業や学歴、住居環境などの要素とデジャブの出現率や懐かしさの感じやすさの関係性は見出されませんでした。
参考:デジャビュと懐かしさ経験に及ぼす加齢・個人差の影響 | CiNii Research
デジャブが起こる原因とは?
どんな人にデジャブが起きやすいかということも、どのような心理過程によってデジャブが引き起こされるのかも、未だに謎が多く残されているということが分かったのではないでしょうか?
記憶における類似性認知メカニズムの働き
公益社団法人 日本心理学会では、デジャブが起こる原因を以下のように説明しています。
デジャビュの起こる原因の1つは,記憶における類似性認知メカニズムの働きです。たとえば,私たちが,ある経験をする(たとえば場所を訪れる)ときには,類似した過去経験が自動的に想起されます。そのとき,現在の経験と過去経験の類似性が高いほど,既知感が高まります(未知感は逆です)。
引用:デジャビュ現象はなぜ起こるのですか? | 日本心理学会 (psych.or.jp)
また、加齢による記憶機能の低下とデジャブが関係しているのではないかという仮説があるようなので、今後の展開が楽しみですね。ほかにも、前頭葉における軽い発作・神経回路網の伝達の一時的障害という脳機能障害によってもたらされるとされる意見や、ある知覚経験が2通りの処理で保持される分離知覚によってもたらされるという意見があるようです。
参考:デジャビュ現象はなぜ起こるのですか? | 日本心理学会 (psych.or.jp)
デジャブの経験者は健常者の3分の2
かつてデジャブは記憶異常の問題という認識が強く、なかには「病気なのでは…」と不安に思っていた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は多くの人がデジャブを経験しており、その数は健常者の3分の2と言われています。ですので、深刻にとらえる必要はないといえるでしょう。
参考:デジャビュ現象はなぜ起こるのですか? | 日本心理学会 (psych.or.jp)
最後に
本記事では、デジャブの意味や具体例を見ていきました。デジャブが起きやすい人の特徴や原因などを、研究結果を交えながら紹介もしています。デジャブについては、まだ分からないところも多く、人体の不思議を感じますね。自身のデジャブの経験と合わせて話のネタにすれば、盛り上がるのではないでしょうか? ぜひ、活用してみてください。
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