職場で、「この案件はオンスケです」といったフレーズを聞いたことはありますか? 「オンスケ」に馴染みがない方は、どういう意味なのか疑問に思ったかもしれませんね。当記事では、オンスケの意味や使うときの注意点、類語などを紹介します。
オンスケとは?
最初に、オンスケの意味や注意点を解説します。ビジネスシーンで恥ずかしい思いをしないよう、意味をしっかり理解しておきましょう!
意味
オンスケとは、英語の「on schedule(オンスケジュール)」を略した言葉です。もともと英語の「on schedule」は、「予定通りに」という意味があり、オンスケも「予定通り」「スケジュール通り」を表します。例えば、作業や業務の進捗を報告するとき、もしくは確認するときに、「プロジェクトはオンスケです」「オンスケで進んでる?」などと使われるのです。
上述の通りオンスケは、「予定通り」という意味で使われることが多いですが、設計の場面でオンスケを使う場合は、「オンスケール」の略語になります。「オンスケール」は、縮尺の記載がある図面や地図のこと。シーンによって意味が変わりますので、注意しましょう。
注意点
業務などがスケジュール通りに進んでいることを表す「オンスケ」。進捗状況を端的に報告できるため、使い勝手のいい言葉ではあります。ですが、人によっては「カジュアルすぎる」という印象を受けることも。そのため、上司や取引先など、目上の方に使うのは控えた方が無難です。
しかし、上司や取引先など関係なく、日常的に「オンスケ」を使っている職場であれば、使っても問題がないことも。状況を見ながら判断をするようにしましょう。
オンスケの使い方を例文でチェック!
オンスケを使い慣れていない方は、どのような使い方をしたらいいかわからないはず。そこで、ここではオンスケの使い方を例文とともに解説していきましょう。
1:「○○社の開発案件、オンスケで進んでる?」
これは、案件の作業状況を確認している文で、「○○社の開発案件は、予定通りに進んでいるか」を聞いています。予定通りに進んでいる場合は、「オンスケです」と返答したり、「予定通りです」「遅れなく進んでいます」と返答してもいいでしょう。もし予定より遅れている場合は、オンスケは使えません。作業状況やどれくらい遅れているかをきちんと報告するようにしましょう。
2:「新規プロジェクトは今のところ大きな問題はなく、オンスケで動いています」
この例文では、「新規プロジェクトは、特にトラブルが発生しておらず、スケジュール通りに進んでいる」ということを表しています。オンスケはこのように、業務の進捗状況を報告するときに使える言葉です。「オンスケで動いている」のほかに、「オンスケで行われている」「オンスケで進んでいる」も使えますよ。
類語や言い換え表現は?
もし、やりとりをしている相手がオンスケを日常的に使っていなかったり、上司など目上の方にはオンスケを使うのは控えた方がいいかもしれません。ここでは、オンスケの代わりに使える言葉をいくつか紹介します。
1:予定通り
オンスケの言い換え表現は、日本語の意味そのままの「予定通り」がぴったりです。誰でも馴染みのある言葉ですし、カジュアルな表現でもないので、どんな相手にも使いやすいでしょう。「業務はオンスケで進んでいます」は、「業務は予定通りに進んでいます」と言い換えて使ってみてくださいね。
2:計画通り
予定通りのほか、「計画通り」もオンスケの言い換え表現です。「途中トラブルも発生しましたが、新規プロジェクトは計画通りに終えることができました」などと使いましょう。
3:遅れなく
「遅れなく」という言葉も、オンスケの言い換え表現にふさわしいでしょう。自分のタスクがオンスケで進んでいるなら、「業務は遅れなく進んでいます」と言ってみてください。
対義語は?
続いて、オンスケとは反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。「ビハインド」「ペンディング」などがそれにあたります。
1:ビハインド
野球でも使われるビハインド。野球では「負けていること」を表しますが、ビジネスシーンでは「遅れをとっていること」を表します。「当初予定していたスケジュールから、ビハインドしています」などと、予定より遅れているときに使いましょう。
2:ペンディング
ペンディングとは、「未決定であること」「保留すること」という意味。ビジネスシーンにおいては、何らかの理由で進行をいったん止めること、決断を保留にすることを意味します。
オンスケと混同しやすい言葉
オンスケと似た言葉に、「オンタイム」や「リスケ」などがあります。混同しやすい言葉なので、これを機会に意味をしっかりおさえておきましょう。
1:オンタイム
オンタイムは、「定刻通りに」「予定通りに」という意味です。このほかに、「就業時間」「勤務中」を表すことも。オンタイムは、「事前に定められた時刻通りに」という意味合いで、例えば「プレゼンはオンタイムに始めます」「飛行機はオンタイムに到着した」などと使われます。
オンタイムにも、「予定通りに」という意味があるのでオンスケと混同しやすいですよね。オンタイムは「時間の流れにおける、ある一点」というニュアンスで、一方オンスケは「もう少し長い時間軸」を表します。
2:リスケ
リスケとは、リスケジュールを略した言葉。リスケジュールとは、「スケジュールを立て直す」といった意味です。ビジネスシーンでは、打ち合わせなどの日程を再調整するとき、プロジェクトなどの予定を組み直すときなどに使われます。スケジュール通りに進んでいることを表す「オンスケ」とは、まったく違う意味なので、間違って使わないように注意しましょう。
最後に
プロジェクトなどが予定通り、順調に進んでいることを表す「オンスケ」。進捗状況を端的に報告できるため、便利な言葉ではあります。しかし、受け取り手によっては「失礼」と思われてしまうこともあるので、状況をしっかりと見極めることが大切です。もし使うのが不適切と感じたら、当記事で紹介した類義語・言い換え表現を使ってみてくださいね。
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