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LIFESTYLE

2023.01.29

「地震・雷・火事・親父」の意味や語源とは? もとは「親父」ではなかった?

「地震・雷・火事・親父」とは、世の中の恐ろしいものを順に並べた表現です。また、父親の怖さは、地震や雷などに匹敵するほどのものだという意味も込められています。今回の記事では「地震・雷・火事・親父」の語源や、使われ始めた時期について見ていきましょう。

「地震・雷・火事・親父」って、どんな意味?

皆さんは「地震・雷・火事・親父」という言葉を聞いたことがありますか? なんともインパクトのある漢字の羅列。もしかするとあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。まずは簡単に言葉の意味から確認していきましょう。

手で影絵をする
(c)Shutterstock.com

「地震・雷・火事・親父」とは、世の中の恐ろしいもの、敵わないものを順に並べた表現です。ある1種の比喩表現だと捉えておくと良いでしょう。地震や雷などの天災は、人間の力ではどうにもできないものです。地震といえば、関東大震災や阪神・淡路大震災、東日本大震災など、これまでも地震によって大きな被害が出ていますよね。

雷に関しても、江戸時代は特に落雷が原因となる事故や火事の発生があったようで、地震の次に恐いものとして挙げられています。ただし、現代では気象予報の精度も向上したことにより、落雷による被害は少なくなってきていると言えるでしょう。地震や雷などの天災の次に、その二次被害として起こりやすい火事が挙げられています。ここまで災害が3つ挙げられているのにも関わらず、最後にある「親父」という変化球がこの言葉の面白いところ。

この表現には、地震や雷、火事などと並ぶほど親父は恐ろしくて逆らえない、という意味が含まれています。父親の権限や脅威を主張する表現ですね。「地震・雷・火事・親父というように、父親を怒らせると本当に怖い」などというように使うことができます。

「地震・雷・火事・親父」の語源とは?

災害と親父が同じように並べられたこの言葉。どのようにしてこの言葉が生まれたのか気になりますよね。「地震・雷・火事・親父」の語源については様々な説が出ているものの、実は未だにどれが正確なものかは実証されていないようです。そのため、ここでは有力だと考えられている説をいくつか紹介していきますね。

うずまき
(c)Shutterstock.com

1:家父長制によるもの

中世から明治時期にかけて、家父長制度というものがありました。これは家長である男性が、家の中で絶対的な権威をもつ家族形態のことです。今ではこのような風習はなくなりつつありますが、家長制の価値観が定着していた頃の日本において、父親の存在は恐れ多いものだったのかもしれません。その影響で「地震・雷・火事・親父」と並べて表現されるようになったという説があります。

2:実の父親ではなく、町村の名主や庄屋を指している

研究者の中には「おやじ」というのが実の父親を指しているのではなく、町村の名主や庄屋を指しているのではないかと唱える人もいます。名主や庄屋とは、江戸時代に村落内の行政を行っていた人々のこと。関東では名主、関西では庄屋と呼んでいたようです。これらの役員は村落内でも有力者であったため、その権威を表現したという一説もあるのだとか。

3:「おやじ」ではなく「おおやまじ」であった

「地震・雷・火事・親父」は元々「地震・雷・火事・大山嵐(おおやまじ)」だったのではないかという説もあるそう。大山嵐とは台風のことで、大風(おおやじ)とも言われています。発音が少し似ていることに加えて、語呂の良さやユーモアの観点から、いつからか「おやじ」と読まれるようになったと考えられているようです。

「地震・雷・火事・親父」はいつから使われていた?

「地震・雷・火事・親父」の語源について紹介しました。では、この言葉が使われ始めたのは一体いつ頃なのでしょうか? 語源とあわせてこちらもチェックしてみてくださいね。

手の先から吹き出し
(c)Shutterstock.com

「地震・雷・火事・親父」という言葉が生まれた明確な時期は、未だに明らかになっていません。しかし、この言葉が使われ始めたのは江戸時代後期だと推測できるでしょう。なぜなら、1831年に書かれた『尾張童遊集』という書物に「地震雷火事おやぢ」という記述があるからです。現段階で「地震・雷・火事・親父」に関する記述が確認されている書物としては、これが最も古いものでしょう。

その後、夏目漱石の『人生』や太宰治の『思ひ出』などの小説にも「地震・雷・火事・親父」について言及がなされています。

現代における「地震・雷・火事・親父」の捉え方

江戸時代や明治時代では、確かに父親や男性の権力が強いという風潮がありました。しかし現代においてはジェンダー問題も重視されるようになり、男女の格差も徐々に目立たなくなってきていますよね。そのため、父親のイメージもそこまで恐いものではなくなってきているかもしれません。そんな現代では「地震・雷・火事・親父」という言葉はあまりピンとこないと感じる方も多いのではないでしょうか?

実はこの言葉、今では色々な表現に言い換えて使われているのです。例えば、先ほどとは対照的に「地震・雷・火事・女房」と言うこともあるのだとか。他にも「地震・雷・火事・津波」や「地震・雷・火事・コロナ」と表現する人もいるようです。最後の要素を入れ換えることで、それが災害に匹敵するほど恐ろしいものだということを表しているのですね。

最後に

今回は「地震・雷・火事・親父」について解説してみました。あまり聞き覚えのない言葉だったかもしれませんが、意味や語源について理解していただけましたでしょうか? 天災はどの時代においても恐ろしいものです。しかし最後の言葉に関しては、時代の流れに沿って変わっているという部分が面白いですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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